廃墟島~滅びの女王と二刀流の剣士~(その4)
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リュウガ「街の崩壊の瞬間を見た。」
「え…」
唐突なリュウガの発言に、全員の眉が顰められた。
リュウガ「多分あれは巡回だろうな。
城から合図が出て、暫くしたら王…女王だったか、とにかく兵士を率いた一団が出てきたんだ。
けどな、女王が城外に出てきた瞬間空気が変わった。」
シン「空気が変わる?」
シンも換金所で似たような感覚に陥ったため、思わずリュウガの言葉に反応してしまう。
リュウガ「あ、ヤベーな、これ、って感じの空気。」
シン「……………」
やはり彼も同じ感想を抱いたため、リュウガの言わんとする事が容易に想像出来た。
リュウガ「女王かどうか曖昧な言い方になってるのは理由があってだな、」
「………………」
全員が固唾を飲んでリュウガの話を聞き入っている。
リュウガ「出てきたモノってのが……その、何て言うべきか、真っ黒な闇そのものだったんだよ。」
「……闇?」
リュウガ「あぁ、何となく人のようなシルエットをしてるんだが……本当にそこだけ黒い墨で塗り潰したような影とか闇としか言えないモノが出てきた。」
「………………」
リュウガの発言を聞き、各々の頭に浮かんだのはあの黒塗りの絵だった。
リュウガ「でな、闇…わかりやすく女王って言うが、女王が城外に出た瞬間、城が音を建てて崩れ始めたんだ。
その次に女王を囲んでいた兵士軍団が続々と倒れていってな、その後は…」
リュウガは女王の出現によって城、人、そして街が崩壊していく過程を見たという。
しかしよくよく聞いてみると、『崩壊』と言うよりも昨夜メンバー達が見た廃墟の街並み、『元の姿に戻る』といった表現の方が正しいように思える内容だった。
ソウシ「つまり、船長は街を廃墟にして回る女王から逃げてきた、って言いたいんですね。」
リュウガ「そうだな!」
ソウシ「馬ちゃんはどう思う?」
超常現象が過ぎるリュウガの話について、ソウシはそういった類いに詳しそうな馬の解説を求めた。
ナギ「……馬。」
ナギは自分の背後で縮こまっている馬に、きちんと話をするよう促した。
馬「は、はい…私の意見はただ1つでございます。
その女王は危な過ぎるので近付くのもダメ、むしろ宝よりも命を優先して一刻も早く島から出ていきましょう、としか言えません。」
巫女見習いの時に馬は様々な知識を教わってきた。
幽霊や怨霊というモノは人に取り憑いて心身共に害を成していく。
しかし中には人どころか、空間・次元をも歪めてしまう規格外の力を持つバケモノもいる。
今回の場合は正にそれに当てはまり、女王は次元を操り、人や建物の姿を過去から現在のものへと変えているように推測出来た。
そうなってくると女王の存在はもはや神に近しく、到底人の手に負えるものではない。
そのようなものから助かりたければ全力で逃げるしか術はない、と教え込まれていた。
リュウガ「まぁ、そうだろうなー。
女王はずっと島をふらふらとさ迷ってるっぽくてな、船が見つかる前にとっとと逃げちまう方が良いと思うわ。
シン、すぐに出航出来そうか?」
シン「はい。」
リュウガ「よし、そうと決まったら……
良いか野郎どもと馬ー!!
速やかに出航準備に取り掛かるように!!」
「おーー!!」