モルドー帝国・後編~死刑囚と純白の花嫁~(最終章)
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……………………………
待機するための施設からチャペルへと移動するゲオルグと馬の姿を一目見ようと、外で出待ちをしていた民衆達がいた。
「お、出てきたぞ!
ゲオルグ様と花嫁の馬様だ!」
「あぁ…相変わらず滅茶苦茶お顔が整ってるわ、ゲオルグ様////」
「うわっっ、花嫁さん、ビックリするくらい可愛いらしいな、人形みたいだ…」
「ゲオルグ様なら背が高くてシュッとした美人を選ぶのかと思ってたけどこういう系が好きだったのか。」
「ロリータ趣味ってやつだよな、意外だわ。」
ゲオルグと馬の姿を見た彼らは、一斉に思ったままの感想を口にしていた。
そんな騒ぐ民衆達に混じり、帽子を目深にかぶった人物が2人…
リュウガ「ロリータ趣味だってよ、ナギ(笑)」
リュウガはニヤニヤとしながら隣にいるナギに話し掛けた。
一般的に見て馬と結婚するゲオルグがロリコン呼ばわりをされるのならば、同じく馬の事が好きなナギもロリコンだということになるのだろう。
しかし、
ナギ「……アイツは成人してます。」
自分にはそんな趣味は無いと、リュウガの冷やかしを撥ね付けた。
リュウガ「礼拝堂に入ったな、後はシンのアクションを待つだけか。」
ナギ「………はい。」
現在チャペルの内部には武器を持たない新郎新婦とその親族のみ。
外で厳重な警備に当たっている軍部の人間達はシンによる秘策で引き付ける予定だった。
……………………………
いよいよ馬とゲオルグの婚礼式が始まった。
馬「…………」
梅「…………」
盛大なパイプオルガンの音色に合わせて、梅に付き添われながら馬は静々とバージンロードを歩いていく。
馬「…………」
梅「…………」
残念ながら2人はシシマイを被ってはいなかった。
あんなにも盛り上がったシシマイバージンロード案だったが、真面目な弟(息子)タケルによって式が始まる直前に没収されてしまったのだ。
タケル「…………」
タケルは神妙な面持ちで、姉と養父がバージンロードを歩く様を眺めていた。
シシマイ「…………」
そんな彼の足元には厳めしい顔をしたシシマイがソッと置かれている。
梅「ったく、タケルのやつ……シシマイ被りたかったのに……」
梅は歩きながらボソボソと愚痴を吐いている。
馬「……ドンマイ、梅さん。」
馬もコソコソと宥めていた。
2人は腹話術の如く、唇を動かさずに器用に会話をしていた。
その会話は賑やかなパイプオルガンの音に掻き消され、参列者の元までは届いていない。
馬『あれ、外が騒がしい…?』
途中で馬は違和感を感じたのだが、梅に確認する前にタイムリミットが来てしまったようだ。
ゲオルグ「……………」
いよいよ父から新郎に、つまりは梅からゲオルグに、新婦の馬を引き渡す時が来たのだ。
梅「……後は任せたぞ。」
ゲオルグ「……、」
ゲオルグが『はい』と答えようとしたその瞬間、
バーーーンッッッッ!!
チャペルの扉が豪快に開かれた。
「!?」
チャペルの中にいる全ての人間が扉に注目する。
そこにいたのは……
リュウガ「シリウス海賊団参上っっ!!」
界隈一有名なシリウス海賊団の船長リュウガと、
ナギ「……………」
同じくシリウス海賊団の悪名高きバンダナの男だった。