ほぼ無人島~脱出SOS!~(その6)
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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馬「ここの上から聞こえますね。」
ナギ「…そうみたいだな。」
2人は特定の木の前で立ち止まった。
ナギ「こんな木の上で寝るとか頭おかしいだろ……」
かなり高さのある木を見上げながら、馬の養父に対してなかなかに失礼な言葉をナギは呟いた。
馬「梅さんには常識って言葉は通用しませんからね。」
アハハハーと笑いながら馬は躊躇なく木に手を掛けた。
どうやら登る気でいるらしい。
よじよじと、セミの幼虫のようにゆっくりと移動していく。
馬「んっしょ、んっしょ…………うゎ、気持ち悪い虫っ!!」
素早く腰からトングを取り出し、木に張り付いていたナナフシらしき虫を掴んでポイッとナギに投げた。
ナギ「いらねぇ!」
怒りの形相ながらも、無駄のない動きでナギは避けた。
そして、決して早くない速度で木登りをしている馬の腰を掴んでベリッと剥がした。
ナギ「……俺が登る。お前が登ったところで降りて来れねぇだろ。」
馬「そこはもう勢いで紐なしバンジージャンプをしようかと思ってました。」
ナギ「……お前の方が先に死にそうだな。」
ナギは抱えていた馬を地面に降ろした。
馬「えぇー、ナギさんより先に死ぬのはちょっとなぁ…ナギさんの墓石をヒヨコ型で作るのが夢なのに。」
ナギ「……絶対にお前の好きにはさせないから、なっ…」
一言呟いてから、ナギはガシガシと木を登っていく。
その速度は馬の比ではない。
馬「早いっっ!猿みたいでカッコいい!!
頑張れ猿人さーん、帰ったらバナナあげますよ、バナナーーー!!」
ナギ『…完全にバカにしてるな………』
ナギは苛つきながらも木を登り続けた。
……………………………
騒がしいイビキが間近に聞こえる。
ナギが木の二股部分に到達しようという時に、その股から人の足が垂れ下がっているのが見えた。
ナギ『……なんでこんなとこで寝てんだ。』
ナギは垂れ下がる足をトントンと叩き、
ナギ「あー……梅…さん、起きてください。」
と、声を掛けた。
瞬間、ピタッとイビキが止まり…
梅「敵襲かっっっ?!」
梅はベッドから跳ね起きるかの如く足に反動を付けて立ち上がろうとした。
しかし、ここは木の上。
踏みつけるための地面はそこには無く、梅はそのまま地上へと落下していった。
ナギ「あ……」
梅「お?ぬわあぁぁぁぁぁぁぁぁーー……………………」
その頃、馬はナギに投げ付けたナナフシをルーペで観察していた。
馬「うーん、デカくて気持ち悪い…君は枝人形と名付けよう。
人恋しくなってるナギさんの人形として一緒に来ないかい?」
すると、
梅「…ぁぁぁあああああ!!!!!!!」
目の前に梅が降ってきた。
馬「ふぎゃぁぁぁぁぁあああああ!!!!」
ビヨンビヨンビヨン…………
危機一髪、命綱が功を奏し、梅の落下事故は回避できた。
しかし、ビヨンビヨンとバウンドする巨体の梅の姿と彼の叫び声のせいで、馬は相当ショックを受けた。
ついでに『枝人形』も逃げてしまった。
ドキドキドキドキ……
突然の出来事に胸の動悸が止まらない。
梅「なんだ、馬か!ビックリしたじゃねぇか!!」
梅は腹筋を使って逆さ吊りの状態から体勢を起こした。
梅「ちょっと待ってろよ。」
そのまま命綱をつたって木の上まで帰って行った。
梅と入れ代わるように、ナギが木から降りてきた。
少し高めの位置からジャンプし、着地する。
ザッ…
ナギ「………」
ナギは何事も無かったかのように立ち上がると、逆に何事かがあった馬が口を開けたまま動けずにいるのを発見した。
ナギ「……馬?」
馬「し、し、心臓が……破裂しそうです。」
そう言って馬はナギの腕にしがみついた。
馬「……ふぅー………」
ゆっくり深呼吸をしながら心臓の動きを落ち着かせているようだ。
ナギ「…………」
ナギは黙って馬の様子を見守っていた。