人魚島~2つの呪い~(その4)
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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リヴラ「…………、…………………………馬、大丈夫?」
遠い意識の中でリヴラに名前を呼ばれ、馬はうっすらと目を開けた。
馬「……っ、…!」
リヴラさん、と馬はリヴラの呼び掛けに応えようとしたが、言葉が喉に詰まる感覚がして話すことが出来なかった。
リヴラ「どうかした?馬…」
リヴラよりも先に馬の異変に気付いたのは魔法婆だった。
魔法婆「……やはり喋れなくなりましたか。
尾ひれの色といい、馬にはポラリスの制約があるのでしょう。」
馬「……?」
馬には魔法婆の専門用語がふんだんに使われた言葉の意味が全く理解出来なかった。
魔法婆「安心してくださいね、また明日、薬の効き目が切れたら元通りになりますから。」
馬「………」
話せない変わりに馬は静かに頷いた。
リヴラ「うわー、馬の尾ひれはピンクなのね!
さっきも凄く怖い人が出てきたし、あなたの小さな体には色んなものが詰まってるのね。」
馬「???」
先程から魔法婆とリヴラの言っていることがサッパリ理解出来ずに馬の頭には?で埋め尽くされていた。
馬『ポラリスの制約?尾ひれの色?凄く怖い人? なんじゃそりゃ…?』
とりあえず行動するために、馬は横たわっていた身体を起こした。
魔法婆達から既に人魚の姿になっていると言われた馬が最初に確認したのは自身の下半身である。
馬『凄いっっ!!完全に魚になってる…』
脚は完全に魚の尾へと変容しており、脚を1纏めに縛られたような感覚がする。
掌も確認してみると指の1本1本の間に魚のヒレのようなものが形成されており、所謂『水かき』なるものが出来ていた。
さらに、
馬『……息が……』
人魚になった馬の呼吸は、前もってリヴラから聞いていた通り、陸の上ではかなり苦しくなっていた。
そして、身に纏っている衣服が非常に煩わしく、すぐにでも脱いでしまいたい……
リヴラ「大丈夫?凄く苦しそうだよ?」
リヴラは馬の表情を見て、体調を心配する。
魔法婆「人魚の身体で陸にいるのが辛いのでしょう。
今日は水中で生活してみて、明日薬の効き目が切れる頃にまたここに来なさい。
その時にあなたの事を色々教えてあげますよ。」
馬「………」
馬はコクリと頷いた。
……………………………
リヴラ「………ほら、……………もうすぐ水場…………だよ!……ハァハァ」
馬「………ハッ…………ハァッ………………」
来た道と同じ道をリヴラと馬はやはりほふく前進で引き返している。
しかし、行きと違うのは今の馬は人魚の姿をしているということだ。
馬が人魚になって改めて実感したことは、人間の時よりも肺が小さくなっているということだった。
何度も口を開けて大きく呼吸しなければ息を吸った気にならない。
さらに、体の湿り気が無くなると何だか落ち着きも無くなってくる。
あまりにも陸地に居すぎると干からびる心配もしなければならないようだ。
何にせよ、今までと異なる呼吸法を要する人魚の身体……この姿で地面を這うことはかなりの体力を消耗した。
リヴラ「あー、着いたぁぁ」
バシャンッッッ!!
いち早くリヴラが水中へと沈んで行った。
馬『水の中に入りたいっっ!!』
水中で息が出来なかったらどうしよう、尾ひれが使えず泳げなかったらどうしよう…
そんな不安なんて一切抱くことはなく、ただただ馬の本能が水を求めていた。
馬『水ぅ〜〜っっ!!』
バシャンッッッ!!
リヴラと同様、馬も一気に水中へと沈んでいった。
馬『う、うわ〜〜〜!!!』
馬が水中で見た世界はまさに魚達の楽園だった。
警戒することを知らない色鮮やかな魚群が、そこかしこで泳ぎ回っている。
縦横無尽に泳ぎ回り、尾ひれを華麗にひらめかす魚達の動きは本当に優雅としか言いようがなかった。
馬『水中でもこんなハッキリ見えるのかぁ……』
人魚の目は人間と仕組みが異なるらしく、水中眼鏡を付けているかのように、はっきりと周りの様子を見て取ることが出来た。
呼吸も全く苦しくない。
むしろ地上にいた時よりも快適に息をすることが出来ている。
鼻と口を使わなくても耳の後ろにあるエラのような部分から自然と酸素が送り込まれてくるのだ。
そして、
馬『は、速いっっ!!』
尾ひれを使って泳ぐと面白いくらいにスピードを出せた。
今まで両足をばたつかせながら苦労して魚を追いかけていたのだが、それが嘘だと思えるくらい、人魚の姿だと高速で泳ぐ事が出来た。
馬『凄い!色々と楽しすぎる!!』