つぎの日
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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朝食の時間…
ハヤテが食堂に顔を出すと、新参者の馬が既に席に着いていた。
ハヤテ「…………」
昨日のシャワールームでの出来事のせいでハヤテの中の馬の印象は最悪のままだ。
冷たい視線でハヤテは馬を見下ろす。
ハヤテ『コイツと喋ると碌な結末にならねぇから絶っっ対喋らねぇぞ!!!』
昨日は馬から誤解を招くような発言をされ、結果、尊敬するナギに厳重注意されただけでなく、危うく彼の鎖鎌をこの身に喰らうところだった。
迂闊に馬に近寄ると自身の身に危険が迫るとハヤテは学習したのである。
馬「…あ、ハヤテさん、おはようございます…」
挨拶も無く着席したハヤテに気が付いた馬は躊躇うことなく声を掛けてきた。
こころなしか彼女の声は昨日よりも暗い。
ハヤテ「………」
気を許してはいけない。
警戒を続けるハヤテは馬を睨み付けたまま無言の状態を維持する。
馬「……うぅ、ハヤテさんまで……酷いです。」
いよいよ本格的に泣き出しそうな馬。
彼女の言葉の中に自分の名前が出てきた理不尽さにハヤテは慌ててしまう。
ハヤテ「おっ、おい何で俺のせいなんだよ…」
さらに馬をよく見ると、彼女はジャムだけが付いたスプーンを手にして涙ぐんでいた。
ハヤテ「お前、パンも何も無しでジャムだけ舐めてんのかよ…変わってんな。」
思わず漏らしたハヤテの言葉が引き金となって、馬は一気に泣き出した。
馬「うわぁぁぁん!!!!!」
ハヤテ「えっ、ちょっ、泣くなって!?」
ソウシ「どうしたの馬ちゃん!?」
あたふたとするハヤテと、しゃくりあげて泣いている馬の図。
来たばかりの第三者が見ればまるでハヤテが泣かしたかのように見えるだろう。
勿論、思いっきりソウシの誤解を招いてしまった。
ソウシ「ハヤテ!!馬ちゃんに何か言ったのか!?」
女の子を泣かすもんじゃない、と、ソウシにしては珍しくきつめにハヤテを問い質す。
ハヤテ「いや、あの…」
まるで昨日のデジャヴ現象が起こってしまったかのような状況に、焦るハヤテはなかなか言葉が出てこなかった。
その時、
ナギ「ドクター、ハヤテは悪くないですよ。」
ハヤテ「ナギ兄…!!」
意外な人物の助けが入り、ハヤテは思わず縋るような視線を向けた。
馬「うゎぁぁぁぁぁん、ナギさーーん!!ごめんなさーーい!!!」
ソウシ「?」
ナギ「……………」
ナギはハヤテの分の食事を手渡し、また厨房へと戻っていった。
馬は泣きながらジャムを舐める作業に戻る。
馬「えぐっっ、えぐっっっ。」
何故彼女は号泣し、さらにジャムだけを食しているのか。
ハヤテとソウシには全く状況が掴めない。
ソウシ「馬ちゃん、どうしたの?」
馬「ううぅ、ソウシさん……私と、ひっく、船長とで……ナギさんは…………ホモだって言ったら………ひっくひっく、ナギさん激怒で………ご飯抜きで…………シンさんが………うぇっ、ジャムだけくれたんです………うゎぁぁぁぁぁぁぁん」
ソウシ「………」
ハヤテ「………」
馬の酷くも簡潔な説明に、ソウシもハヤテも同時に固まってしまう。
ソウシ「…ナギは同性愛者だったのか…」
ハヤテ「いやいや、ソウシさん!そこじゃないでしょう!?」
ソウシが医学的観点で注目した内容と、ハヤテが印象に残った内容とは異なっていたようだ。
ナギ「……アホ、お前が調理の邪魔をするからだろ!」
と、ナギは馬の発言を正しく訂正しながらソウシの分の食事を手渡した。
ソウシ「…そうだよね、ナギはちゃんと女性が好きだもんね。」
ソウシは色々とナギの趣味を知っているようだ。
……………………………
ヤマトマニアのソウシの朝食はいつも和食と決まっている。
ソウシ「馬ちゃん、私のおにぎりで良かったら一つあげるよ。」
馬「慈愛に満ちたソウシ大先生様!!! 良いんですか……ありがとうございます………ソウシさんもシンさんも、皆さん優しいですね!」
ハヤテ『ジャムしか寄越さなかったシンは悪意があるだろう…』
そう思うハヤテだった。
ソウシ「………」
馬「………」
ハヤテ「え、」
二人が無言でハヤテを見てくる。
ハヤテ「……やるよ。」
二人の無言の圧力に堪えきれずにハヤテは馬の皿にレタスを一枚捧げた。
ソウシ「………」
馬「………」
まだ二人は無言でハヤテを見てくる。
ハヤテ「ぐっっ…! …これも…………………………やるよ。」
苦渋の決断でソーセージを一本追加してやった。
馬「ハヤテさんもありがとうございます!!」
ナギの飯抜き体罰に嘆いていた馬だったが、心優しきシリウスメンバー三人のおかげでジャム・おにぎり・ソーセージ・レタス一枚の朝食を獲得することが出来た。