その日の夜
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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シリウス海賊団のメンバーと共にする食事風景は馬にとっては斬新なものだった。
ハヤテ「ナギ兄!ステーキあるか?」
ナギ「………あるよ」
シン「魚のムニエルを出してくれ。」
ナギ「………あるよ」
トワ「ナギさん、カラアゲお願いしまーす」
ナギ「………あるよ」
ナギは全ての注文を聞き入れ、次々と給仕する。
彼には不可能が無いのか!?和洋折衷何でもござれな料理人を馬は目を輝かせながら眺めていた。
馬「ナギさんって凄いんですね、何でも出してくるから魔法使いみたい!」
ソウシ「ナギはね、料理なら何でも出せるんだ。
そこら辺の料理人とは格が違うよ。 馬ちゃんも遠慮しないで頼んでごらん。」
またもや的確にナギの能力を解説してくれるソウシ。
ソウシもナギに向かって手を上げて食べたい物をアピールする。
ソウシ「ナギ、私は納豆が食べたいな。」
ナギと目が合ったソウシはヤマトの国の発酵食品をリクエストした。
長い航海を目的とする船上料理としてはなかなか難易度の高い注文なのだが、
ナギ「………あるよ」
ナギには不可能が無かった。
馬「納豆までいけちゃうんですか!?」
ソウシ「凄いよね。」
馬「よーし、私も……」
馬も思い切って頼むことにした。
かねてから噂に聞いていた世界の珍味かつ今まで食べた事の無い貴重な食べ物を…!!
馬「ナギさーん、私はシュールストレミングが食べてみたいでーす!!」
ナギ「……………………………………それは無理だ。」
ナギの初めての不可能発言に食卓がざわついた。
……………………………
居候の身でタダ飯を食べることに気が引けた馬は、食後にナギに皿洗いの手伝いを申し出た。
ナギ「…断る。」
しかしアッサリと断られてしまった。
馬「雑用くらいさせてくださいYO!」
ナギ「…お前みたいな女を厨房に入れたくねぇ。」
やはり強めの口調で拒絶されたが、美味しい夕食をいただいた手前、簡単に引き下がるわけにはいかない。
馬「そこを何とかっっ!!」
ナギ「断る。」
馬「うぅ…ナギさん、お・ね・が・い☆」
アケミ店長(オカマバー店長)の得意技だった人差し指で相手をツンツン突きながらお願いする方法を取ってみるも、
ナギ「断る。」
勿論断られた。
馬「ガーーン…」
馬が考える女子力を活かしたおねだり攻撃が効かなかったのはこれで二度目である。
馬『ナギさん全く動じてくれないなぁ。 もしかしてホモなんじゃない?』
馬の中でナギの男色疑惑が浮上している間に、
ナギ「さっさと部屋に戻って寝ろ。」
バンッと厨房の扉を閉められてしまった。
馬「そんなぁ、ナギさーん…」
ナギの押し出し勝ちである。
馬『仕方ない、ナギさんが出て来るまで待っとこう…』
部屋主のナギが働き続けているにも関わらず、自分だけが先に戻って寛ぐわけにもいかない。
そんなわけで馬は厨房前の廊下でナギを待つことにした。
…ザァァ、カチャカチャ
厨房から食器を洗う音が漏れ聞こえてくる。
馬『…なんか、洗い物中の妻の生活音を聞いてホッコリする夫の気持ちがわかるなぁ…』
馬が夫側なのかい!と、一応ツッコミを入れておく。
しばらくして、 トントントン…ザクッ!
明日の食事の下ごしらえをしているであろう野菜を切る音が聞こえてきた。
馬『……妻の料理を………楽しみに待つ……夫の気持ちが……わかる……むにゃむにゃ』
心地良い生活音を聞き続け、ほんわかした気分に浸っていた馬は、ほんわかした気分のまま眠ってしまった。
……………………………
ナギ「………おい、」
馬「…クカー…」
馬は奇妙な寝息を立てながらもナギの呼び掛けには反応を示さない。
ナギ「……起きろ。」
馬「スピーー…」
やはり返事がない、ただの屍未満のようだ。
ナギ「…おい!」
ナギは一応加減をした上でデコピンを馬にお見舞いする。
馬「ぎゃんっっ!」
そこまでしてやっと馬は目を覚ました。
馬「…おぉぅ、ナギさーん…夕飯はまだですかな?」
ナギ『寝惚けてやがる…』
眠り姫馬の第一声は姫どころか年寄りみたいな弛んだ発言だった。
呆け切っている馬を見て、ナギは当然イラッとする。
ナギ「…ほら!床で寝んな。部屋行くぞ。」
馬『…イエッサァァ〜』
馬は脳内で返事をし、そのまま部屋と反対方向にふらふらと歩きだす。
ナギ「…アホ、反対だろ! ……チッ…」
ナギは渋々馬の手を取り、仕方なく部屋まで連れていくことにした。
この時馬がちゃんと覚醒していれば、
馬「イケメンと手繋ぎ?もうこの手は一生涯洗わない!!」
ぐらいの反応をしていたのだが、悲しいかな、殆ど寝ている状態なので手繋ぎご褒美の実感が全くない。
馬「……クカスピ~………」
ナギ『歩きながら寝てやがる…』
逆にナギからすればご褒美とは程遠く、ひたすらに苛立ちが増すばかりの出来事だった。