廃墟島~滅びの女王と二刀流の剣士~
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……………………………
シリウス号の甲板にて。
リュウガ「おぉ!遅かったな。」
甲板ではリュウガが腕を組みながら遠方を眺めていた。
ナギはバンダナを巻き直しながらリュウガの横に並ぶ。
リュウガ「馬は?」
ナギ「……人前に出せない状態なんで部屋で待たせてます。」
リュウガ「お楽しみの最中だったか、そりゃ悪い事したな。」
ナギ「いえ、」
お楽しみを邪魔される事にはもう慣れた、と、ナギは心の中で呟いた。
リュウガ「あいつの意見も聞きたかったんだけどな……まぁ、いいか。」
ナギ「……馬の?」
リュウガ「あぁ、馬の勘って当たるだろ?
あの島についてどう思うか聞きたかったんだが…」
ナギ「…………」
リュウガの視線の先には小さな孤島が浮かんでいた。
夜間にも関わらず灯りが1つも見えない事から察するに無人島なのだろう。
シンが言うには地図上にはない島らしく、もしかしたら青果等の食料の確保が出来るかもしれないとの事だった。
前回の寄港の際、暫くは周囲に何もない海上を進む事になるから、ということで大量の買い出しを済ませていた。
しかし、食料はたくさんあるに越したことはないし、まだ見ぬお宝があるかもしれない……シリウス海賊団にとって魅力的な島探索のはずだった。
だが、
リュウガ「なーんかおかしいんだよな、あの島…」
珍しくリュウガが乗り気では無いようだ。
いつもなら誰よりも心を躍らせながら上陸命令を出すはずなのに…
ハヤテ「船長!
人魚島もあったんだし、ちょっとぐらいおかしな島があっても大丈夫だって!!」
冒険好きのハヤテはすぐにでも上陸したいようだ。
リュウガ「そうだな、思いきって行ってみるか。
トワ、シンに上陸するって伝えてくれ!!」
トワ「わかりました!!」
ナギ「……………」
確か、人魚島を発見した際も今夜のような満月の夜だった。
満月には何か不思議なものを導く力があるのかもしれない、そう思いながら、ナギも上陸準備に取りかかるのだった。
……………………………
馬『風邪引いちゃったかなー』
シャワールームで1人、馬は腕に浮かんだ鳥肌を眺めていた。
何故だかわからないが、ナギが甲板に戻ってからずっと彼女は悪寒を感じている。
ナギとスキンシップを行った後はフェロモン落としのために2人でシャワーを浴びる事が恒例となっているのだが、今は馬だけで浴びている。
馬『節約節約、っと。』
夕食前にシャワーを浴びているのに、2度目ともなると申し訳なさが先立ってしまう。
少しでも省エネを心掛けようとした結果、馬は冷水で身を浄めた。
だから鳥肌が立っているのかもしれない、そう結論付けてから馬はシャワーの水を止めた。
キュッ…
……………………………
馬「ナギさんはまだ戻って来てないのか。」
部屋に戻っても未だナギの姿は無かった。
いつもならアフターシャワーの時も自分の身体を洗ってくれて(※馬の洗い方が雑過ぎて面倒見の良いナギが洗うのが恒例)、身体まで拭いてくれて(※馬の拭き方が雑過ぎて…略)、その後、部屋まで誘導してもらうのが最近の日課となっていただけに、1人だけで部屋に居ると非常に寂しく感じてしまう。
馬『こうして考えてみると、私ってすっごくナギさんにお世話されてるなぁ…』
自分は結構ナギに尽くしている方だと思っていたが、彼も相当尽くしてくれていた。
馬は旦那様の優しさに改めて感謝しながら、改造ポケットに手を伸ばした。
馬「ふふふ、ナギさん不足で寂しい時はこれ…」
バッ!!
馬「昨日の使用済みチリ紙~!!」
馬は某猫型ロボットのように声音を変えながらスペシャルアイテムを取り出した。
しかし、
ナギ「……没収な。」
馬「ギャッッッ!?なんたるタイミング!!
畜生っっ、ハローマイハズバンドォォォ!!」
絶妙なタイミングでナギが戻ってきたため、秘蔵の使用済みチリ紙は没収されてしまった。
馬「あふんー、やはりチリ紙よりも生ナギさんの匂いが好きぃ~。」
着替えやサバイバル道具を鞄に詰め込んでいるナギの背中に馬は張り付き、フガフガと彼の匂いを堪能していた。
ナギ「……………」
馬「でも、チリ紙の匂いもたまらないんですぜ?
エッチなナギさんの匂いが、」
ナギ「アホな事言ってねぇでお前も用意しろ。」
馬「へ?何のです?」
ナギ「……無人島っぽい島に上陸するらしい。」
馬「ふぉっ!?」
初めて聞かされる現況に、馬は目を丸くした。