モルドー帝国・後編~死刑囚と純白の花嫁~(その2)
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……………………………
馬を乗せた金の馬車がスタンレーの屋敷に到着した時、現場は一時騒然とした。
スタンレー「ぐぉーぐぉぉぉーむにゃー……」
馬「…ククー………」
馬車の中で屋敷の主と見知らぬ女が爆睡していたからだ。
スタンレー「貴様は一体どんな手を使ってワシを眠らせたんだ!?」
馬「どんな手と言われましても…」
まさか象を眠らせる方法と同じやり方で強力麻酔針をあなたに刺しました、なんて説明を被害者本人に言えるはずも無かった。
馬「い、嫌ですわ、ご主人様♪
私を抱擁なさった後、急に眠いとおっしゃったでしょう?
その後すぐにお休みになられてましたよ。」
馬は意識して声音を半トーン高く、さらに丁寧な言葉遣いをしてスタンレーを欺こうとした。
つい最近習得したばかりの貴族向けの対話術がこんな時に役立っている。
スタンレー「そんなはずは…」
馬「ご主人様は立派な貴族様だから、それはもう多忙なのでしょう?
知らず知らずの内に疲れが溜まっていらしたのでは?」
スタンレー「うーん……そうかもしれんな。」
馬はスタンレーの反応を見て確信した、このご主人様なら何とか出来そう、と。
人間には相性というものがある。
馬は、スタンレーのような少し間の抜けている傲慢なタイプの人間と相性が良いのかもしれない。
彼ならば掌の上で上手いこと転がせそうだ、と馬は密かに考えている。
(※因みに、ナギやシンのような理詰めタイプとは相性が悪い。)
馬「ご主人様、実は私は少しだけ医療の知識を心得ておりまして。」
スタンレー「何!?それは頼もしいな!」
馬「その……申し上げにくいのですが、ご主人様のように無意識の内に寝こけてしまう症状は、」
スタンレー「ふむふむ、」
馬「命に関わるかもしれません!」
スタンレー「な、なんと!!それは本当か!?」
馬「頭の異変、特に頭の中が出血している場合、急に寝てしまう事があるそうです。」
スタンレー「……!?」
スタンレーは自分の身に起こっているかもしれない異常事態を想像し、小さく震えだした。
馬「ですから今すぐ大きな病院で診察する事をオススメします!
それまでは安静に、特に頭は絶っっっっ対に動かさないようお気をつけください!!」
馬は拳を握りしめて、極めて真剣な表情で力説している。
彼女のその姿からは、スタンレーを心から心配している純粋な人間にしか見えない。
スタンレー「わ、わかった、そのようにしよう。
貴様は馬鹿な町娘だと思っていたが、意外と博識なんだな。」
馬「いえいえ、私の知識でご主人様のお役に立てるなんて、こんなに嬉しいことはございません!!」
自分の身を守るための防衛本能が働いているため、馬の口からは思ってもない台詞がスラスラと出てくる。
スタンレー「うーん、すぐにでも帝国病院に向かうべきか……」
スタンレーの口から病院行きを考える発言が出たので、馬は心の中でガッツポーズをした。
馬『よっしゃぁ、これで暫くは安泰だ!!
フワッフワッ、フワッフーーー♪』
その安堵感たるや、心の中でカーニバルが開催される程の悦びだった、
のも束の間、
馬『あ、あれ……急に胸騒ぎがしてきたぞ?』
馬の腹の底で虫の這いずるようなゾワゾワとしたくすぐったさと、得体の知れない悪寒を感じ始めた。
しかし、それは馬にとって慣れている感覚でもあった。
前回の大嵐の到来を予測した日にも感じていた、所謂『虫の知らせ』というものである。
馬『今から何が起こる……?』
ソワソワとしながら、馬は辺りの様子を確認していくが、
スタンレー「くそっ、明日は王室訪問があるしな、やはり今日中は無理か…」
馬の目の前で、スタンレーが手帳を開き、今後のスケジュールと病院へ行くタイミングを推し測っている以外はいたって平和な様子である。
馬『何だろう……』
馬が身構えていると、
「旦那様!!」
バンッッッ!!
身なりからして侯爵家の執事と思しき人物が部屋に飛び込んできた。