モルドー帝国・後編~死刑囚と純白の花嫁~(その8)
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この絶望的な状況をどうするべきか……馬は頭をフル回転させて考える。
しかし、ゲオルグと結婚するのなら、このまま結ばれても何も問題は無いのではないか?
馬『そもそも…… イチャイチャする体力が無い…』
倫理的な問題の前に、馬は体力的に不可能だと悟った。
ナギと身体を触れ合っていた時も相当体力を削っていた。
ここ数日、殆ど何も食べる事が出来なかった今の健康状態では尚更無理な話だ。
さらに欲を言えば、正式にゲオルグと夫婦になるギリギリまで、ナギに操を立てていたい。
それに、馬の尊敬する前職の店長アケミも言っていたではないか、
アケミ「ヤマトの女なら、1人の殿方だけを最後まで愛し、信じて、操を守るべきよ!!
忠実な女でアレ、よ!!……ってカッコつけて言ってる私はオカマなんですけどぉ~(笑)」
と。
真剣に前半部を語るアケミの姿は、馬には非常に格好良く見えた。
馬『やっぱり……今はナギさんだけを想っていたい…』
馬はゲオルグを拒否する道を選んだ。
ガシッ…!!
馬「ストップです、ゲオルグ…さん。」
馬は衣服を脱がそうとするゲオルグの腕を掴んだ。
食事を取れずに体力が落ち切っていた彼女は、さらに細くなってしまった2本の腕を駆使して、何とかゲオルグの片腕を止めたのだった。
ゲオルグ「……触れられるのも嫌か?」
ゲオルグは酷く冷酷な表情をしている。
それは早朝に襲われそうになった時の、あの時のナギの表情に似ていた。
馬「こ、こういうのは苦手なんです…」
ゲオルグ「……………」
必死に訴える馬の言葉よりも、自分の腕に白くて小さな手が触れている事に、ゲオルグは意識がいく。
ゲオルグ「苦手も何も、貴女が海賊業を選ぶならばいつかは通る道だろう?」
口調は冷静なままのゲオルグだが、確実に欲情の火は着いている。
易々と馬の手を剥がした後は、自分の両指を絡め合わせるようにして彼女の手を握り、そのままベッドに縫い付けた。
馬「うぅぅ…」
馬は起き上がろうともがいたが、押さえ付けられている手はビクともしなかった。
ゲオルグ「馬は……タケルの立場を考えているか?」
馬「タケル、くん?」
急に弟の名前を出されたので、馬は抵抗を止めて相手の顔を見つめた。
ゲオルグ「そうだ。」
ゲオルグは、確実に馬を手に入れるためにとことん非道になろうと決めていた。
ゲオルグ「帝国軍、ましてや国際軍として活躍しているタケルの姉が海賊団の一員だと世間に知れたらどうなるか……」
ナギという切り札が無くなった今、ゲオルグは新たなカードを用意していたのだ。
馬「あ、」
ゲオルグに指摘され、馬は初めて気付く。
馬『あわわ…た、タケル君の出世に思いっきり響いちゃう。
タケル君の事を考えたら軍の偉い人のゲオルグさんと結婚した方が絶対に良い…』
打算が働いた結果だが、ゲオルグとの結婚は馬の中でも揺るぎ無いものとなってしまった。