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シン「
馬?来てないぞ。」
ナギは
馬を探して航海室を訪れていた。
ここならば舞踏会前に散々彼女が入り浸っていたし、シンならこの時間でも起きているだろうと踏んでの判断だった。
しかし、ナギの予想に反して
馬の姿はなかった。
ナギ「……来てねぇなら別に良い、邪魔して悪かったな。」
何でもない体を装うナギだが、
シン「何だ、また
馬に逃げられたのか?」
シンは鋭い。
ナギ「……いや、見掛けねぇだけだ。」
シン「フッ、傷心の
馬は今頃他の男に慰められたりしてな。」
ナギ「……何言ってんだ?」
シンから含みのある物言いをされ、ナギは彼を睨み付ける。
シン「失恋直後の人間が1番コロッといきやすい。」
ナギ「失恋?どういう意味、」
バンッッッ!!
シンに言葉の意味を探ろうとした瞬間、絶妙なタイミングで扉が開けられた。
リュウガ「おーい、シン……ってナギまで居んのか!
丁度良い、お前らちょっと俺の話を聞いてくれ!!ガハハハハ!!」
入ってきたのは午前様帰宅のご機嫌なリュウガだった。
シン・ナギ『面倒くせぇ…』
2人は、この後聞かされるであろうリュウガの夜の武勇伝の事を考えると、辟易とせずにはいられなかった。
……………………………
失恋(本人はそう感じている)して他の男にコロッといくと予想されている
馬は、
ギィ…
馬「失礼しまーす、寝てますか~?
寝てますよね~?」
案の定他の男の部屋にいた、と言うよりも今まさに侵入しようとしていた。
部屋の中には、

※作画S画伯
ハヤテ「……………」
ハヤテが静かに寝息を立てていた。
馬『おぉ!やはりイケメンってイビキを掻かない生き物なのね!
ハヤテさんは豪快に掻いてるイメージがあったけど、さすが金髪の正統派イケメン!!』
馬はイケメンの特性を目の当たりにして感動していた。
馬『そんな事より、ここが1番気楽に寝れるんだよなー。』
馬は持参したバスタオルを床に敷くと、その上にゴロンと寝転んだ。
ソリアの恋人となったナギの部屋にはもう居られない……結果、
馬は、正式な次なる相部屋が決まるまでの仮眠室をハヤテの部屋にすると決めたのだった(※但し、本人の了承は得ていない)。
食堂と医務室はナギに禁止されているし、未遂事件のあったトワのいる倉庫で寝泊まりするのは流石にまずい気がする。
寝惚けたソウシに抱き枕にされるのは嫌だし、シンの部屋を勝手に使っていたら彼の小銃で蜂の巣にされそうだ。
そしてリュウガの部屋は…孕まされる可能性があるそうなので確実に論外だ。
馬『ハヤテさんは1番私の事を同等に扱ってくれるし、気楽気楽!』
馬は、ハヤテの部屋を選んだ理由を考えながら瞳を閉じた。
馬『それにしてもこの部屋……なんか肉臭いなぁ…』
馬は、自分がハヤテの衣装棚に干し肉を仕込んだ事実をすっかり忘れていた。
部屋主ハヤテも気付かぬまま、日にちが経ってしまったため、彼の部屋はやたらと肉の匂いで充満しているのだった。