ほぼ無人島~脱出SOS!~(その5)
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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梅「……何だ、婿殿の方か?」
ナギが声の主の近くまで行ったとき、当の本人は自身の傷の縫合をしているところだった。
ナギ「……!」
かなりワイルドな梅の行為にナギも戸惑ってしまう。
梅「ちょっと婿殿、悪いが背中のとこ縫ってくれねぇか?届かねぇ。」
ナギ「……あ、あぁ。」
傷の縫合は山賊時代の仲間内でした事があったが、まさか初対面の相手から頼まれるとは思わなかった。
梅「これで頼む!」
ナギ「………」
手渡された縫合用の針と糸を持ち、梅の背中側へと回る。
彼の背中にはたくさんの傷跡が残っていた。
切り傷、火傷、弾痕、そして現在手当てしている傷は引き裂かれたような痕だった。
ナギ「……熊……ですか?」
一応馬の養父であり、かなり年上でもある梅相手にナギは敬語で問いかけた。
梅「何だ、知ってんのか?」
ナギ「……爪痕を水場で見かけたのと、馬が…その…言ってました。」
梅「あぁ、アイツの変な特技か!!
アイツは心配性だからよ、しょっちゅう俺の目を見ようとしてたんだが、俺はあの特技が気に入らなくてな、ガハハ!」
梅は豪快に笑う。
その快活な笑い方を見ると、我らがシリウス号の船長であるリュウガを思い出す。
梅「俺は先がわかった状態で行動するのが苦手でな。
それとあの特技のせいで馬は欲の張った人間に酷い目に遭わされて来たから尚更好かん!
お、サンキュウな。」
梅はナギから返された針を受け取った。
梅「では改めて……婿殿、初めましてだな。
俺はミヒャエル・梅之助・ヴァイカートだ。」
梅は立ち上がり、ナギに向かって手を差し出す。
立った状態の梅はかなりの巨体で、ナギよりもさらに身長が高い。
ナギ「……俺は、ナギです。」
ナギは差し出された手を取り、梅と握手を交わした。
梅「いやぁ、いきなり手伝わせてすまんな。
恥ずかしながら、今夜も仕止め損ねちまってよ。」
ナギ「…そんなに凶暴なんですか?」
梅「あぁ、3メートル半はあるな…しかも素早いときた。
おめぇらが出くわすとまず死ぬから島の北側には行かない方が………あ、馬の特技で熊が見えるって言われてるんなら婿殿は出会っちまうかもな、ガハハ!」
ナギ「…………」
さっきから婿と言われているが、梅は何か勘違いをしているのかもしれない。
ナギ「………あの、」
梅「馬は良い奴だろう?」
訂正しようとしたナギの言葉は梅によって遮られてしまった。
梅の強引さはどことなく馬に似ている。
梅「馬はな、最初は全然笑わなかったんだが、けっこう荒治療とかしてたら次第に心を開いてくれるようになってな!!」
ナギ「荒治療…?」
梅「蜂の巣の駆除とか、アイツの弟と滝修行とかさせたりな!
まぁ、大部分は弟がフォローしてたが…とにかく、たくさん色んなことをさせたもんだ、ガハハ!」
ナギ『……だから馬は無人島生活にも抵抗が無いのか。』
梅「心を開いてからの馬は情が深くてな、いつも自分の事よりも俺や弟を第一に考えてた。」
ナギ『アイツらしい…』
梅「……まぁ、生い立ちのせいもあると思う。 馬の姉貴もこんな感じで、」
ナギ「アイツに姉がいるんですか?」
馬に弟がいる事だけは知っていたが、姉の存在は初耳だった。
梅「え?知らんのか………しまった、喋り過ぎたな。」
ナギ「……………」
梅「ところで、婿殿は懸賞首だな?」
ナギ「!!」
元軍人の梅はナギの素性を知っているようだ。
梅「……確か山賊上がりの海賊じゃなかったか?」
ナギ「……………」
ナギは自分の正体を詳しく知る梅を警戒し、身体を強張らせた。
腰に備えている鎖鎌をいつでも握れるように片手を後ろに回す。
梅「あぁ、そんなに警戒すんなって!
もう俺は軍人じゃねぇし、金には興味ねぇから。」
ナギ「…………」
梅「本当、どこで馬と知り合ったんだか、巡り合わせってわからんもんだな!
ここに漂着した時の婿殿は危ない状態で、その時のアイツの取り乱しようを見ると、相当婿殿を大事にしてるのがわかってな。
………おめぇさんも馬を大事にしてやってくれな、この通り。
義理とは言え、アイツの父親としての頼みだ。」
梅はナギに対して頭を下げた。
ナギ「…… 頭を上げてください。」
梅「いんや、婿殿がわかったと言うまでは上げられねぇ。
何ならヤマトスタイルの『土下座』を繰り出しても良い!」
ナギ「…………」
この状況下で自分は馬の婿ではないなんて言えなかった。