モルドー帝国・後編~死刑囚と純白の花嫁~(その8)
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馬とゲオルグの挙式の当日、ゲオルグ邸では早朝から慌ただしかった。
「衣装類は全部乗せたぞ!」
「料理長ー、鍋はこれで全部かー?」
馬とルイーズが控えている部屋の扉を隔てて、使用人達が会場へと赴くための準備をしている音が聞こえてきた。
ルイーズ「馬様…お具合の方は大丈夫ですか?」
馬「はい…」
馬の返事は大丈夫だと言うものの、その顔は非常に浮かないものである。
本日花嫁となる幸福な女性の顔付きとは到底言い難い。
ルイーズ『まだ昨晩の事を引きずっていらっしゃるんだわ……無理もないけど……』
ルイーズは馬の手を取り、やや感情的になりながら話す。
ルイーズ「馬様……私、これ以上馬様が悲しむお姿は見たくありませんわ。」
馬「……?」
ルイーズ「……式をブッチしちゃいましょう。」
ルイーズは小声でとんでもない提案をした。
それにしても『ブッチ』とは懐かしい表現だな、と馬は漠然と考えた。
馬「あはは、そんなドタキャンなんか出来ないです。
ルイーズさん、お気遣いありがとう。
私は今日でちゃんとゲオルグさんの嫁になります。
昨日、あんなことがあったけど……本当のゲオルグさんはとっても優しい、はず…よいしょっ、」
馬はよろよろと立ち上がった。
ルイーズ「馬様…」
ルイーズは儚くも健気な馬の後ろ姿を見ながら言葉を詰まらせた。
……………………………
話は昨夜にまで遡る……
ガチャ…
夕食と入浴を済ませたゲオルグが夫婦の寝室に戻って来た。
馬「おかえりなさい。」
昨日と今日と、自傷行為をする事の無かった馬を見て、最初に使っていた自室に戻しても良いだろうとゲオルグは判断した。
それでも念には念を入れて、隣の部屋には馬の錯乱対策のためのルイーズを控えさせている。
ゲオルグ「こちらへ。」
ゲオルグは、床に寝床を作って待っていた馬の手を取って立たせた。
寝床作りは彼女が邸に来てから毎日行っている日課のような行動なので、いちいち突っ込む事も無くなっている。
ゲオルグはベッドまで馬を誘導しながら、
ゲオルグ「今日は夕食も少し食べたらしいな?」
彼の夕飯の間に料理長から報告された内容を確認した。
馬が食事をしたという報告はゲオルグからすれば非常に嬉しい報せなので、こころなしか彼の声音は明るかった。
馬「はい、ジェフさんからレシピをいただいたんです。
それなのにご飯を全部残すなんて事したら罰当たりですからね。」
気難しいジェフからレシピをもらえた感動を思い出した馬は自然と笑みが溢れていた。
ゲオルグ「……………」
ここ最近、馬の泣き顔しか見ていなかったゲオルグは、彼女の微笑みを見ることが出来て安堵した。
ゲオルグ「そうか…」
ゲオルグは話を聞き入れながら、馬の身体を引き寄せ、
ギュッ……
帰宅時の抱擁よりも強めに抱き締めた。
ゲオルグ「良かったな。」
馬「は、い…」
身体の小さな馬はゲオルグの大きな身体と体温を感じながら、早く例の質問をしなければ……と、ぼんやりと考えていた。