つぎの日
こちらで夢小説の名前設定!
本棚全体の夢小説設定このブックはドリーム機能を使用しています。 名前を入れると、登場人物に自動変換します。
名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ナギ「………はぁ。」
ナギは小さく溜め息を吐いてから、色んなものを丸出しにして寝ている馬に毛布を掛け直した。
そして、自分の身支度を静かに始める。
夜着のタンクトップの上から洗濯したてのシャツを着用し、バンダナを巻き、
ナギ『……朝食の仕込みに行くか。』
と、いうところで、
馬「おはようございます、ナギさん!」
ナギ「…!?」
寝ていると思っていた馬の声がした。
振り返ると何故か敬礼をしている彼女と目が合ったのだが、自分以外の船員達が起きる時間ではない。
ナギは明らかに目が冴えてみなぎってしまっている馬の再就寝を促すことにした。
ナギ「………まだ寝てろ。」
馬「じゃあナギさんが添い寝」
ナギ「永遠に寝てろ。」
本日も見事な切り返しで拒絶する。
しかし、馬も見事な鬱陶しさで応戦する。
馬「じゃあじゃあ、永遠に寝ることになったらナギさんのキッスで起こしてくださいね♪」
ナギの拒絶にめげない彼女は半目でキスを迫ってくる始末で、早朝からこれらのやり取りは不快極まりなかった。
ナギ『寝起き直後でもコイツはこんなに鬱陶しいのか…』
馬「朝からキッスなんて私ったらイケナイ子ですみませんっっ////テヘッ♪」
起床してからそう時間が経ってないにも関わらず、既に頭が痛くなりそうになったナギは、とやかく言う馬を無視して厨房へと向かった。
……………………………
ナギ「……34、35、36、37」
馬やナギの存在するこの世界には『キッチンタイマー』という物がない。
メタ発言になってしまうが、公式がそう設定してしまっているが故に海賊ナギの求める宝物の一つが『キッチンタイマー』なのである。
キッチンタイマーが無いせいで、ゆで玉子一つ作ろうにも煩わしくも自身でゆで時間の計測をしなければならない。
手際よく調理を済ませたいナギからすれば『キッチンタイマー』は喉から手が出る程に欲しい代物だった。
ナギ「44、45、46」
馬「たのもーーー!!!」
計測以上に厄介な存在が来てしまった。
ナギ「52、53、54…」
馬「…あ、ゆで時間の計測ですね!私も手伝います!」
計測中のナギが集中しているのを良いことに、馬はズカズカと厨房に入り込んで来た。
ナギ「67」
馬「よっ!」
ナギ「68」
馬「ほっ!」
ナギ「69」
馬「ア、ソーレ」
ナギ「70」
馬「ア、ヨイショォッ」
ナギ「71」
馬「ア、ドッコイショォ」
ナギ「72」
馬「マダマダァ!」
ナギ「………」
馬「…?」
馬の渾身の合いの手のおかげで、ナギの怒りボルテージはMAXにまで到達した。
ナギ「出ていけ!!」
ゴンッ!
馬「痛っっッッ!」
朝一で拳骨を喰らい、かつ、厨房外まで引き摺り出される馬であった。
……………………………
馬「……………」
リュウガ「よぉ、馬…って、何で廊下で寝てるんだ?」
リュウガに行き倒れている姿を見られてしまい、馬は慌てて立ち上がる。
馬「あっ、船長おはようございます!!」
ナギにした敬礼と同様、馬はリュウガに対しても敬礼を交えて挨拶をした。
するとリュウガも敬礼付きの挨拶を返してくれた。
リュウガ「おぅ、おはよう!」
朝からノリ良く返してくれるリュウガの対応に馬は嬉しくなる。
馬『やっぱりこの船長さんは威厳もあるしノリも良いしで凄く良い人だなぁ。うーん、好き!!!』
この場合の『好き』は、勿論likeの方の『好き』である。
リュウガ「それより何でここで寝てたんだ?」
馬「あ、それはですね、ナギさんに厨房から引き摺り出され、あげくの果てにボロ雑巾のように打ち捨てられたからですよ☆」
結構悲惨な内容を軽く説明する馬。
しかし、彼女の言ってることはあながち間違ってはいない。
リュウガ「そんなことされたのか! …っかぁ〜、ナギは女心がわかっちゃいねぇなぁ。」
リュウガはあっちゃぁ~といった感じで頭に手を当てる。
馬「ですよねー。」
ナギ「…………」
これらの会話は扉越しにナギにも聞こえているのだが、会話の弾む二人はお構い無しに喋り続ける。
リュウガ「そこは、一緒に料理しよーぜ!とか適当に言って、ナギ自身が馬を喰わなきゃ男が廃るってもんだろうよ!!ガハハ」
馬「ヒューヒュー♪船長その通りです!!ナギさんのヤツめ、男が廃るぜー!!フヒヒ」
どこの世界のゴロツキとその取り巻きの会話だろうか。
ナギ「……………」
腹の立つ悪党たちの会話のせいで、フライ返しを握るナギの手には太めの血管が浮き出ていた。
馬「昨日も2回程ナギさんを誘って(※おねだり攻撃のこと)みたのに、見事な無反応だったし、厨房にすら入れてもらえませんでしたよ~。」
リュウガ「本当か? ナギは硬派な男だとは思ってたけど、まさか本当に女に興味がねぇとか? いや、そんなハズは…」
馬「そのまさかかもしれません!私の予想じゃホモ、」
その時、
バンッ!!
と、厨房の扉が勢いよく開き…
ナギ「船長、馬! 二人とも朝食は抜きだからな。」
ナギは非情にも、『兵糧攻め宣言』を二人に言い渡した。