廃墟島~滅びの女王と二刀流の剣士~(その4)
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……………………………
バタンッ!!
シリウス号の食堂の扉が豪快に開かれた。
トワ「あ、帰ってきた。
船長、おかえりなさい!」
リュウガ「よぉ、野郎どもと馬!
全員無事か!?」
1人だけ単独行動をして行方知れずとなっていたリュウガが颯爽と帰ってきた。
あの時、換金所にて馬とシンの2人が街に滞在することを強く拒んだため、その場にいたメンバー達は急ぎシリウス号へと戻る事になった。
そして恒例の食堂でリュウガの帰りを手薬煉引きつつ待っていたのだが……
ソウシ「今までどこにいたんですか?
皆、凄く心配してたんですよ?」
このような時、大体ソウシがリュウガを諌める役回りとなる。
リュウガ「悪ぃ悪ぃ、ちょっと気になる事を調べててな!」
そう言いながらリュウガは脱いだコートを馬の肩に掛け、自慢の海賊帽も彼女の頭に被せた。
馬「おっとっと。」
大柄なリュウガの衣類は彼女の身体を余裕で包み込み、ズッシリと重くのし掛かる。
リュウガ「ちょっとハードな運動をしてきたからな、先にシャワーを浴びてくる!
馬、悪ぃがそれを部屋に置くついでに着替えも持って来てくれ!!」
馬「かしこまりましたー!スンスンスン。」
リュウガの衣服に悪いモノは憑いていないか、一応においを嗅いで確認するが、
馬「うん、ダンディな匂い!」
セクシーな大人の、リュウガ愛用の香水の匂いしか感じ取れなかった。
シン「船長は何とも無いのか?」
シンも帰船してすぐに馬に塩を浴びせられ、清酒を飲まされた被害者となった。
しかしその直後、身体の怠さが無くなるという経験もしたので、彼女の『お祓い』とやらは利き目があるのだと認めざるを得なかった。
リュウガもそういった過程を踏まなくて良いのかと暗に尋ねている。
馬「はい!何にも悪そうなモノは憑いてないですね、流石です!」
馬は太鼓判を押した。
リュウガ「お、そいつは嬉しいな。
いや、さっきスゲーもんを見ちまったからてっきり呪われたかと思ったんだがな!
話の前にシャワーが先だな(笑)」
意味深長な発言をするだけしてからリュウガは素早く退室した。
ハヤテ「呪われそうなスゲーもんって何だよ…」
「………………」
食堂に残された全員がリュウガの言葉を反芻しては言葉を詰まらせている。
……………………………
風呂上がりのリュウガが全員に注目される中、街で目撃した『スゲーもん』について説明する。
リュウガ「やっぱ海賊王たるもの、狙うのは1番のお宝だろ?」
馬「おぉ!いかにもな発言で、カッコイイ!!」
ここでいうリュウガの『お宝を狙う』とは窃盗する事を示しており、勿論それは立派な犯罪である。
余談だが、シリウス海賊団がお宝を強奪する際は一切馬には関わらせていない。
そこには、犯罪歴の無い彼女をお尋ね者に貶めるわけにはいかないというリュウガの配慮があるからだ。
(※馬がいつもリュウガから渡される報酬は、あくまでも雇われメイドの賃金として支払われている。)
リュウガ「例の城な、やっぱり夜とは打って変わって、廃墟じゃ無くなってたぞ。」
昨夜見た城はリュウガ以外のメンバーに何かしら影響を及ぼすと馬から忠告を受けていたため、彼は単独で偵察に行ったという。
ソウシ「うーん、本当にどういう仕組みになってるんだろう…」
リュウガの言葉を聞いたソウシは未だにこの超常現象の理由を考えている。
リュウガ「それでな、昼間の城は穏やかそのものだったから、こりゃ全員で行けるぞと思ってな。
侵入経路を探してたんだ。」
シン「船長自らが下見してたんですか。」
集団のトップたるものが泥臭い行動を取っていたと聞いて、シンは少し呆れている。
しかし、
リュウガ「フッ、」
リュウガはニヤリと笑うだけで、シンの言葉を特に気にする様子も無い。
リュウガ「こんな部下思いの海賊王はそういねーだろ?」
そして、まだ乾ききっていない自身の髪の毛を掻き上げた。
リュウガは天下の色男、普段はガサツな振る舞いをしていても一つ一つの動作が艶やかである。
ところがどっこい、
馬『おぉ!急にキザっぽくなる船長、かなり面白い!!』
馬からすれば面白い観察対象でしかないらしく、嬉々として彼の行動を凝視している。
リュウガ「話を戻すぞ。
とにかく城の造りからして古臭いし、警備兵達も気の抜けたもんだったから簡単に侵入出来ると睨んだんだ。」
ハヤテ「へー、じゃあ今から行っても良いんじゃないですか?」
リュウガ「いや、ここから『スゲーもん』に繋がっていくんだ。」