廃墟島~滅びの女王と二刀流の剣士~(その3)
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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馬「よし!船長、思いっきりやっちゃってください!!」
ソウシ「斬新な悪魔払いもあるもんだ…」
ナギ「……本当にこんな方法で大丈夫なのか?」
馬が言うには、ハヤテを助けるためにはリュウガの協力が必要不可欠らしい。
馬とナギとソウシの3人はリュウガ達から半歩下がって事の成り行きを見守っている。
リュウガ「男には、ましてやハヤテなんかに興味はねぇんだけど、」
ぶつくさと文句を言いながらリュウガはハヤテの顔を覗き込んだ。
リュウガ「大事な船員を守るためには仕方ねぇか……って、この紙きれは取らねぇようにするんだな。」
リュウガはハヤテとお札の接合部を完全に剥がしてしまわないように気を付けながら静かに捲る。
ハヤテ「う、……」
お札が捲られ部屋の灯りが顔面に直射したせいで、ハヤテは眉を顰めている。
リュウガ「うーん……こうして間近で眺めてみると、ハヤテもアリかもしれねぇな(笑)」
馬「船長!新たな趣味を発見する前に、早くブチュッとやっちゃってください。」
リュウガ「おっと、そうだった。」
リュウガは馬から渡されていた清酒を1口、口に含んでから、ブチュッと眠り姫ハヤテに口付けをした。
途端、
ハヤテ「…っっ!?……ぐっっ!?」
ハヤテの瞳が見開かれ、手足をばたつかせて暴れ始めた。
馬「はい、ナギさん、ソウシさん!!
全力でお願いします!」
馬の呼び掛けを受け、事前にした打ち合わせ通りに2人がハヤテの身体を抑えに掛かる。
ハヤテ「ぐぁっっ!!」
ナギ「……っ、…」
大の男2人で抑えられているにも関わらず、血走った目をしたハヤテは尚も暴れ続けている。
ソウシ「っ、人間離れした、力だね…」
実はかなり力の強いソウシなのだが、それでもハヤテの力をもて余している。
リュウガ「よし、飲ませたぞ。」
そうこうしている内にリュウガは口に含んでいた清酒をハヤテに口移しで飲ませる事に成功した。
ハヤテ「……っぐぅっっ!!」
清酒を飲み込んだと思われる彼は一瞬だけ動きを止めた。
馬「OKです、手を離して!!」
馬の言葉に従い、男性陣は一斉に手を離した。
すると、
ハヤテ「うぇっ……んだよこれ………気持ち悪……」
先程まで意識の無かったハヤテが無事に覚醒した。
ソウシ「ちょっと診るよ。」
覚醒してから嘔吐し、やはりどす黒いものを吐き出したハヤテの身体をソウシが診察する。
ハヤテ「……う、……」
だが、他の探索メンバーと違って、吐き出してからもハヤテは非常に具合が悪そうだった。
ハヤテの診察の間に馬とナギは使用した道具の片付けを行っている。
ナギ「……ハヤテは大丈夫なのか?」
馬「押忍!読みが当たって良かったです!
ハヤテさんにくっついてたのはそんなに強いモノじゃ無かったから船長パワーで何とか出来ましたねー。」
ナギ「……悪魔払いとかに詳しいんだろ?
だったら馬が何とかするもんじゃねぇのか?」
ハヤテのお祓いに関しても馬が身体を張って処置するのかと思いきや、実質はリュウガが祓ったようなものだった。
その辺りの疑問をナギは彼女に尋ねてみた。
馬「私は知識はあるんですが、女ですからねー。
祓う事に関しては男性の方が適任なんですよ。」
ナギ「……?」
塵取りを片した馬はクルリと振り向くと、そのままナギの顔を見つめた。
馬「良いですか、女の人は男の人から精子をもらって妊娠しますよね?
いわば、腹に溜め込む『陰の力』を持ってるわけです。」
ナギ「……………」
馬「逆に男の人は自分の力だけで新しいイキモノ、精子が作れちゃいますよね?
これは『陽のパワー』って言います。」
ナギ「……?」
いきなり飛び出た専門用語にナギはついていけずにいる。
馬「陰と陽、マイナスとプラスみたいなもんですね!
これらは、巫女時代に教えてもらった知識なんですけど、男は新たなイキモノを作り出すパワーがあるから他の邪悪なモノを打ち払いやすい。
女はお祓いに関しては腹を乗っ取られやすいから気を付けろ、その代わり呪術関連の力が強い…らしいです。
なので、先輩巫女さんが強烈な霊を祓う時も指示を出すだけで、実際に処置をするのは村の男の人でした。」
ナギ「……そんな考え方、初めて聞いた。」
馬「この考え方はヤマトにあるたくさんの宗教の中でもマイナーなものだと思います。
元はシャハイ島の密教から伝わったらしいんですけどね。」
ナギ「……宗教とか全く信じねぇが、俺の故郷の宗教観とは全く違う事は確かだな。」
馬「あぁ、ナギさん達のとこは神様が最強で、悪魔払いにはエクソシストが主流ですもんね。
でもエクソシストも男性が多いですよね?
元をただせば似てますよ、結婚してはいけないとか。」
ナギ「………………」
いつものアホの馬とは異なり、真面目にかつ饒舌に語る彼女を見て、ナギは少し感心するのだった。