モルドー帝国·前編~花と涙のファーストキッス~(その5)
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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ナギ「……なぁ、その荷物を持って何処に行く気だ?」
馬「………(鬼に殺されるぅぅ~)」
馬は自身の背中に凄まじいプレッシャーを感じていた。
今すぐ目の前の扉を開けて脱兎の如く逃げ去りたいところだが、馬がドアノブを回すよりも速く右上の壁に置かれているナギの手によって捕らえられてしまうだろう。
ナギ「……チッ、何とか言えよ。」
貝のように押し黙る馬に痺れを切らしたナギが舌打ちをする。
何故こんなにも苛立ってしまうのか……それは馬が黙っているからだけではない。
勝手に自分の元から離れていこうとする彼女に腹が立っているのだ。
馬から愛の言葉を沢山もらっていたのに対して、ナギはことごとく受け流していた。
それにも関わらず、いざ彼女が離れようとするとナギは非常に憤りを感じてしまう……こんな感情は今までの恋人達には抱かなかった感情である。
しかし、ナギの本心など知らない馬は状況を打破しようとあれこれ考えていた。
馬『仕方ない、虫作戦でいこう!』
馬が出した打開策は『虫ネタで誤魔化し作戦』だった。
馬「いやー、これらの荷物を日干ししようと思いまして!」
声も震える事なく、思ったよりも簡単に嘘が吐けた。
また、ナギに背を向けた状態なので顔を見られずに済んでいるのも幸いしている。
ナギ「……日干し?」
馬「実は私のスペースに溢した菓子クズにいつの間にか虫が沸いちゃってて……だから荷物を丸ごと日光消毒しようとしてるんです!」
ナギ「……はぁ?人の部屋に虫を沸かすなよ。」
あり得そうな馬の偽造うっかり話を聞いたナギの声からは怒気は消え、代わりに呆れた声音になっていた。
馬「へへっ、すいやせんね!
アニキに怒られると思ってコッソリ処置したかったんでやんす!」
ナギ「……そうか。」
それらしい理由にナギも納得したようだった。
馬『よしっっっ!』
誤魔化し作戦が成功したと確信した馬は心の中でガッツポーズをした。
しかし、
ナギ「……馬、こっち向け。」
馬「……え?」
ナギを納得させたらすぐに解放されると思っていたが、この様子だともう少し時間が掛かりそうだ。
馬「な、何でやんすか?」
馬は渋々ナギの方を振り返る。
馬「おぅふ……(な、な、な、な、なんという男前!!)」
壁ドンされている状態で見上げるナギの顔は非常に整っており、馬のハートは抜群に揺さぶられてしまう。
馬『ぎゃぁぁぁ、イケメン過ぎて破壊力が凄まじい~!!
そんなに見つめるのはやめてくだされー!!
私は酸欠で死んでしまいますぅぅぅ~!!』
やはり馬は上記のような事を叫びたくて仕方が無かったが、強い理性のおかげで辛うじて堪え忍んでいる。
結果、
馬「…………………」
外面的には黙って何も反応を示さない馬に見えている。
ナギ「……………」
一方、ナギは馬の態度に非常に違和感を覚えていた。
これぐらいの至近距離で馬に迫ると、彼女は決まって照れ隠しの発言をするか、自分を褒め称える発言をするかのどちらかなのに、今日に限っては無言を貫いている。
やはり彼女は怒っているのだろうか、それとも……
ナギ「……俺の事、嫌いになったか?」
ナギは率直な疑問を口に出した。
馬「ふへぁ?な、何ですかその質問……」
ナギからの想定外な質問に、馬は間抜けな声を上げる。
ナギ「嫌いになったか聞いてんだ、答えろ。」
焦りの見える彼は珍しく口早に迫る。
馬『人様の彼氏さんに大好きです!なんて言ったら罰が当たりそうだし… うー、どう答えよう。』
答えに悩む馬は再び黙ってしまう事になり、
ナギ「……チッ、」
そんな様子を見て再度ナギが焦れるという、完全に悪循環に陥っている2人だった。