モルドー帝国・後編~死刑囚と純白の花嫁~
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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馬はソリアに手を引かれ、事情聴取のために道端まで連れてこられた。
ソリア「……何か船で辛いことでもあったの?」
ソリアの気遣うような優しい声を聞くと、馬は涙腺が緩みそうになる。
馬には母親から優しくされた記憶が殆ど無い。
ソリアの優しさは母性とも言えるような柔らかさがあり、そんな彼女から心配されると馬の心はどうにも堪らなくなるのだった。
馬「な、なんでもーありませんっっ……た、ただモルドー帝国は大国だから、下船しても生活していけるかなーって思って、アハハ!」
それでも、馬はグッと堪え、明るく振る舞うのだった。
自分でもわかるくらい、不自然に声が震えてしまっていたのだが。
ソリア「でも、顔が大丈夫じゃないって顔をしてるわよ?」
再び馬の顔を覗き見たソリアは酷く心配しながら尋ねた。
馬「そ、そうっすかね、ハハハ!」
対する馬も誤魔化すしか出来ない。
ソリア「船の事はよくわからないから私には何も言えないけど……下船を決めちゃう前に1度ナギに相談してみたら?」
ソリアは少しばかり言いにくそうに提案してきた。
馬『ソリアさん、さっきからやたらナギさんの事を話題にするけど……もしや!
私をナギさんの浮気相手だと思ってるのでは!?』
自分で出した結論に、馬の表情はどんどん青ざめていく。
ソリア「ちょっと馬ちゃん、大丈夫!? 顔色がとっても悪いわ!」
馬「あ、いえ、大丈夫っすよ……」
馬はソリアに、自分は浮気相手では無いと、すぐに否定したかったが、朝にナギとあんな事をした(※厳密には『された』)手前、言い出せなかった。
そして、こんなに優しくて温かいソリアを悲しませるような事をしでかした自分を酷く許せなかった。
ソリア「とりあえず、一緒に船まで戻りましょう?
馬ちゃんがモルドーで定住しちゃったら、きっとナギが悲しむから……ね?」
馬『だからどうしてそこでナギさんを出してくるのか……ソリアさん、いっそのこと、泥棒猫!って罵ってくれたら良いのに。』
馬はぼんやりと考えながらソリアの言葉を聞いていた。
その時、
キャーーー!!
ガラガラガラッッ!!!
ソリア「何かしら?」
馬「大通りの方、ですかね?」
大通り方面から、何やら騒がしい物音が聞こえてきた。
……………………………
大通りでは既に野次馬が集まっていた。
ソリア「あそこで何かあったみたい。」
馬「行きましょう!」
中央広場に差し掛かる道路で事故が起こったらしく、その周辺を囲うように人だかりが出来ていた。
馬「はいはい、ちょっとごめんなさい。」
野次馬根性丸出しで、馬は大きな荷物鞄を押し出して人だかりの中を進んでいった。
ソリア「すみません!」
馬の後ろにソリアも続く。
「事故だってよー。」
「おい、子どもが倒れてるじゃないか、可哀想に。
誰か行ってやれよ。」
「無理だよ…だってあの馬車の家紋を見ろよ。」
「あー、あの侯爵家のとこか、そりゃ無理だなー。」
馬『穏やかじゃない話が聞こえて来るんだけど。』
馬が人混みを掻き分けている最中に、事件のあらましまで耳に入って来ていた。
どこかの侯爵家の馬車と子どもが接触事故を起こし、被害者の子どもは未だ倒れたままでいるという状況らしい。
事故現場まで辿り着いた時、
馬『本当だ、倒れてる!』
馬車の前に子どもが倒れている姿が確認出来た。
馬『どうして皆助けに行かないんだろ?』
馬はすぐにでも駆け寄りたかったが、周囲の様子を伺った結果、躊躇ってしまった。
しかし、
ソリア「ヨシュアちゃん!?」
馬の後からやってきたソリアは、子どもの姿を確認するとすぐに走り寄っていった。
馬「そ、ソリアさんっっ!?」
慌てて馬もソリアの後を追う。