ニャンニャンニャンニャン(2222キリリク作品)

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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
主人公の名前



皿洗いを全て終えたナギは紙が床に落ちている事に気が付いた。


拾い上げた紙の冒頭には、
『料理の手伝い中、キャベツに潜む青虫達を(―略―)軍団を立ち上げることにしたのだ…!!』
と書かれており、その下には船員達の名前が、軒並み連なっていた。


ナギ『これが署名か…』


チラリと見ただけでも、シンの名前が『ツソ』になっているし、ハヤテの名前も読めない。
リュウガの名前に至っては『リョウガ』表記になっている。

ナギ『………アイツが自分で書いたのか。船長の名前を適当に覚えているな。』


流石に自分の名前を間違える人間はいない、というわけでリュウガの署名はが代筆したとすぐに理解したが、やっぱり彼女はアホなんだな、とナギは溜め息をついた。


ナギ「………」


次なる仕事は朝食の仕込み作業だ。
用意してある野菜へとナギは手を伸ばした。



……………………………



仕込み作業をしている間にへの憤りも収まっていた。


ナギ『…もうこんな時間か…』


気が付けば夜半の時間に近かった。

ナギは一日を終えに自室へ戻ることにした。









ギィ…


ナギが自室の扉を開けると、寝ているべき人物と、あるべきはずの物が忽然と消えていた。


ナギ「……?」


こんな遅い時間にとあの無駄に大き過ぎる虫箱は何処へ消えたのか。

机を見ても手掛かりとなりそうな置き手紙もない。
流石に心配したナギは彼女を探しに、再度部屋を出ることにした。



……………………………




ナギ「!」

様々な場所を探し回ったナギは倉庫の奥で眠るを発見した。
同じ倉庫内で寝泊まりしているはずのトワの姿は今は無く、きっと彼は不寝番をしに甲板まで出ているのだろう。




「スヤーーー」


ナギ『……また寝こけてやがる。』

呆れると共に彼女の姿を見つける事が出来てナギは素直に安堵した。


ナギ「……おい。」


と、声を掛けながらナギはの肩を揺すった。


「……あ!」


ハッと目を覚ましたは急いで虫箱まで這い寄り、中にいる虫達を確認した。


「ハヤテ君、サナギになりそう!!」


ナギ「……また虫かよ。」


ナギのことはお構い無しに、青虫のことばかり心配する彼女にはほとほと呆れてしまう。


「あ…ナギさん…」


遅れてナギの存在に気付くだったが、やはりいつもの反応とは違っていた。
彼女の声には元気が無いままだ。


ナギ「……まだ怒ってんのか?」


「………」


ナギ「……明日には上陸する。忙しくなるから部屋に戻って早く寝ろ。」


ナギにしては珍しく、の手を取り優しく立たせてやる。


「はい…」


従順なを前にするとどうも調子が狂う。


ナギ『やりづれぇ…』


内心困惑するナギだった。


「…………」


はナギの後に黙ってついて歩き、部屋まで戻った。






……………………………



いつもは一人ででも延々と喋り続けているようななのに、倉庫から部屋までの道中、一言も話しかけては来なかった。

部屋に戻って扉を閉めてすぐ、先にナギの我慢の限界が来た。

ガシッとの手首を掴んで自分の方に向かせる。


ナギ「……なぁ、いい加減にしろよ。」


強い力で握られる手首の痛みから、ナギの怒気が伝わってくる。


「……………」


それでも黙り続ける


ナギ「夕飯の時のあの態度、どういうつもりだ?」


低い声で尋ねてくるナギ、彼はだんだんと苛立ちを思い出しているようだ。

は思わず下を向いて目をそらす。


ナギ「こっちを見ろ。」


そうはさせまいとナギは彼女の顔を両手で挟み、強制的に目を合わさせる。
の顔を無理矢理覗き込むと、その目には大粒の涙が今にも零れんばかりに溜められていた。


ナギ「…!」


ナギは動揺した。 いつもの大口を開けて泣き叫ぶ子どものようなではなく、今の彼女はナギの苦手とする悲哀に満ちた女性の泣き顔を晒している。


「ナギさ…っ…」


ついにはの目からポロポロと大粒の涙が零れ落ちてきた。


ナギ「、そこに座れ。」


動揺したままのナギはとりあえずをベッドに座らせることにした。
自分は彼女の眼前の床にドカッと座り胡座をかく。


「…………」


静かに泣いていただったが、暫くすると落ち着いてきたようだ。

「ナギさん…横座って良いですか?」


ナギ「……あぁ。」


ナギは拒めなかった。


「…………」


そんな彼の横にはそっと座った。


ナギ「……………」


「…………」


長い沈黙。 今回はナギの方から動いた。


ナギ「……、」


の肩に腕を回し、そのまま身体を自分の方に引き寄せる。


「…………」


今の彼女は抵抗をしなかった。 素直にナギに身体を預けている。


ナギ「……どうした?」


「……ナギさん、お部屋に置いてくれてありがとうございます。」


やっと口を開いたと思えば、出てきたセリフがこれだった。


ナギ「あ?」

急に礼を言われても全く意味が分からない。


「私、居候のくせに、ナギさんに床で寝てもらったり、たくさんワガママを言ったりして調子に乗ってます…それに、」


ナギ「…………」


ナギは黙っての言葉に耳を傾けている。
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