馬小説のソウシさんは優しくて、美人で、賢くて………そして何よりノリが良い。

そんな変態お兄さんです。
月の影とソウシ先生~ぶらり街中買い物道中~(前編)
……………………………
馬「……ヒッ………」
ナギ「……………」
ナギは
馬の泣き声で目を覚ました。
ミゼル島の件から、数日間隔で彼女は何かの悪夢にうなされ、夜泣きをするようになっていた。
ナギが山賊時代、一緒に暮らしていた孤児達の中でも就寝中に泣き出してしまう子どもが複数おり、彼らは共通して、何かしらの傷を心に負っているという印象があった。
また、その時の対応は子ども衆の中で1番年長者だったナギがしていたので、今回の
馬に対しても自然と対応する事が出来ていた。
ナギ「………
馬、」
ナギが静かに揺り起こしてやると、
馬「……ほ?」
馬の瞳がうっすらと開かれた。
馬「あぁ………怖い夢…見てました……起きれて良かったぁ…」
ボンヤリとしながらも、現実の世界に戻って来られた事を喜ぶ
馬はナギの腕に頬を擦り寄せている。
ナギ「………そうか。」
悪夢と戦う
馬には悪いが、寝惚けたままの彼女が素直に頼ってくる姿はとても可愛らしい。
汗でシットリと濡れる小さな
馬をナギが包み込むように抱き締めると、強張っていた彼女の身体から力が抜けた。
馬「…………ナギさん、」
ナギ「……………」
ナギは返事をする代わりに彼女の頭をポンポンと撫でてやる。
馬「起こしてごめんなさい……」
ナギ「……気にすんな。」
馬「優しいナギさんが……好きです……」
ナギ「…………」
夢うつつの
馬は実に素直である。
嬉しい言葉を言われたので、彼女の頭を撫でるナギの手付きも自然と優しくなる。
馬「……お休みなさい………カー…」
ナギ「……………」
きっと
馬が起きるとこれらのやり取りは綺麗さっぱり忘れているのだろう。
それでもナギは満足しながら再び眠りに就くのだった。
早朝……
馬「ほんぎゃぁぁぁぁっっ!!
な、な、な、な、ナギさん、いや、ナギ様、誠に申し訳ございませんっっ!!」
ナギは
馬の叫び声で目を覚ました。
ナギ「………うるせぇ……」
ナギが目を開けると、その眼前には半泣きの
馬が正座で縮こまって頭を下げていた。
馬「ナギ様、申し訳ございませんっっっ、私、ナギ様にとんでも無いことをいたしました……」
深々と頭を垂れて謝罪する
馬に、起き抜けのナギはついていけない。
ナギ「…………?」
馬「ひぃぃぃ……無言の怒り!?
あぁぁぁ、ルームメイトがとんだ痴女ですみません~!!」
ナギ「……あー……どうしてそうなったか説明しろ。」
ナギは寝起きでボーッとする頭を掻きながらベッドから立ち上がる。
ナギ「……それはフォローの仕様がねぇな。」
馬から説明を聞いたナギは白いシャツに腕を通しながら呆れていた。
馬「あぁっっ、やっぱり!!」
シャツの次にナギが着用予定としている黒エプロンに、
馬は顔を埋めて悶えていた。
何故こんなにも彼女が騒いでいるかと言うと、遡ること少し前……
馬『んー、何これ……おもしろ〜い……』
目を閉じたままの
馬は指で何かを弄っていた。
それはとても小さいながらも触り心地の良いモノで… でも何だろう?と、
馬にはわからないものだった。
その正体を探るべく、
馬はゆっくりと目を開けたのだが、目の前には思ってもみなかった光景が広がっていた。
馬「え゙、」
馬が見たものは、ナギのタンクトップに忍び込んだ自身の手が、勝手に彼の乳首をクリクリと弄っているという、とんでもない光景だった。
馬「本当にごめんなさいっっ、ナギ様の偉大なる乳首様が輝かんばかりに魅力的過ぎてこの不埒な指が勝手に……!!」
ナギ「……アホ。それよりエプロンを寄越せ。」
馬「ははー」
ひれ伏しながらエプロンを差し出す
馬には、夜中の儚い面影など微塵も感じられなかった。