モルドー帝国・後編~死刑囚と純白の花嫁~(その6)
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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馬「う……」
言葉が喉に詰まってしまって上手く喋れない。
身体もカタカタと震えてしまう。
それでも馬は、自身を奮い立たせてゲオルグに尋ねなければならなかった。
馬「う……そでしょ……ゲオルグ…さ…」
馬は震える手をどうにか止めようと反対側の手で抑えた。
しかし、どうしても止まりそうにない。
指先も酷く冷たくなっている。
馬の反応を見たゲオルグは、
ゲオルグ『言い過ぎたか?』
と、ナギを忘れさせるために咄嗟に吐いた嘘の内容を少しだけ後悔した。
だが、もう後戻りは出来ない、馬の執着を断ち切るためにも荒療治を続行するのみだ。
ゲオルグ「最近、忙しくしているのは処刑の後処理に追われていたからだ。」
確かに、ここ数日のゲオルグは早朝に家を出て、深夜に帰宅する生活を繰り返していた。
馬「……………」
彼の言葉は本当なのかもしれない、馬の中で『ナギの死』が少しずつ形成されていく。
馬「で、でも……ナギさんが捕まって1週間も経ってない…」
ゲオルグ「奴レベルの賞金首になると即日処刑でもおかしくはない。」
馬「わ、私とゲオルグさんが結婚したら、ナギさんは死なないって…」
ゲオルグ「残念だが、奴の罪が重過ぎた。
本来は即刻処刑されるところを2日ほど生き長らえた事が恩典に当たる。」
馬「………ナギさんは……いつ……処刑…」
ゲオルグ「一昨日の昼、だな。」
馬「……っ、」
その時、今まで動けずにいた馬が、荷物置き場まで飛ぶように移動した。
ゲオルグ「!?」
彼女の動きは軍人のゲオルグでさえ目を見張る程にしなやかで素早く、このような状況で無かったら、舞うような彼女の動きに見惚れていたかもしれない……そう思わせるくらいの人離れした動きだった。
その馬が手にしたのは彼女の改造ポケットだった。
カチャ……カチャ…カチャ…
血の気を無くして顔色が真っ白になっている馬だが、的確に中から欲しい物を取り出そうとしている。
ゲオルグ「?」
ゲオルグには馬が何をしたいのか、皆目見当がつかない。
ただ見守るしかない。
馬「……………」
馬が改造ポケットから取り出したのは、縄のような物と握り拳大程の石だった。
すぐに縄の中部分に付いている袋に拳大の石を入れると、
ブンッブンッ…!
それをかなりの速さで振り回し始めた。
ゲオルグ「馬嬢、まさか、」
馬の動きにピンと来たゲオルグは慌てて彼女に近付こうとしたが、
次の瞬間、
ビュンッッ!!
空を切る音を立てながら、凄い勢いで石が飛んでいった。
そして、
ガシャァァァァァァンッッ!!!!!
石は窓ガラスに直撃し、ガラス部分は派手な音を立てて割れてしまった。
窓枠のみが綺麗に残された状態になっている。
ゲオルグ「…!?」
驚くゲオルグをそのままに、馬は真っ直ぐ窓際まで歩いていく。
ゲオルグ「馬嬢!」
ゲオルグはすぐに察した。
馬は窓から外に出ようとしているのだと。
普段から彼女の外出はゲオルグが禁じていたため、このような強行手段で出ていこうとしているのだ。
ゲオルグ「待つんだ!」
ゲオルグは腕を伸ばし、馬の手を掴もうとしたが、
馬「……………」
無駄の無い動きでかわされてしまった。
ゲオルグ『そういえば馬嬢は予言と共に回避能力も高いのだった…』
タケルから事前に得ていた情報を思い出した。
ゲオルグ「馬嬢、何処に行くつもりだ?」
ゲオルグは説得交渉によって馬を踏み止まらせようと考えた。
説得するためにも、あくまでも冷静な態度を貫いている。