モルドー帝国·前編~花と涙のファーストキッス~(その7)
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……………………………
ソリア「このお店も良いお酒置いてたでしょう?」
ナギ「……あぁ、美味かったな。」
ナギは小さく笑った。
彼の場合、どんな情報よりも飲食に関する話題の興味が先に立つ。
ソリア「フフ、良かった。」
ソリアもナギの笑顔を見れた事が嬉しくて、つられて笑顔になる。
今の彼女の頬は紅く染まっているのだが、それは酔っているせい、という理由ではなかった。
ナギとソリアがかつて暮らしていた場所はとても寒い地域のため、酒に強い人間が多かった。
ナギもかなりの酒豪だが、ソリアもなかなかのもので、本来の彼女は飲酒ぐらいで顔色は変わらないのだ。
ナギ「……そろそろ帰るか。」
シリウス号で夕飯を終えた後、ナギはソリアを家まで帰すだけの予定だったが、途中、彼女のお勧めの美酒があるという誘いに乗ってしまい、『2軒目』に寄っていたのだった。
ソリア「うん!勿論家まで送ってくれるわよね、Mr.ナギ?」
ナギ「………あぁ、女だけの1人歩きは危険だ。」
ソリア「嬉しいわ、頼りになる紳士さん♪」
ナギと一緒にいられる時間が延びた事をソリアは素直に喜んでいる。
そんなソリアの反応を見て、
ナギ『……これが可愛いげのある女の反応だよな。
アイツは1人歩きどころか公園で野宿しようとするから本当に救えねぇ…』
と、ナギはどこかの誰かの事を思い浮かべるのだった。
しかし、ナギがソリアを送っている間に、彼の想うどこかの誰かは大変な事になっていた。
……………………………
ソウシは、様子のおかしい馬と暫く会話を続けていたが、会話の途中で彼女が手鏡を欲しがった。
ソウシ「この辺りに置いてないかな……………あった。」
ソウシはナギの部屋を軽く物色して、小さな手鏡を見付けるとそのまま馬に渡してやった。
ソウシ「これを使ってください。」
手渡された手鏡を受け取ると、すぐに馬は自身の顔を確認していく。
馬「あぁ……わかったぞ、これのせいだ。」
馬は額に書かれている文字を指差しながら話し始めた。
ソウシ「『これ』って朱文字の事ですか?」
馬は小さく頷いてから、
馬「この文字は『招福』と『魔除け』の意味が込められているな……だが、私が知っているものとは少し違う。」
と、答えた。
ソウシ「……………」
馬「『魔除け』の文字が書かれると、そこを中心に結界が張られる。
すると、外部からの邪気を祓う事が出来る。
言い替えれば最初から中にいた邪気は外に出られなくなってしまう。」
ソウシ『非科学的だけど凄く興味深い……』
馬「だから私は外に出られずに、そのまま馬の身体を乗っ取る形になった……今回は『魔除け』と言うよりも『魔封じ』の役割を果たしているようだな。」
ソウシ『結界とかの原理はわからないけど、納得のいく仮説だ。』
ソウシは心の片隅で感心していた。
馬「なぁ、私は……呪霊なんだろう?」
ふいに馬が尋ねてきた。
しかしこれは答えを求めるものではなくて、同意を得たいがための質問だった。
ソウシ『……やっぱり、』
ソウシは確信した。
今話している相手は馬ではなくて馬の中にいる黒い女そのものなのだろうと。
しかし、幾つかの疑問も生まれた。
ソウシ「あの……どうして貴女は自分の事を呪霊、だと思うのですか?」
彼女がそう思った根拠が知りたかった。
馬「………激しい怒りのままに人々を祟り殺めた記憶がある。」
ソウシ「え……それって馬ちゃんが過去にたくさんの人を殺したって事ですか?」
だとすれば由々しき事態である。
馬「いや……馬の身体から抜け出た私が殺めただけだ。」
本来の馬が殺人とは無関係だということを知り、ソウシはホッと胸を撫で下ろした。