モルドー帝国·前編~花と涙のファーストキッス~(その3)
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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馬「え、飲んでも良いんですか?」
馬達はモルドー繁華街に数多くある酒場の内の1軒に来ていた。
時間にして日付が変わる頃、といったところだろうか。
入店した店は小さめの店舗だが、店の外にまで炭火焼き料理の良い匂いがしていたので、香りにつられたソウシがこの店に決めたのだった。
ソウシ「うん、良いよ、今夜はナギがいないしね。
それに馬ちゃんが倒れても医者の私がすぐに介抱してあげるから大丈夫だよ。」
ソウシは優しく微笑んだが、酒の弱い人物に飲酒を勧める医者もなかなか珍しいだろう。
シリウス海賊団の掟の1つに『満月の夜は朝まで宴をする』というものがある。
馬がシリウス号に乗船してから宴の機会は複数回あったが、最初の宴以来、ナギは馬の飲酒を厳しく取り締まっていた。
しかし、今夜はその厳しい風紀人がいないので、馬も気兼ね無く酒を飲んで大丈夫そうだ。
シン「フン、今夜はお前の失恋慰労会だ。
仮面組のよしみで仕方なく付き合ってやる。」
舞踏会の練習を始めたその日から、馬、シン、ソウシの3人で集まる機会が多くなっていた。
シンの発言の中にある『仮面組』とは、
ソウシ「馬ちゃん、本番は仮面を付けて踊るんだから、もっと意識して!」
や、
シン「顔だけじゃなくお前の心にも仮面を付けて演じきれ!」
や、
馬「わかりました!私は仮面を付けます!!心にも仮面をっっ!!」
等、当時の3人の間でやたら「仮面」という言葉が飛び交っていたのだが、その様子を見ていた外部の人間(舞踏会不参加のハヤテ)が3人の事を『仮面組』と揶揄したのが名付けの発端である。
馬「うぐっ、シンさんはストレートにえぐってきますね。
確かに失恋……しましたね、アハハ。」
先程の仲が良さそうなナギとソリアの姿を思い出してしまった馬は力無く笑った。
…………………………
ソリア「お待たせー。」
マスターに話をつけ、快く送り出されたソリアが私服に着替えてナギの元までやって来た。
ナギ「……あぁ。」
ナギは無愛想に返事をしたが、そこは愛想の良いソリアがカバーする。
ソリア「うん、今からはプライベートだから私も飲むわね!
私のオススメの店があるの、そこに行きましょう。」
ナギ「………お前、飲めるのか?」
ソリア「えぇ、酒場で働いてるから当然でしょう。
これでも結構強いのよ、何なら飲み比べ勝負する?」
と、ソリアは楽しそうに話を進めていく。
ナギと2人で飲める事を非常に嬉しく思っている彼女の本心が透けて見えるようだ。
一方、ナギの方はと言うと、
ナギ『……酒場で働く人間は酒に強いのか…』
オカマバーで働いていた、酒に弱い何処かの誰かさんを思い出していた。
…………………………
オカマバーで働いていた、酒に弱い馬はシンに全力で絡んでいた。
馬「一緒に歌いましょうや、シンすゎん!!」
シン「やめろ、鬱陶しい!」
ソウシ「こら馬ちゃん、まだ1杯目なのに絡み酒しないの!」
果実酒1杯で顔を真っ赤にした馬が、シンの肩を組んで失恋ソングを一緒に歌えと強要していた。
馬「ヤマトのポピュラーミュージックなんですけどね、タイトルが『まちぶせ』って言うんです。」
シン「あほ、さらに辛気臭くなる歌を出してくるな。」
ソウシ「え、ちょっと気になるから歌ってよ(笑)」
シン「ドクター、馬を煽らないでください。」
馬「好きだったのよぉー♪ナギさぁぁぁん!!」
シン「勝手に歌うな!!」
失恋慰労会ではシンが大変な目に遭っていた。