廃墟島~滅びの女王と二刀流の剣士~(その2)
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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シン「……………」
性欲に揺らいでいるシンは考えを改める事にした。
これは馬の方から求められているのであって、決してシリウス海賊団の禁を破ろうとしているわけでは無い、と。
女性から求められて応えてやらない男なんて紳士の風上にも置けない…のかどうかはわからないが、とにかく馬の要望を叶えてやる事にした。
シン「………はぁ。」
シンは極めて小さな溜め息を吐いてから馬の方に身体を向ける。
馬「お、……こっち向いた……むにゃ…」
八割方眠っているせいか、馬の目は閉じられたままだが、相手の動きから状況を察したようだ。
馬「ささ、いつものように…」
一緒にベッドで寝よう、と言いたいのだろう。
グイグイとベッドの方にシンの手を引っ張っている。
シン「……………」
ギシッ…
黙りこくるシンは素直に馬の望むようにベッドに手をついた。
馬「へーい…ナギさんカモーン…」
先に横になった馬が、シンをナギと勘違いしたまま呼び寄せる。
彼女の言葉だけに注目すればふざけているようにしか聞こえないが、その声は眠気のせいもあるが、愛する人に向けて発する声音そのもので、蕩けるように甘かった。
シン「………っ、」
例の如く、馬のギャップの差にシンの心は鷲掴みにされてしまう。
シン『ここまで来たらなるようになれ、だな。』
ギシッ…
開き直ったシンは、ベッドで横になる馬の上に覆い被さるようにして跨った。
……………………………
トワ「やっと、船が見えてきましたね。」
ハヤテ「あぁ…直に夜明けか?眠くなってきたな。」
リュウガ「戻ったら仮眠とっとけよー!
昼過ぎくらいに全員で探索し直すからな。」
ハヤテ「うぃーッス。」
ソウシ「馬ちゃんとシンは何ともないかな?」
ソウシは隣で歩くナギに向かって呟いた。
ナギ「……島に人の気配は無かったし、奇襲の心配は無いと、」
ソウシ「違う、違う。船内に男女2人だけにさせて、ナギは心配じゃないのかい?」
ソウシはナギの話を遮り、言いたい事を率直に告げた。
しかし、
ナギ「……日頃から、馬は好みのタイプじゃねぇ、とシンは言い切ってますから。」
と、ソウシの心配など気にし過ぎとばかりに退けた。
因みに、シンの好きなタイプは楚々とした、程よく色気も備わっている年上の女性が好きらしく、丸っきり馬とは正反対のタイプが好きらしい。
ソウシ「そうなんだ。
それにしても、ナギは馬ちゃんもシンの事もかなり信頼してるんだね。」
孤高のナギが他者を信頼するなんて、彼の日常生活において非常に良い傾向だ、とソウシは微笑ましく思っていた。
ソウシ「馬ちゃんが来てからシリウスの皆もより絆が深まった感じがするし、本当、馬ちゃんってシリウス号に舞い降りた天使みたいだね。」
ナギ「……………」
ナギからすれば馬への好意を垂れ流しにしているソウシの方が要注意人物に思えて仕方が無いのだが、その思いは口にすることなく自分の胸の内だけに仕舞い込んだ。