廃墟島~滅びの女王と二刀流の剣士~(その4)
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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ナギ「……………」
馬を腕の中で抱き留めている時に決まってナギが思う事は、
ナギ『小せぇ…』
という感想だった。
世界基準で見るとヤマト人の女性の身長は平均よりも10センチ近く低く、ナギの故郷で馬くらいの背丈だと子どもと間違われてもおかしくはない。
ナギ『……俺にはそんな趣味は無かったのにな。』
と、幼児愛好癖など微塵も感じた事のない彼なのだが、小柄であどけない子どものような馬の事をどうしようもなく愛おしいと感じてしまうのだ。
馬「でへへ…」
馬の方はナギに触れてもらえて、満面の笑みを浮かべている。
このまま時が止まってしまっても構わないくらいに心地よい時間だった。
ナギ「………なぁ、」
馬「はい?」
抱き締められた状態でナギから声を掛けられると、馬は次なるスキンシップを期待してしまう。
馬『キッスかな!?ドキドキ!!』
馬が唇を尖らせながらナギの方に顔を向けようとした時、
ナギ「……さっきから何を作ってるんだ?」
予期せぬ質問を浴びせられた。
馬「ん?」
今度こそ馬がナギの顔を見上げると、
ナギ「………それ。」
彼の視線の先はまな板の上のウィンナーを見つめていた。
馬「それ……?
あぁ、ウィンナーの事ですか?
これは『ダンゴムシ』を作ってます!」
ナギ「……はぁ?」
馬「はい、以前のカニ軍団のような動物切りでして、今回はダンゴムシ切りにしてみました♪」
ナギ「……そんな気持ち悪ぃもん作んなよ。」
ナギはほとほと呆れた様子で馬から離れようとしたが、
馬「っ、せいっっ!!」
それよりも早く馬の方が動き、まな板上のウィンナーを全て掴んで手中に収めた。
そして、グツグツと湯立つスープ鍋の中に、
馬「えーいっ!」
とダンゴムシ軍団を投入してしまった。
緑の鬼に怒られ、取り上げられてしまう前に馬は強行手段に及んだのだった。
……………………………
ハヤテ「うぉっっ!何だよこれっ!?」
シリウス号の食堂で、少し早めの夕飯を食べているハヤテが声を上げて驚いた。
トワ「ハヤテさん!?」
馬「ど、ど、ど、どうしたんですか!?」
ハヤテの席に近い2人が即座に反応する。
ハヤテ「どうしたもこうしたも、これ……スープの中に虫が入ってるぞ!!」
ハヤテは『虫』をスプーンで掬い上げたのだが、それはどう見ても馬が作った『ダンゴムシ切りウィンナー』だった。
トワ「え、ハヤテさんそれは、」
馬「虫ですね!!」
見ただけで正体(※ウィンナー)に気付いているトワの発言に被せるようにして、馬は虫だと断言する。
ハヤテ「だよな!?ちょっと俺、ナギ兄に言ってくるわ!」
(※ナギは現在、厨房にいる。)
馬「あ、違いますよ、ハヤテさん。
この虫はナギさんの故意で入れられてるんですよ!」
ハヤテ「え、ナギ兄がわざと虫を!?」
馬「はい、この島に予定外に停まっちゃったから少しでも食材の消費を抑えようと、ナギさん自ら食べられるダンゴムシを捕まえてくれたんです。」
トワ『馬さん……流石にその設定はハヤテさんでも信じないだろうな(笑)』
トワは2人のやり取りを微笑ましく見ている。
ハヤテ「ま、まじかよ……そんな切羽詰まった状態でもナギ兄は俺らのために虫の調達を!?」
トワ『あ、信じちゃった(笑)』
馬「ささ、食べてみてください。
見た目はダンゴムシですけど、味は意外と肉っぽいですよ。」
ハヤテ「あ、あぁ…」
ハヤテは恐る恐るダンゴムシ(※ウィンナー)を口に運んだ。
ハヤテ「本当だ、ダンゴムシってウィンナーみたいに柔らかいんだな!!」
ハヤテはウィンナーを食べてウィンナーのようだ、と言って感動している。
馬「……ぶふっ…ゲホッゲホ!」
トワ「…(震えている)…」
そんな彼を見て、馬とトワは必死になって笑いを堪えるのだった。