モルドー帝国・後編~死刑囚と純白の花嫁~(その7)
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結婚を拒否されても、今夜のゲオルグは穏やかに馬の言葉に耳を傾けている。
彼女の話を優しく聞き入れてやるようにと医師から言われた事もあり、聞き役に徹しているのだ。
それに、昨晩のように彼女が自傷行為をして傷付くくらいなら自分の感情を殺すなんて造作もなかった。
ゲオルグ「いきなりどうした?」
馬「わ、わたし…ナギさんのところに……行きたいんで……すっ、……ひっ、……ぅぅっ……」
始めは堪えるように涙していた馬だが、次第にしゃくり上げるようにして泣き出した。
ゲオルグ「…………」
ゲオルグは黙って空いている方の手を馬の背中に回した。
抱き寄せると、泣き震える彼女の身体が哀れな程に小さく感じた。
馬「ゲオルグさ……、優しいのに……わたし……ナギさんの事忘れられな……ひっ……ごめんなさい……ごめんなさい……ウグッ……」
ゲオルグ「…………」
ゲオルグは、自分が吐いてしまった嘘でここまで彼女を追い詰めているのかと後悔していた。
しかし、今さら後には引けないことも承知の上……馬を抱く手に力を込める。
ゲオルグ「馬、」
この時、彼は初めて馬の事を敬称無しで直接呼んだ。
馬「うっ………ヒッ………」
馬はゆっくりと顔を上げ、ゲオルグを見た。
ゲオルグ「無理に忘れろとは言わない。
ゆっくりと…自分の妻になっていって欲しい。」
ボロボロの泣き顔を晒す馬に対して彼は真剣な表情で言葉を掛けた。
馬「…っ……ふっ……グスッ………」
馬は返事をする事なく、静かに泣いていた。
ただただゲオルグの優しさが辛かった。
……………………………
リュウガは食堂にメンバー全員を集めて作戦を呼び掛けている。
リュウガ「野郎どもー!!
今から花嫁奪還作戦の打ち合わせをするぞー!!」
ハヤテ「花嫁っつっても馬の事ですよね?
アイツが花嫁ってなんか似合わねーんだよな。」
ハヤテはいつだってマイペースかつ公平に馬の事を見ている。
いつもヘラヘラと笑ってちゃらんぽらんな事をしでかす彼女が清廉さと純然たるイメージのある『花嫁』だなんて似合わな過ぎる、とハヤテには思えて仕方がなかった。
対するこちらは……
ナギ「………………」
ナギはただでさえ口数が少なく近寄りがたい印象があるのに、今はいつもに増して殺気立っており、ますます触れてはならない雰囲気を醸し出している。
トワ『ナギさん……大事な馬さんが他の人のところにいるなんて気が気でないだろうな。』
トワはナギの胸の内を考えると切なくなった。
一方、
ソウシ「………………」
こちらも近寄りがたい雰囲気を出していた。
いつもは朗らかで老若男女問わずに人気があるソウシなのに、今の彼は少しやつれて、さらには闇なるものまで抱えていそうだった。
シン『ドクターは馬と仲が良かったからな、気にするのも仕方がない…』
シンはソウシの様相を見て同情していた。
かくいうシンも馬の事が心配なあまり、自室の掃除も手に付かない程だった。
しかし、実際は、
ソウシ『次は花嫁姿の馬ちゃんを彫ろう。
けれど、やっぱり本物を見ながら造りたい……あぁ、馬ちゃんは元気にしてるのかな……』
日夜創作活動に明け暮れているソウシはシンの想定外の事を考えているのだった。