お留守番~2人きりの船内情事~(前編)
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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馬とシンが恋話?をしている最中に食堂からソウシが出て来た。
ソウシ「どうしたの、2人して。」
最初はいつものように穏やかなソウシだったが、困り顔の馬を見るなり、
ソウシ「シン、また馬ちゃんをからかってるのかい?」
と、場合によってはシンを注意するために事情を聞いた。
シン「いや、コイツに探索から早く戻ってこいと言われて、理由を聞いてただけです。」
ソウシ「え、馬ちゃんがそんな事頼んだの?珍しいね。」
馬「えっと……あの………その……」
ソウシ「ん?」
シン「ナギとの留守番が恥ずかしいんだそうですよ、このアホは。」
口ごもる馬の代わりに、理由を知っているシンが余計な一言も添えて答えてやる。
ソウシ「え?何で? 今まで散々ナギと一緒にいたのに?」
馬「そ、その………………あのー………」
シン「プロポーズを断られて気まずいのと、アイツの傍にいると動悸がするらしいんです。」
ソウシ「動悸?」
馬「そ、それが……その……なんというか………」
シン「胸がドキドキするそうですよ、アホらしい。」
シンは心底面倒くさそうに代弁してやる。
そう、馬の動悸は誰が聞いても『恋患い』でしかなかった。
ソウシ「ドキドキ?それってどんな感じ?痛みはある?」
しかし、船医のソウシは如何なる時も船員の体調の不具合を見逃してはならないため、真剣な表情で彼女に症状を尋ねていく。
馬「えっと…痛みは無いんですけど、ナギさんといると胸のドキドキが速くなって息苦しいんです。
顔もすぐ熱くなるし……きっと何かの病気だと思うので、遺書を書いといた方が良いですか?」
ソウシ「うーん、問診だけじゃあなんとも言えないな。
後で医務室に来てくれる?」
馬「はい。」
シン『どう聞いてもバカップルのノロケにしか聞こえないが……ドクターも大変な仕事だな。』
シンは医者という職業を労っていた。
ソウシ「それじゃあ馬ちゃん、私は先に医務室に戻ってるからまた後でおいで。」
馬「はーい!」
ソウシ「あ、最後にシン、今日の事なんだけど……」
シンに本日の予定についての詳細を話してから、ソウシは先に医務室へと戻って行った。
彼も探索班のメンバーとして再び出発する予定なので、冒険の準備をしなければならない。
ソウシを見送ってから、馬はくるりと振り返り、
馬「それでは、シンさん!私もお昼ご飯食べて来ますね。
久しぶりのご飯~♪糖分があれば~♪何でも良い~♪」
馬は適当な歌を歌いながらご機嫌に食堂の扉に手を伸ばそうとした。
しかし、ここでシンが止めに入る。
シン「待て!!」
馬「え?」
シン「さっきからずっと気になってたんだが……頭をちゃんと拭け!!」
馬「イタッッ、イタタタタ…」
シンは乱暴にタオルを馬から奪い取り、すぐに彼女の頭をがしがしと乱暴に拭く。
話している最中も馬の髪からは雫がポタポタと滴っており、その事を全く気にする様子もなく喋り続ける彼女の神経が、シンには信じられなかった。
シン「…ったく、お前はガキか!」
馬「ありがとうございます。
あ、シンさん!こうしたら一気に乾きますよ!」
ブルブルブル……!!
馬は頭を振り回し、遠心力で雫を飛ばす。
シン「やめろ、オレにかかってる! 前言撤回だ、お前は犬か!!」
ナギ「……おい、通れねぇんだが。」
馬「!!」
ふいに聞こえた声の主は、メンバー全員分の昼食を作り終え、厨房から出てきたナギだった。
シン「ナギ!馬の躾をちゃんとしろ! 良い迷惑だ。」
シンと馬のやり取りを終始見ていたナギは、
ナギ「…………馬に言ったってどうせ聞きやしねぇよ。」
と、不機嫌そうに答え、すぐに食堂へと消えて行った。
シン「何だ、アイツ。」
ナギの態度に少し苛立つシンだが、すぐに馬に驚かされる。
シン「………!?」
馬「………////」
馬はポーッとしながらナギの後ろ姿を見つめていた。
そして、彼女の両手は無意識の内にシンの腕をガッシリと握っているのだった。
シン「はぁ……お前も何なんだ。」
シンはナギと馬、両者の行動に改めて呆れていた。