つぎの日
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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馬『っか~、良いシャワーだった~!』
湯上がりでホカホカとした、おっさんのような馬はナギの部屋の前まで無事に戻って来ることが出来た。
ガチャッ…
馬が扉を開けてすぐに人の気配を感じる。
馬『おやおやおや?』
ナギ「……………」
部屋の中に居たのは部屋主のナギであり、彼は仮眠を取っている最中であった。
馬が不在だったため、勿論彼は床ではなくベッドを使用している。
馬『い、い、い、イケメン!!!!!! 恐ろしくイケメンのナギさんの寝顔!!!!!!!』
馬の興奮値は一気に跳ね上がった。
確かにナギは明け方から起きて厨房で作業をしていた。 今の時間に寝てしまうのも無理はない。
眠るナギの顔の端正な事…睫毛の長さが強調されてまるで彫像のようである。
馬『もう、この石像みたいなナギ様のご尊顔にっっ………!!!』
馬はおもむろにベッドの下に手を突っ込み、シンからもらった仮面を取り出した。
馬『ハァハァ!!……被せたい!!!是非とも仮面を被せたい!!!!!寝ている今しかチャンスは無いっっ…ハァハァハァ!!!』
興奮のあまり馬の息遣いも荒くなる。
しかし、ナギに気付かれてしまったら元も子もないので必死に息を潜め、心を鎮めた。
馬『よ、よし…』
意を決した馬はそろーっと寝ているナギに跨がり、仮面を片手で持った。
そのまま照準をナギの顔に定めて…
ナギの顔まで後15センチ…
10センチ……
9センチ…
8…
7…
6…
ガシッ!!!!
不意に腕を捕まれた。
ナギ「…おい。」
馬「ギャァッッ!!!」
ノミの心臓の馬はビックリし過ぎてそのままナギの腹部に尻餅をついてしまった。
ナギ「…ぐっっ!」
イケメンであるナギの腹筋は当然のようにバキバキに割れている。
馬に不意打ちで乗られても内臓にダメージは無いのだが、衝撃はそれなりにあったようだ。
馬「……………」
ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ… 近年稀に見る驚きポイントだったのだろう、ビックリし過ぎて馬は動けずにいた。
そこからちょっと間が空き、
馬「あぁ、ビックリしたぁ~」
と、ヘナヘナとそのままナギの身体の上にしなだれかかった。
馬「フヒー…」
そして彼の頭の横にポスンッと顔を埋めた。
ナギ「……!」
突然身体を密着させられると流石のナギでも焦る。
肌に当たる柔らかい感触が、どんなに変態であっても馬は女性なんだと痛感させられる。
さらには、シャワーを終えたばかりの馬なので彼女からは石鹸の良い香りがする。
馬「…………」
ナギ「…………」
静寂が二人を包み込む。
寝起きでいつもより判断力の鈍るナギは思わず馬を抱き締めようとした…が、ガバッと馬が顔を上げた。
馬「ナギさん見てくださいっっ、」
ナギ「…うわっ!」
ナギは驚愕した、 彼女の顔に怪しげな仮面がへばり付いている…
馬「ジャーーン!シンさんからいただいた素敵な仮面ですよ~♪」
仮面の内側から聞こえてくる馬の声はご機嫌そのものだった。
何となく色恋ムードをぶち壊されたことに苛立つナギは、上体を起こし、馬の後頭部目掛けて手刀を放った。
ベシッ!
馬「アタッッ!」
当然ながら加減はされていたが、なかなかに馬の脳に響いた。
ナギ「……退け、重い。」
馬「あ、ごめんなさーい…」
慌ててナギから、そしてベッドから降りる馬。
ナギ「そんな仮面、ここに置くなよ。邪魔だ。」
馬「えっっ!じゃ、邪魔じゃないです!」
ナギ「要らねぇだろ。」
馬「要らなくないです、ちゃんと大切に使います!!」
馬とナギは捨て犬を拾ってきた親子のような会話を繰り広げている。
馬「お手伝いを沢山するから、この子をここに置いてくださいっっ!!」
仮面を外し、涙目でナギを見つめる馬…
ナギ「………」
黙るナギだが、内心では戸惑いを感じていた。
ナギ『さっきからおかしい… 馬が可愛く見え、』
仮面「ナギさーん、おれヲ、ココニおイテクレヨー」
ナギ『るわけがねぇ!! 』
危うく馬が可愛く見えると錯覚しそうになったナギだが、
ナギ『こいつはただの変人だった。』
仮面の声を吹き替えして喋っているような変人が可愛いわけがない。
今の自分は寝起きのせいでおかしくなっているだけだ、と、自身に言い聞かせた。
……………………………
それでも馬があまりにも頼みこむものだから、仕方なくナギは仮面の持ち込みを許可した。
ナギ「……チッ、皿洗い10回分な。」
馬「…え、お仕事までいただけるんですか? やったーーー!良かったね、ナギ太郎♪」
ナギ「…おい、勝手に名前付けんな。」
寝起きマジックはまだ続いているのかもしれない。
ナギは気付かぬ内に馬の厨房入りを許してしまっている。
ナギ「…そろそろ夕飯の時間か、行くぞ。」
馬「はーい♪お手伝いさせてください!」
ナギと馬は食堂へと向かった。