おにいちゃんといっしょ~プチタイムスリップ~
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『ほぼ無人島~脱出SOS!』より…
ナギは大ダコに足を捕られ、そのまま水中へと引きずり込まれた。
そして、泳ぐ事の出来ない彼に代わって馬が命を捨てる勢いで大ダコからナギを奪取したのだった。
何とか肺に空気が行き渡りゴホゴホと咳き込んだところまでは覚えている。
そして、自分を支えたまま、必死の形相で海中を泳ぐ馬の横顔も覚えている。
……なのに、
ナギ「…………?」
何故自分は川らしき浅瀬に座っているのだろうか。
おにいちゃんといっしょ~プチタイムスリップ~編
ナギは確かに海で溺れていたはずだった。
しかし、穏やかな流れの川に座っているのも現実で…
ナギ「…は…?」
サラサラと川の流れる音も聞こえるし、浅瀬に浸かる自分の足もしっかりと冷たい。
五感は感じ取れている。
ナギは自分の置かれた状況を理解出来ずに辺りを見渡した。
その時、
チャプンッ!
と、何かが水に入る音が聞こえた。
ナギ「…………?」
音のした方を見てみると、黒い小さな頭が水面から出ており……
ナギ『……子ども?』
大きさからして幼児が1人で水に浸かっているのがわかった。
ナギ『川に…………子ども…?』
まだまだ頭の整理が追い付いていなかったが、情報を握っているであろう唯一の人間が視線の先にいるのだ、声を掛けないわけにはいかない。
ナギはそっと近付いてみる。
ナギ「…………」
?「……♪…♪」
その小さな人物は下穿き一枚の姿で楽しそうに水浴びをしており、少しずつ近付くナギの存在には全く気が付いていない。
ナギ「なぁ、」
?「へぁっっっっ!!!」
件の幼児にナギが声を掛けると、幼児は変な声を上げて驚いた。
ナギ『この反応、アイツに似てんな…』
?「な、何…?」
子どもは驚愕しながらも恐る恐るナギの方を振り返る。
ナギ『……顔も…似てる。』
振り向いた子どもの顔は、ナギのよく知っている馬をそのまま幼くしたような顔をしていた。
ナギ「……………」
ナギも驚きを隠せずに幼女の顔を食い入るように見つめていると、さすがに怪しく思ったのか小声で話し掛けてきた。
?「何……?」
ナギ「……あ、悪ぃんだが……道を教えて欲しい。」
?「……………」
幼女はナギに背を向け、静かに川岸に上がった。
ナギも彼女の後を追い掛け、ジャブジャブとくるぶしの高さの水をかき分けて川岸まで上がる。
ナギ『馬にかなり似ているが、あまり話さないみたいだな……』
?「……………」
服を着終えた彼女は、ナギの事をジッと見つめている。
ナギ「………お前、名前は何て言うんだ?」
?「…………」
長身のナギが見下ろすと、馬が萎縮したのが分かった。
そのため、ナギは屈んで目線を低くしてやる。
?「…………馬。」
ナギ「は?」
馬「……わたし、馬。」
まさかの、同名だった。
ナギ「………馬?」
馬「………うん。おにいちゃんは?」
ナギ「……俺はナギだ。」
こんな子ども相手に偽名を使う程でもない。
ナギ「………今って何年かわかるか?」
ナギは万が一の可能性を危惧して、暦年を尋ねたのだが、
馬「………なんねん?」
小さな馬は困った顔をして固まってしまった。
ナギ『これだけ小せぇと暦年はわかんねぇか。』
ナギは質問を変えた。
ナギ「……さっきも言ったが、この辺りの事を教えてくれねぇか?」
馬「………迷子?」
ナギ「………あぁ。」
馬「……ふぅん。」
ナギ「…………親は?」
馬「……………」
幼女は哀しそうな顔をして黙り込んでしまった。
ナギ『………しまった、』
触れてはいけない話題だったようだ。
ナギ「……いくつだ?」
馬「………もうすぐ…6…」
ナギ「………!」
せいぜい3歳位だと思っていたが、まさかその倍の年齢だったとは。
この小さ過ぎる身体の馬は、何やら訳ありの子どものようだ。