モルディ市国~貴族と軍人と海賊~(その2)
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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暫しナギに抱擁されている間、馬が考えていた事と言えば、
馬『私のお化粧でナギさんの服が汚れないかな……白塗りの魚拓?…顔拓?が取れたらどうしよう。』
と、要らぬ心配をしていた。
というのも、馬がオカマバーの下働きをしていた時代に、厚化粧のホステスが酔って客にしなだれ掛かる光景を目撃したのだが……
馬『え!?おネェさんの顔がお客様に貼り付いてる!?』
客の黒い衣服に、ホステスの顔がそっくりそのまま乗り移ったかのように化粧が付いてしまっていた。
あれを見た時の衝撃は、とても言葉では言い表せられない。
ソウシが馬に施した化粧はあくまでも薄化粧なので、そのような心配は不要なのだが、馬は未だ自身の顔を確認していない。
実際のところ、よそ行きの洋装をした2人の抱擁シーンは実に絵になっていた。
本人達はそうは思っていないが、劇中に出てくる可憐な姫君と秀麗な王子そのもので、周囲の景色も輝いて見えるほど眩い。
特に姫君の馬の方は、普段は地味な身形に徹している分、そのギャップの差にナギ王子の方がのめり込んでしまっているのだ。
ナギ「………なぁ、」
ナギが腕の力を緩め、馬を見下ろす。
馬「へい?」
超近距離でナギを上目遣いで見上げる馬の愛らしさときたら、破壊力が抜群で、ナギの心は一気に追い詰められて熱くなる。
ナギ「……………」
つい馬に見惚れて無言になっていると、
馬「何ですか、ナギさん?もしかして尿意を催したとか?」
今度は雰囲気をぶち壊す破壊力を見せ付けられた。
馬「ウフフ、切羽詰まるナギさんも、ス・テ・キ☆」
ぶち壊しプリンセスの馬は、うっとりとしながらナギの顎を指でグサグサと突いている。
彼女の言動に一瞬の内に現実に引き戻されたナギは、
ナギ『本当にその口を縫い付けてやりてぇ…』
と、舌打ちをする勢いで自身の眉間に皺を刻み付けるのだった。
馬「あれあれ?眉間に皺が寄ってますね、よっぽど堪えていらっしゃ、」
ナギ「違う。」
睨むナギに言葉を遮られ、ポカンと口を開けた馬は間抜け面を晒していた。
馬「えっ!?違いましたか。
この私がナギさんの考えている事を外してしまうなんてきっと嵐が起こる前触れかもしれない!
あ!舞踏会の建物は大丈夫ですか?暴風で屋根が吹き飛んだらどうしよう…」
今度は舞踏会の事(主に施設の耐久性について)を心配し始めた馬を前にして、
ナギ『だったら毎日が嵐だな…』
と、ナギは冷静に彼女のナギ予報の的中率の低さについてツッコミを入れていた。
下船の予定時刻までまだ幾分か余裕がある。
ナギがベッドに腰かけ、馬はドレスに気を遣いながら椅子に座っている状態で2人は他愛もない会話を続けていた。
ナギ「……ドレスってやつは面倒だな。」
ナギが唐突に不満を言う。
馬「いきなりどうしたんです?
あ、ナギさんは狼育ちだからやっぱり衣服の存在自体が邪魔なんですか?」
イディ島滞在時、ソウシの同調もあったせいで、馬は『ナギは狼に育てられた元狼少年』という誤情報を植え付けられていた。
彼女は今もその話を真面目に信じているのだ。
ナギ「………それはもう忘れろ。」
ナギは軽く溜め息を吐きながら促した。
馬「(触れられたくない過去なのね…)わかりました。」
ナギの心中を勝手に察した馬は真摯に頷いた。
仕切り直して、ナギはもう一度ドレスの話題を出した。
ナギ「……お前がドレスを着てるから乗せられねぇな。」
馬「乗せる…?」
ナギ「…ここに。」
ナギは自身の膝を軽く2回、ポンポンと叩いた。
馬「ぶへぇっっ!」
馬は意味を理解して咳き込んだ。
どうやら馬のドレスに皺が寄ってしまうから、いつものように対面で密着して座れない事が不満だ、とナギは言いたいらしい。