モルドー帝国·前編~花と涙のファーストキッス~(その4)
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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日付が変わって数刻が経った頃……
ソリアを家まで送り届けたナギは、リュウガの『朝食を忘れるな』という言い付けを守り、シリウス号まで戻ってきていた。
今の時刻なら寝るよりもそのまま朝食の時間まで起きている方が良いかもしれない、そんな事を考えながらナギは自室の扉を静かに開けた。
ガチャ……
ナギ「……うぉ、」
扉を開けて早々、ナギは驚いた。
馬「…………」
暗がりの中で馬が生き倒れていたからだ。
ナギ「……何やってんだ、」
ベッドの上ではなく直接床で倒れている馬をどうにかしようと、部屋に足を踏み入れた瞬間、
ガシャンッ!
ナギ「……あ?」
ナギの爪先に何かがぶつかった。
ナギ「………?」
ぶつかった物を確認してみると、馬が普段から大事に隠し持っているガラクタ(※ナギにはそう見える)だった。
さらによく見たところ、部屋の入り口周辺には彼女の私物が散乱していた。
ナギ「……おい、起きろ。」
馬「はっっ…!ただいま帰って参りました!!」
ナギ「……いや、逆だろ。」
とりあえず寝惚けた馬の誤りを訂正してから注意をする。
ナギ「また人の部屋をこんなに散らかしやがって…」
馬「あっ、作業の途中でした、すみません!!」
馬はすぐに起き上がり、
ガシャガシャガシャガシャ…
と、散らばっていた私物をずだ袋に全て収め入れた。
馬「よいしょ。」
そしてそれをいつもの収納スペースに片付ける事はせずに、扉近くに無造作に置いた。
ナギ「………………」
私物のガラクタはどうしようもない玩具類ばかりだが、馬が大切に扱っていたことをナギは知っている。
勘の鋭い彼は馬の行動を不審に思い、質問する。
ナギ「……そのガラクタ、大事なもんじゃなかったのか?」
馬「いやー、たまには整理しようと思いまして。
ナギさんの部屋のスペースを広くするための作戦です♪」
ナギ「……そうか。」
ナギは、自然に答える馬の言葉を信じるしかなかった。
ナギ「……ちゃんとベッドで寝ろよ。」
馬「あ、いや、お構いなく!」
ナギの呼び掛けに馬はブンブンと首を横に振って遠慮した。
ナギ「何だ、また怖い夢でも見たのか?」
そんな彼女の態度にやはり違和感を覚えたナギは怪訝そうな顔をして尋ねた。
馬「いえいえ、すこぶる快調でございます!」
ナギ「……はぁ?つい数日前にうなされてた人間が何言ってんだ。」
馬「え、そうなんですか?」
馬はキョトンとしながら答えた。
どうやら彼女自身初めて知った事実らしい。
ナギ「……覚えてねぇのか?」
馬「えぇー……てっきり夢だとばっかり思ってました…」
夢の中のナギは非常に優しく、思いきり甘えても怒られない。
そう思って彼に接していたのだが、まさか現実の出来事だったとは……
馬『ひぃぃ、私、ナギさんに滅茶苦茶迷惑掛けてる!!』
馬は青ざめた。
そんな彼女の様子を見て、
ナギ「……気にすんな。」
と、一言だけ告げてナギは着替えに取り掛かった。
馬『くぅぅぅぅ、イケメンッッッ!!
やることなすこと無駄なく男前!!』
いつもは興奮しながら口に出しているところだが、
馬『でもソリアさんのナギさんだからあまり馴れ馴れしくしちゃいけない……我慢我慢我慢我慢!!』
この考えを以てして、馬は言動を慎んでいた。
ナギ「……ほら、眠いんだろ?早く寝ろよ。」
着替えを終えたナギは馬に就寝を促した。
彼女が静かなのは眠いせいだと判断したらしい。
馬「あの、ナギさんは?」
ナギ「……俺はこのまま起きて朝食の準備をしてくる。」
馬「私もお手伝いしましょうか?」
ナギ「……いや、要らねえ。」
馬「…………」
ナギ「…………」
馬とナギ、お互いが会話の中に壁が出来てしまっているように感じていた。