モルドー帝国・後編~死刑囚と純白の花嫁~(その6)
こちらで夢小説の名前設定!
本棚全体の夢小説設定このブックはドリーム機能を使用しています。 名前を入れると、登場人物に自動変換します。
名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
部屋の中にあるはずの調度品が全てなくなっていた。
以前ルイーズがこの部屋に入った時は洗練された家具類が揃っていたはずだ。
閑散とした部屋の中にはベッドが1つだけ置かれており、その上でよく見知った人物が倒れていた……『寝ている』よりも『倒れる』という表現の方が正しいと思えるくらい、その人物からは生気を感じられない。
ルイーズ「馬様!?」
ベッドの上の人物を把握したルイーズが駆け寄ろうとしたが、すぐにゲオルグによって引き留められた。
ルイーズ『ゲオルグ様…?』
何故遮られたかわからないルイーズは主人の顔を見上げたが、
ゲオルグ「……1度外に出るぞ。」
ゲオルグは首を横に振りながら、退室を促しただけだった。
ルイーズ「ゲオルグ様、馬様は一体…」
ゲオルグ「………自傷行為が激しい。」
確かに、入室した際、遠目から見ても彼女の服が血で汚れているのがわかった。
ルイーズ「ど、どうして馬様のような明るい方が自傷行為だなんて…」
ゲオルグ「…………」
ルイーズの言葉を聞いたゲオルグは病院での医師の言葉を思い出していた。
『あんなに明るかった人がどうして……の典型ですね。』
自分の嘘がその引き金を引いてしまったのだ。
しかし、今さら訂正するわけにはいかなかった。
彼女にナギは死んだと思い込ませてこのまま忘れさせたいのだ。
ゲオルグ「自分は直に軍部の方にいかなければならない。
その間はルイーズ、お前が彼女の傍にいてやってほしい。」
ルイーズ「も、勿論ですわ。」
ゲオルグに言われなくともルイーズはそのつもりでいた。
……………………………
ソウシ「……………」
ソウシは自室で馬の写真を眺めていた。
イディ島で彼女が罰ゲームで下着姿になってしまった時の写真だ。
あの時はソウシの体を張った撮影方法(※つまりは盗撮)にナギに怒られっぱなしだったが、僅かな隙をついて1枚だけの撮影に成功していた。
今となっては当時の自分に「ファインプレー!」と称賛の言葉をかけてやりたい。
何故なら馬の下着姿を見たいと思っても、もうこの写真でしか見ることが出来ないからだ。
他の写真はピントがずれているどころか、所謂『心霊写真』なるものまであるし、何よりも彼女は衣服をガッチリと着こなしている。
写真の中の、下着姿の馬は微笑みながらナギを見つめている(※ソウシの事は眼中にない)。
この時の彼女は本物の天使の如く、儚く美しかった。
ソウシ「………っ、…」
ところが、この馬の天使の下着姿がいきなり湧いて出てきた第三者のものになってしまう現実を思い知ると、ソウシの感情は高まり、今にも気が狂いそうになるのだった。
ソウシ「馬ちゃん…」
ソウシはもて余す激情を鎮めるために木塊を取り出した。
そして、
コンッコンッ、コンッコンッコンッコンッ!
と、木槌とミノで一心不乱に木塊を彫り始めた。
ソウシ「………………」
ソウシの部屋を見回せば、木彫りの馬人形が5体並べられている。
初代の馬人形と5代目の馬人形を比べてみると確実に技術が向上している事が明らかだ。
ソウシ「………………」
6代目の今回は天使の下着バージョンを造ってみよう……様々な思案を巡らせながら、ソウシは写真の中の馬をソッと指でなぞった。