ほぼ無人島~脱出SOS!~(その6)
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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馬「梅さんは?」
ナギ「…地雷を埋めに行った。熊が来た時の合図になるらしい。」
ナギは、梅が去り際に残した言葉を思い出していた。
梅「俺はこの手製の地雷を埋めた後はそのまま持ち場につく。
婿殿は馬と話してやってくれ、今生の別れになるかもしれんからな!
何なら最後に子作りしといても良いぞ(笑)
ただし!熊退治の体力は残しとけよ、ガハハハ!」
まさかの養父から子作りの許可が下りたが…残念ながら自分達は夫婦では無いのでそんなことは出来ない。
馬「おーい、ナギさーん?」
ナギ「……あ?…あぁ。」
現実に引き戻されたナギは馬の肩に手を回し、自分の方に抱き寄せた。
ギュッ…
馬「うひぃっ!」
抱き心地からして、今回の無人島生活で馬は痩せてしまった気がする…ナギはそんなことを考えながらしばらく彼女の感触を味わった。
ナギ「……帰ったら………お前は何が食いたい?」
馬「砂糖ですね、舐めたい!」
ナギ「………アホ、調味料で答えんな。」
馬「うーん、ナギさんの料理なら何でも食べたいです。
と言うか、一緒に料理をしたいですね♪」
エヘヘと締まりのない顔で笑う馬に、
ナギ「……そうだな。」
と、ナギは笑い返してやった。
馬「やっぱりナギさん、死にそうなセリフを言いますね!」
ナギ「………お前はいつもアホそうで良いな。」
馬「酷ぇゃ、兄貴! …ほら、これあげますから死なないでくださいね。」
馬は胸当てから小さな包みを1つ取り出し、それを開けた。
馬「ほい!」
そして、ナギの口にいきなり突っ込む。
ナギの口の中に入れらた物、それは甘くて固い…
ナギ「………飴?」
馬「正解!これは私の嫁入り道具の1つですよ、ダーリン(笑)」
久しぶりに摂取した糖分は疲労の溜まった身体に染み渡る気がした。
ナギ「…………」
ナギは口の中にある飴をガリッと噛んだ。
そして、半分になった飴の1つを口から出し、それを馬の口に入れてやった。
馬「飴~!甘ーーい♪…でも全部ナギさんが食べても良いのに。」
ナギ「……嫁入り道具だろ?半分返す。」
馬「あぁ……糖分は世界を救う……」
久々の糖分に興奮する馬は、ナギの取った行動についてあまり深く考えていないようだ。
……馬の嫁入り道具はレモン味だった。
ドカァァ……ン…
馬「…わぉ!」
ナギ「………」
2人がいる場所から少し離れた地点で爆発音が聞こえてきた。
梅が仕掛けた地雷ポイントを巨大熊が通過したのだろう。
梅との打ち合わせでは、3つ目の地雷ポイントで、一気に攻撃を仕掛けることになっている。
強力なライフルは過去の交戦で殆ど使いきったらしく、旧式のライフルとハンドガン、そしてナギが手にしているマシンピストルしか銃器はない。
これらの銃は、飛距離が短くて命中させるのも困難、弾の装鎮速度も遅く、殺傷能力に欠ける物ばかりだ。
しかし、馬の命が狙われている今、どんなに悪条件でも強敵に挑まなければならない。
ナギ「……絶対に木から降りてくるなよ。」
馬「はい!……………ナギさんも大丈夫ですからね。」
馬はナギの頬に手をあてがいながら、優しく微笑んだ。
この時の彼女はレアな方の笑い方をしていた。
ナギ「…………………行ってくる。」
ナギは赤くなりそうな顔を見られまいと、馬の身体を強く抱き締め……最後に彼女の頬にキスを落としてから、第3の地雷ポイントへと向かっていった。
頬の口付けは想定外だったようで、浜には顔を真っ赤に染めた馬が立ち尽くしていた。
昔、ナギが山で暮らしていた時の話だ。
海には海独自の掟や禁忌、危険な生物などが漁師間で言い伝えられているが、山にもそう言った類の物がある。
溺れることの無い山では、気候や地形が重要となってくるのだが、それと同等に野生生物との対峙にも気を付けなければならない。
野犬や猪などが挙げられるが、その中で最も危険な動物が熊である。
猟師の家系だった男が山賊仲間にいた。
彼は酷く酒に酔う度に、何度も熊の脅威を語っていた。
「あいつらはな、強力なライフル弾が何発も当たった後でも数百メートル突進してきて、撃った猟師を一撃で叩き殺す。
撃たれた後に逃げる個体もいるが、重傷を負っても数キロ逃げのびることが出来る。
さらに、その逃げた熊は『止め足』に持ち込んで追跡中の猟師を殺すんだ…」
『止め足』とは、熊が追っ手を仕留めるためのテクニックのことである。
熊が自分の足跡をそのまま踏み外さずに後ずさりをし、横の草木に隠れる。
そして、足跡を頼りに追う猟師が目の前を通り過ぎた瞬間、後ろから急襲するのだ。
「顔が半分吹っ飛んでも、脳のダメージが小さければ攻撃してくる。
心臓を狙っても、熊の心筋は強過ぎて、撃たれた後もしばらくは鼓動し続ける。」
つまりは弱点がないという事。
「じゃあどうやって仕留めるかって?
そりゃあ、熊を一瞬で動けなくするしか無いよな。
そのために肩甲骨を撃ち関節を砕き、それで動きを封じる。
その後にトドメを撃ち込むのが理想だが…まぁ、そんな場所を狙って撃つのはなかなか出来ないわな。」
男は何度もこの話を山賊仲間達にしていた。