モルドー帝国·前編~花と涙のファーストキッス~(その4)
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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ナギ「……寝ないのか?」
馬「寝ますとも!えーと、寝袋、寝袋…」
馬はファラオの寝袋を求めて辺りをキョロキョロと見渡したが、
ナギ「……没収済みだ。」
馬「ぐふっ!そうだった、高過ぎて届かない場所にあるんだった!」
金色のミイラ型寝袋はナギによって没収され、彼女には決して届かない高所スペースに片付けられているので、現在使用する事は出来ない。
馬「なら、食堂で寝ます。」
ナギ「却下、不衛生だろ。」
こちらもすぐに否定された。
馬『ひぃ、まるでバイ菌扱い……いや、でも嫌いじゃないです、ナギさんに酷く扱われるのは(ジュルリ)!!』
やはり馬は上記の発言をしたくてウズウズしているが、ソリアの事を考えるとナギに好意を示す言葉を口にするわけにはいかなかった。
結果、
馬「………………」
黙りこくる事になってしまう。
普段から絶えず口が動いている人間が急に静かになると、周囲の人間の方が戸惑いがちになる。
ナギも例外無く調子が狂っているようで、
ナギ「……なぁ、具合でも悪ぃのか?」
と、馬の顔を覗き込んで顔色を伺った。
馬「……………」
間近で眺める馬の顔は、ヤマト人特有の童顔で、瞳が大きく非常に愛らしい。
何より、彼女からは甘い良い香りがする。
ナギ「……………」
ジッと馬の顔を見つめているとつい触れたくなってきたナギだが、
馬「あの、明日なんですけど!」
ナギ「……明日?」
彼の手が馬の頬に触れる寸前に会話が始まってしまった。
馬「あ、もう今日になってますね!
2人で出掛ける話ですが、どこに行きますか?」
ナギ「……あー、」
言葉には出さずにいるが、ナギは『しまった』と、焦っていた。
確かに、馬と何処かに出掛けようと約束していた。
しかし、
ナギ「……悪ぃ、ソリアと約束しちまった。」
ソリアを送り届けた際に、
ソリア「じゃあ明日は昼から会えない? モルドーを色々と案内するわよ。」
と、誘われ、ナギはその話に乗ったのだった。
馬『おぉ、これが噂のダブルブッキングってやつかぁ!
ナギさん、さすがモテモテイケメン!!』
馬がオカマバーで働いていた頃、人気嬢が客との約束を複数被らせてしまい、
「やっだー、ダブルブッキングしちゃってたわ!!
ちょっと誰か私の身体2つに割ってくれない!?
上半身と下半身に分けたら片方が歩けないから、左右半分でお願い〜〜!!」
と、開店前の店内でやけくそ気味に騒いでいた事がある。
その様子を見ていた馬は、『モテる人=ダブルブッキングで焦る』 という認識が出来ていた。
馬『あぁ、ナギさんに「よ!憎いね色男!」って野次を飛ばしたいけど……これも我慢我慢。』
約束を反故にされてしまった馬は怒ることなく、逆にナギを褒め讃え(?)たくてウズウズしているが、この感情も辛うじて堪え忍んだ。
ただ、胸の奥底に、再びもやもやとした感情が生まれそうになっていたので、
馬『よし、心を無にしよう!!』
と、直接本人に訴える事なく、無我の境地で乗り切る事にした。