廃墟島~滅びの女王と二刀流の剣士~(その3)
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「おや、珍しい。旅団が来たぞ。」
「あらまぁ、皆とっても綺麗な顔立ちだこと。
衣服も立派だし、外国のお偉いさんかしらね。」
シリウス海賊団が街に足を踏み入れると、人々は一斉に物珍しい彼らに注目する。
リュウガ「すまないが、少し聞きたい事がある。」
リュウガが代表して近くの露店の店主に声を掛けた。
「おう、何でも聞いてくれ。
俺達は旅人を歓迎するぜ!」
気の良さそうな店主はかなり友好的な姿勢で答えている。
リュウガは、自分達は偶然立ち寄っただけの旅行客である事を簡単に説明してから、この島について店主に尋ねた。
以下が店主が話てくれた内容である。
この街の名前は『ルー』というらしく、ルサという美しい女王によって統治されているという。
ルサ女王は崖沿いに見える城(※昨夜リュウガ達が探索を控えた城)に住んでいると言うが……
「以前のルサ様だったらあんた達のために歓迎の宴を開いてくれてたんだがな。」
少しばかり顔色を曇らせた店主の元に1人の中年男性が近付いてきた。
「だめだめ!今のルサ様はすっげーおっかねぇもん。
あんちゃん達、観光で来たんなら城には行かねぇで街で留まっとくべきだわ。」
ソウシ「ねぇ、シン。」
シン「?」
リュウガ達のやり取りを見ていたソウシだが、1つだけ気になった点があるのでシンに意見を求めようとしている。
それと同じタイミングで、
馬「ソウシさん。」
馬がソウシの肩を叩いた。
ソウシ「どうしたの?」
馬「医療綿、少し分けてください。」
ソウシ「ちょっと待ってね…」
ソウシはすぐに医療ポーチから怪我の消毒時に使う医療綿を取り出した。
馬「ありがとうございます、よいしょ。」
馬は綿を受け取るとすぐに小さく千切り、両方の鼻の穴に詰め込んでしまった。
彼女の行動を一部始終見ていたシンはすぐに指摘する。
シン「何ガキみたいな事をやってるんだ。」
鼻血が出たわけでも無いのに、鼻の穴に異物を詰め込むなんて子どもしかやらない行為である。
ここでやっと馬が声を潜めて理由を話す。
馬「だって…に゙おいが耐えきれな゙くって…」
鼻に綿を詰めているせいで、な行の発音がくぐもってきこえる( ※見易くするため、以降のセリフは普通に表記します)。
ソウシ「におい…?シンは何か気になる?」
シン「いえ。」
馬「多分ですけど、この街の人達皆死んでますよ。」
ソウシ「え!」
シン「………」
その時、リュウガがメンバー達に向かって声を掛けてきた。
リュウガ「あっちに市場があるらしいから行ってみるぞ!」
ソウシ「馬ちゃん、さっきの話を詳しく教えてくれない?」
移動しながらソウシは馬に尋ねた。
シン「……………」
シンも2人の会話に聞き耳を立てている。
本人は気付いてないが、実は霊感のある彼もこの街に入ってから全身の毛が逆立つような感覚に囚われている。
馬の独特な意見を聞いてこの得体の知れない恐怖の理由を考えたいのだ。
ナギ「ドクターからもらえたか?」
馬「あ、ナギさん!」
ナギが隣に加わると、馬は飛び付くようにして彼の腕に自身の手を絡ませた。
ナギ「……………」
本来は人前で戯れる事を良しとしないナギなのだが、今は非常時、馬の好きにさせている。
馬「えっと、ソウシさん、話の続きなんですけど。」
そして改めて馬は自身の感じた事を述べる。
ソウシ「うんうん。」
馬「まずにおいがですね、えげつないんです。」
ソウシ「…………」
馬「皆が平気そうな顔をしてるって事は臭わないんですよね?」
ソウシ「うん、全く。」
シン「臭うってどういう事だ?」
ソウシ「あぁ、シンは知らないのか。
馬ちゃんは霊の臭いを嗅いだら死因が特定出来るらしいんだ。」
シン「犬みたいな奴だな。」
シンはしっかりとツッコミを入れている。
ナギ「……………」
ナギも口には出さなかったが、やはりシンと同じ事を思った過去がある。