ニャンニャンニャンニャン(2222キリリク作品)
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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……………………………
馬「……………」
一人倉庫で虫箱をボーッと眺めて座る馬。
馬『結局、夕飯の用意ボイコットしちゃった。 ナギさん怒ってるだろなぁ。』
彼女の視界にはムシャムシャとキャベツを食べ続ける青虫達がいる。
今だけは呑気な彼らを羨ましく感じる。
馬『ナギさんからしたら、私って虫飼いたいってダダこねて、急にブリッジして頭打って去って行ったちょっぴりアホの子…って認識だろうなぁ。』
ちょっぴりどころではない、かなりのアホだと見なされているのが現実である。
馬『うぅ、顔を合わせるのが気まずい、』
トワ「馬さん!!!」
馬「うわぁぁぁああぁぁあぁぁあ!!!」
トワの突然の登場に、いつぞやのシンの時みたいに馬は驚き叫んだ。
トワ「わぁぁぁっ!!」
トワも、シンより肝が据わっていないのでオカルトちっくな馬の顔に釣られて叫んでしまう。
二人の叫声が倉庫に響き渡った。
トワ「あー、驚いた。 馬さんの顔、急に陰影が濃くなるから凄くビックリしましたよ…」
馬「なんかごめんね…」
トワ「いえいえ、気にしないでください! あの、ナギさんが夕飯だから馬さんを呼んで来いって。」
馬「……はーい。」
トワ「あれ?元気ないですけど大丈夫ですか?」
馬「そ、そ、そ、そ、そ、そんなこと、ないですったい!!!」
トワ「凄い動揺してますけど…あの、僕で良かったら力になりますよ?」
心配そうに尋ねてくれるトワに対して、 「虫箱をトワ君の部屋に置かせてください!」 という言葉が馬の喉まで出かけたが、そもそも彼には自室が無かった。
そう、現在いる倉庫は公共の部屋なのだ。勝手に虫箱を置くことによってトワがナギに怒られてしまうかもしれない。
馬「大丈夫だよ、ありがとう。」
トワ『あれ?馬さんが普通の反応だぞ…本当に大丈夫かな?』
控えめに答える馬…その姿は共に過ごした日の浅いトワですら違和感を感じてしまう程だった。
……………………………
いよいよ明日は次なる島に上陸する。
船に残っている食材を整理するため、という名目で今日の食卓はいつもより豪華だった。
ハヤテ「ナギ兄、今日の食事凄ぇな! でさ、前のラム肉ってまだ残ってるっけ?」
ナギ「………あるよ。」
シン「ブルーチーズはまだあるか?」
ナギ「………あるよ。」
リュウガ「おーい、ナギ。ヤマトの焼酎、まだあったか?」
ナギ「………あるよ。」
トワ「ナギさん、シンプルな目玉焼きが食べたいです!」
ナギ「………あるよ。」
ソウシ「ナギー、焼おにぎりってあるかな。」
ナギ「………あるよ。」
いつもの食卓、いつもの風景。 皆、遠慮することなくナギに料理を出してもらっている。
馬「……………」
しかし、その中で、馬だけは一度も言葉を発しなかった。
一体どうしたのか?いつもの珍味はリクエストしないのか?と、 その場にいた全員が馬の異変に気付いていた。
馬「ごちになりましたー。 すみません、先上がりまーす。」
言動は相変わらずだが、それでもどこか元気のない馬は、早々に食事を切り上げて食堂を後にした。
リュウガ「なんだ?馬は具合でも悪いのか。」
ソウシ「うーん、お昼までは元気そうに署名活動してたみたいですけど…」
シン「確かに。アホみたいな理由で署名をしろって来てたな。」
ハヤテ「あー、俺のとこにも来たわ。何か虫飼いたいとか言って。」
トワ『僕は大体事情を知ってるから黙っとこう。』
全員が馬の保護者ポジションであるナギの方を見た。
ナギ「………………」
しかし彼は何も語ることなく、そのまま厨房に戻ってしまった。
リュウガ「こりゃ痴話喧嘩だな、きっと!」
ソウシ「でも馬ちゃんが一方的にナギに懐いてるって感じですよね。痴話喧嘩にまで発展するかなぁ。」
シン「あれはペットと飼い主の関係だろう。」
ハヤテ「あー!それ、すっげーわかる。 でも馬は犬ってほど賢くないし、従順でもないけどな!」
シン「………お前もな。」
ハヤテ「あ?」
トワ「馬さんは本能のままに生きてるから、僕には猫っぽく感じます。」
ソウシ「私も彼女と組み手してる時、猫をあやしている気持ちになるよ♪」
リュウガ「猫もいざとなったら飼い主守るために戦うらしいしな! まぁ、ナギは気まぐれ過ぎる猫を飼ってるようなもんだろ、ガハハ!!」
ナギ「……お前ら好き勝手言いやがって。明日の朝飯抜きにするぞ?」
全員「!!!」
先の会話はばっちりナギに聞こえていたらしい。
彼らの食事の権利を有するナギは色々と主導権を握りやすい。
今回もナギの機嫌を損ねてしまうと食事にありつけなくなってしまうので下手な事はこれ以上言うべきでは無い…メンバー達は慌てて話題を変えた。
リュウガ「えーっと、島を上陸してからの動きを確認するぞー!」
……………………………
夕飯の用意どころか、ここ最近はほぼ恒例となっていた食後の片付け・皿洗い・朝食の下ごしらえにも馬は手伝いに来なかった。
いつもより遅くまで厨房に残るナギは彼女に対して腹を立てていた。
ナギ『馬のヤツ、皿洗いまでサボりやがって…』
ガチャッ、ガシャンッ!!
無意識の内にナギは荒い手つきで皿を扱っている。
ナギ『……ったく、部屋で虫が飼いたいとか、アイツはガキか。』
昨夜の不寝番の担当でもあったナギは睡眠不足ということもあり、尚更苛立ちが増していく。
ナギ『……しかも俺の作ったモンを残すなんて、いい度胸してやがる。』
ナギは普段と微妙に反応の違った馬のことが気掛かりで、最初に作った彼女用の食事を少しばかり豪華にしてしまった。
結果、他のメンバー達の分も豪華にしなければならなくなり、在庫整理の名の下、大盤振る舞いの夕飯となったのだ。
馬「こんなに食べられないので明日の朝に回しますね、あ、ハヤテさんも協力してくださーい。」
ハヤテ「おう!任せろ♪」
……それなのに、当の本人は残す始末。
食べる前からハヤテに豪華な食事を分け与えた後は少量だけ食してさっさと食堂から去ってしまった。
ナギ『………チッ、終らねぇな。』
料理の品数が多かったせいで汚れた食器もまだまだ残っている。
こんな時に馬がいたらもっと早く片付け終えるのに… ふとそんなことを思ってしまう。
ナギは余計にイライラしながら皿洗いをこなしていった。