ニャンニャンニャンニャン(2222キリリク作品)
こちらで夢小説の名前設定!
本棚全体の夢小説設定このブックはドリーム機能を使用しています。 名前を入れると、登場人物に自動変換します。
名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
……………………………
馬「ソウシ先生!私も技を考えてみました!!」
ここからは馬の回想中…ソウシとの座薬講習会、もとい武術の練習での思い出である。
馬「とぉっ!」
ソウシ「す、凄い…!」
馬はブリッジの姿勢をするかの如く腰をしならせた。
そしてすぐには体勢を戻さずに、腹筋の力でそのまま手を付けないブリッジの姿勢…つまりはリンボーダンスの姿勢をキープしている。
ソウシの上段を狙った攻撃をしゃがんだり一歩下がって避けるのではなく、馬はあえてのリンボーダンスの姿勢を取ることで避けると言うのだ。
ソウシ「うん…それで避けられると凄いインパクトを受けるよ! 面白いからこれで練習してみようか」
この時のソウシはまさか馬がリンボーダンス避けを実践するとは思っていなかったのだろう、ただの余興のつもりでその技を褒めていたのに… 彼女はなんと実践でも取り入れてしまったのだ。
回想終了…
今まさにナギに振り回されしフライ返し(流石に熱々のフライパンでの指導は無いらしい)を…
馬「ナギさんの攻撃、見破ったり! てゃっっ!!」
ナギ「………!!」
馬は見事にリンボー避けで回避した…と思ったら、
ガシャンッ!!
後ろの棚に後頭部を強打してしまった。
馬「っっつぅーー」
背後からの予期せぬ衝撃に、馬の視界は白くなりチカチカとした星まで舞っている。
ナギ「…………」
流石のナギも憐れみながら激痛に苦しむ彼女を眺めていた。
ナギ「……お前って可哀想なくらいアホなんだな。」
と、とても気の毒そうなトドメの一言。
そこまで言われた馬は半ばヤケクソ気味に懇願してみる。
馬「そんな可哀想な私と虫達に愛の手を!!虫箱をナギさんのお部屋に置いてください、お願いします!!!」
痛む頭まで下げて、それはもう全力で頼み込んだ。
ナギは優しく馬の肩に手をポンと置いて、
ナギ「……ダメだ。」
ぶれる事なくダメ押しをした。
馬「…………」
ナギ「もう虫のことは諦めて夕飯の用意を手伝えって。」
いつもの彼女なら「はいはい…」と嫌々でもナギの言う事を聞くのだが、この日は違った。
馬「ナギさんのバカちん!もういいです!!」
あろうことか、命令を背き、怒って出ていってしまったのだ。
ナギ『……ホントに何なんだ、アイツは。』
ナギはそのまま厨房で仕事を続けたが、ほんの少しだけ馬のことが気掛かりだった。
……………………………
ズリッ……ズリッ……
馬『…部屋主のナギさんがダメって言ったら絶対だってわかってるけど…』
ズリッ…ズリ……
馬は自身の考えをまとめながら、虫箱をズリズリと引き摺りながら移動させていた。
船が急に揺れても転倒しないようにと、虫箱にはしっかりとした重しが入れられ、さらにはテンションの上がったトワと共に巨大なサイズの虫箱を製作した。
この無駄に超重量級の虫箱となってしまった事もナギが嫌がる理由の一つになっていた。
そんな虫箱を馬一人では容易に持ち上げることができず、やむを得ず引き摺ってナギの部屋から運んでいるのだ。
馬「あー、腰にくるなー。」
ずっと中腰の姿勢でいるのは辛い。
馬「みんな元気かい?」
少し休憩を挟むつもりで虫箱の中の様子を見てみると…
馬「おほっ…」
『ハヤテ君』を筆頭に、皆キャベツをもりもりと食べていた。
一瞬、馬の視線に気づいた青虫達は動きを止めたが、すぐに食事を再開する。
馬「可愛いー♪」
どんな生き物でも赤ちゃんと呼べるモノが食べている姿はとても可愛く感じてしまう。
馬「でもね…いっぱい食べても君達は海に捨てられちゃうんだぞー…」
虫箱の蓋を開き、チョイっと、『青ちゃん』をつついて微笑む馬。
馬『自分で言ってて悲しくなってきちゃった…』
彼女の心を切なさが支配していく。
馬『せめて羽化までさせてあげたいな。 蝶の子どもに生まれたからには空を飛ぶのが本望だよね… …なんて考えは私のエゴかな。』
重たい虫箱は、馬からすると虫達の命の重みに感じてしまう。
馬『冷静に考えると、私は居候の身なのに虫なんか飼える立場じゃないしな〜。 ナギさんは言わないけど、私が船に乗ったせいで食材の減りも早くなってるだろうし……』
馬はどんどんマイナス思考へと陥っていく。
馬『エサのキャベツはちょっぴりとは言え、シリウス号の食材から使っているもんね… でも私はこの子達を殺せない…困ったなぁ…』
考えれば考えるほど深みに嵌まっていく。
馬「とりあえず、今は倉庫まで虫箱を移動させないと……よいしょっと。」
そう思い直し、馬はまたズリズリと虫箱を移動させ始めた。