モルディ市国~貴族と軍人と海賊~(その3)
こちらで夢小説の名前設定!
本棚全体の夢小説設定このブックはドリーム機能を使用しています。 名前を入れると、登場人物に自動変換します。
名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ナギ「……お気持ちは嬉しいのですが、明日は急ぎの用があるので別の機会とさせてください。」
ナギは無難な理由を並べて、女性の誘いを断った。
以前の彼ならば据え膳をありがたく頂戴しているところなのだが、今はそうはいかない。
ナギ「…………」
ナギは横目で馬の姿を探す。
視界に入ってきた彼女はシンと共に踊っており、一糸乱れぬ2人のステップは周囲のギャラリー達を沸かせていた。
「素晴らしいペアだ……ここまで来ると芸術を感じる!!」
「あぁ、女性の方はさっきの黒髪ペアのレディだね?上手いものだ。」
ナギのすぐ傍にいた男達も絶賛している。
ナギ「……………」
華麗に舞う馬の姿は眩しくて、自分には到底手の届かない存在のように思えた。
あんなに可憐な女性が自分に好意を示してくれている……今のナギにはそれが嬉しくもあり誇りでもあった。
正式に交際をしているわけではないが、他の女性の誘いを受けるなんて事は、馬を裏切るような気がして絶対に出来なかった。
「そう…残念ですわね。
せめて本名を教えていただけないかしら?」
ナギ「………………」
ナギは暫し考えた後、
ナギ「レオン………レオン・マリルです。」
やはり偽名で押し通した。
「それは舞踏会のための偽名でしょう?」
ナギ「……言ったでしょう、私はそういうことにあまり興味がない。
最初から偽名で登録していません。」
※思いきり偽名である。
「まぁ…」
偽名は使わない、そう言い切るナギの潔さに、婦人はますます惹かれてしまっている。
ナギ本人にはその気が全く無いのだが、女性を惑わすその魅力と、嘘を真実と思わせる詐称テクニックを合わせ持つ彼はやはり罪な男である。
「ねぇ、レオン様、それならば次の曲だけでもご一緒してくださらない?」
ナギ「……わかりました。」
こうしてナギの3曲目のパートナーが決まった。
馬がシンと共に挑んでいる2曲目のダンスは『クイックステップ』と呼ばれる4分の4拍子のアップテンポのダンスである。
このクイックステップは速い曲調であることと、舞踏会に取り組まれるようになったのはここ近年という新しいダンスだった。
そのため苦手とする参加者も多く、特に派手な衣装を着用する貴婦人達には敬遠されがちだった。
以上のような理由でクイックステップがトップダンスとして選ばれる事はなく、大抵は2曲目、もしくは3曲目のプログラムとして組み込まれている。
クイックステップを苦手とする女性は、
「ごめんなさい、先程の曲で少し疲れたので今は休んでおきますわ。」
という言い回しで踊らずに済むので、2曲目、3曲目だと尚更都合が良い。
〜以下、回想〜
シン「『クイックステップ』の舞踏人数は少ないはずだ。
今回はそこを狙ってオレ達のペアをぶつけていく。」
学科の授業の際、シンは『ベストカップル賞』獲得のための作戦を説明していた。
馬「押守!」
シン「舞踏人数が少ないとその分周りからの注目度が高くなる。
さらにこの曲を上手く踊れる貴族の女は多くはない…ということは?」
馬「はい!男同士で踊るガチンコダンスバトルが見れちゃうわけですね!
筋肉と筋肉がくんずほぐれつし、舞い散る汗のかくも美しき、」
シン「アホ!!大間違いだし、何より言い方が気持ち悪い!
周りが踊れないダンスをお前が完璧にこなせばその分評価もうなぎ登りに高くなる!
これが答えだ!!」
馬「げっっ、完璧とか…私は適当という言葉が好きなのに…」
シン「うるさい!ほら次はクイックステップの由来を説明するぞ。」
〜回想終了〜
とにかくシンは馬と踊るクイックステップに全てを賭けている。