ほぼ無人島~脱出SOS!~(その6)
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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馬「熊を撃退したらすぐに戻ってくるからね。」
馬はヒヨコを籠に入れ、餌のミミズと少量の水を入れてから木陰に置いた。
隣にいるナギは梅から預かった銃の手入れをし終えたばかりだ。
ナギ「………何度も言うがお前は残れ。」
馬「私が行かないで誰がナギさんの骨を拾うんですか!」
ナギ「……勝手に殺すな。」
的確なツッコミの後にナギは溜め息を吐いた。
そして、
ナギ「………仕方ねぇな。ほら行くぞ。」
渋々といった表情で馬の同行を了承した。
これから2人で島の奥地に滞在している梅の元まで向かうのだ。
馬「押守!」
…………………………………………………………
ナギ「約束したことは覚えてるな?」
馬「1つ目、歌を歌って楽しい山登り!
2つ目、熊と会ったら全力で死んだふり!
3つ目、無事に帰ってきたら結婚する!…でしたよね?
特に3つ目は死に行くナギさんのセリフな気がしてなりません。」
ナギ「だから殺すなって。 それと……結婚とかもないからな。」
馬「がーん!ひでぇやナギさーん!」
フラれても軽い反応の馬だが、彼女自身も結婚のくだりは冗談で言ったのだろう。
ナギとした本来の約束はこうである。
1つ目、道中は静かにすること
2つ目、熊と出会したらナギが怯ませ、その間に馬は出来るだけ遠くに逃げること
3つ目、必ず2人で生きて戻ること
道すがらナギは馬の手を引いて歩いており、繋いでいない反対の手にはマシンピストルを握っている。
ナギ『……重てぇな。』
やはりこの銃は弾を装鎮した状態で持つと些か重過ぎるように感じてしまう。
馬「とりあえず梅さんに会いに行くのが今のミッションですね?」
ナギ「……あぁ。
熊の気配を感じたらすぐに教えろよ。」
馬「はい、熊センサー馬号、頑張ります!」
馬は真剣な顔で意気込みを語り、その後は音を立てないよう注意しながら奥地まで進んでいった。
ナギ「………やっぱり熱くないか?」
途中、ナギは立ち止まり、小さな声で尋ねた。
馬「そうですか?私は調度良い気候だと思いますけどね。」
ナギ「いや、お前の手が。」
馬「手?」
馬は手を見つめてから、そのまま自分の頬に当ててみた。
馬「…気のせいじゃ無いっすか?顔の温度と変わらないですよ。」
ナギ「………そうか?」
馬の言葉を信じたナギは再び歩を進める。
馬「ナギさん、トラップ3つ目。」
馬の視線の先には例のトラバサミが1つ仕掛けられていた。
ここに来るまでに似たような罠を2つ見つけている。
ナギ「この辺にベースを置いてそうだな。」
ナギはトラバサミに設置されている肉の腐敗具合から置かれた時期を想定していた。
すると、
馬「………」
馬が固まって動かなくなった。
ナギ「…?」
ナギは馬の様子に疑問を抱きつつも、何か考えがあっての事だろうと思い直し見守る事にした。
馬「…………………イビキかな。」
ナギ「……?」
馬「遠くから梅さんのイビキが聞こえます。」
ナギ「……全く聞こえねぇけど。」
医学的に、男性よりも女性の方が敏感に音を聴き取ることが出来ると言われている。
実際にその通りのようで、音を頼りに今度は馬の方がナギの手を引きながら進んでいく。
少し歩いては立ち止まり、耳を澄ませる。
それを何度か繰り返す。
そうやって移動していった結果、次第にナギにも規則的な重低音が聞こえてきた。
ナギ「……なぁ。」
馬「………………………………………えっ?」
馬がかなり集中していたのか、少し間が開いてから反応があった。
ナギ「熊って可能性はないよな?」
馬「ウヒヒ、だったらどうします?」
ナギ「アホ。」
軽く冗談を言い終えた馬は再びナギの手を取り歩き出した。