モルドー帝国·前編~花と涙のファーストキッス~(その7)
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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ソウシ『とにかく準備をしよう。』
ソウシは意識の無い馬をナギのベッドに寝かせると、常に持ち歩いている古代ヤマト語の書かれたメモと、緊急時用のお守りを取り出した。
このお守りは以前人魚の魔法婆からもらったもので、馬の中の人に対してきちんと効き目のあるお守りである。
ソウシ『よし、いつでも大丈夫!』
今出来る範囲での万全の態勢を整えたソウシは、馬の中にいる幽霊(?)を説得するために気合いを入れた。
ソウシ『まずは挨拶から始めて……次は……』
頭の中で対幽霊のシミュレーションをしていくが、
馬「……………」
いくら待てども、
ソウシ「…………………あれ?」
馬「……………」
馬から例の黒いモヤが出てくる事は無かった。
ソウシ『うーん、普通に寝ちゃっただけかな?』
首を傾げながらソウシが気を抜いた瞬間、
馬「……っ!」
馬が勢いよく跳ね起きた。
ソウシ「わっ、ビックリした!」
突然の出来事に、ソウシは驚いてしまったが、すぐにドクタースマイルを浮かべて冷静に話し掛ける。
ソウシ「馬ちゃんどうしたの?
また怖い夢でも見た?」
しかし、その彼の笑みはすぐに崩される事になる。
馬「おい。」
ソウシ「……ん?」
馬の声には代わり無いのだが、いつもの彼女よりも少し低めなトーンで、そして、絶対に彼女が言わなさそうな言葉を投げ掛けられた。
馬「…………」
何よりも立ち姿や表情からして馬とは別人のようだ。
ソウシ「……馬ちゃん? もしかして寝惚けてる?」
馬「……………………」
馬らしき人物は探るような眼差しでソウシを睨みつけた。
馬「………私は、」
暫く沈黙が続いた後、やっと馬が口を開いた。
ソウシ「うん、」
ソウシは医師という職業柄、患者が病状を説明しやすいように常日頃から柔らかい表情で相槌を打つ事を心掛けている。
それは今の馬相手にも当て嵌められていて、ソウシは馬側からの発言を静かに待っている。
馬「……私は…………誰だ?」
ソウシ「…………」
ソウシは表情を崩さずに少しだけ考えた。
これはどういった意味の発言だろうか。
馬が寝惚けているだけなのか、それとも本当に自分が誰かわからなくなっているのか……後者だとしたら深刻な事態である。
ソウシ「君は馬ちゃんだろう?
ヤマトで生活していて、でもある日急にシリウス号に乗ることになった…」
馬「違う。」
ソウシ「……違うの?」
ソウシは慎重に尋ねた。
馬「…………私は………あぁ………私は…………」
馬はソウシの手元を見ながら、何かを思い出そうとしていた。
馬「………私は……男の……手が嫌いだ……大きな……」
ソウシ「………うん、」
ソウシはただ相槌を打つだけだ。
何やら深い闇を感じたため、彼女が『男の手が嫌い』な理由を自分から聞くことは絶対にしてはいけないと判断した。
馬「男の手が………………伸びてきて………………私を暴くのは…………あぁ………思い出したぞ。」
ソウシ「……………」
馬「………お前は誰だ?
村の連中ではないな?」
重要な記憶を思い出したからか、不安定だった馬の視線が定まり、今度は真っ直ぐにソウシの瞳を見据えてきた。
ソウシ「私はソウシ。
あなたの言う村の連中ではなくて、ここの船の船医をしています。」
ソウシは初対面の相手にするような丁寧な口調で説明した。