その日の夕方
こちらで夢小説の名前設定!
本棚全体の夢小説設定このブックはドリーム機能を使用しています。 名前を入れると、登場人物に自動変換します。
名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
……………………………
シン「…おい、そこで何をしている?」
馬「……!!」
チャッ…
聞き慣れない金属音がした。
馬は音のした方を見ると、銃を構えた航海士のシンが険しい表情で立っていた。
航海士のシン…彼の第一印象を馬の言葉で言うならば『眼帯イケメン』である。
シン「…やっぱりお前はスパイだった、」
馬「えっと…ジン゛ざぁぁぁんでずよねぇぇぇ!?ぁ"あ"よかったぁぁ゛ぁ゛」
訝しげに睨み付けるシンの言葉を遮りながら馬は涙をぼろぼろ溢しつつ叫んだ。
今の馬からすれば、銃を向けられている恐怖よりも誰かと出会えた喜びの方が勝っているのだ。
そう、案の定馬は倉庫までの道のりを迷ってしまい、不安に押し潰されそうになりながら船内を彷徨っていたのである。
馬「倉"庫を"探してたのですが…グズッ…全く見付からずに誰とも会えずで…暗いし静か過ぎるしで心が折れそうでしたーうゎぁぁぁん!!」
シン「………」
こんなにも号泣している時点で既に心は折れているのではないか?
理性的なシンからすれば馬の感情的な発言は信じられないものだった。
馬「グスッ…久しぶりの人との触れ合い最高っす…」
シン「それより倉庫に何の用がある?」
彼の中で馬のスパイ容疑はまだ晴れていない。
アホな雰囲気を醸し出している女だが、内部からシリウス海賊団を壊滅させようと企んでいる名うてのスパイかもしれない。
馬「はい、紙箱御殿を作ろうと思いまして…」
シン「はぁ?何だそれは。」
紙箱御殿…それは博識なシンでも初めて耳にする言葉だった。
馬「え?紙箱で作るお家ですよ。 温かくて快適に寝られるんです。」
シン「………?」
予想外の答えにシンは戸惑った。
馬がそんな物を作ろうとする経緯が全くわからない。
そもそも御殿とは何だ?要塞の事だろうか?こんな船の中に建築物を作るつもりでいるのか?
彼女の企みを曝くにはまだまだ情報が足りない。
シンは質問を続けることにした。
シンと馬のドキドキ☆質問大会~紙箱御殿の謎を追え!~
シン「…お前はナギと同室のハズだが?」
馬「はい!そうです。」
シン「ナギの部屋で寝ないのか?」
馬「えっと、もちろんナギさんの部屋で寝ますよ?」
シン「じゃあ、紙箱なんとかは作る必要がないだろう。」
馬「紙箱御殿ですね。御殿はナギさんの部屋にこそ必要なんです!!」
シン「…何のために?」
馬「フフン、私が寝るためでーす♪」
シン「…ナギが作れと言ったのか?」
馬「いいえ、ナギさんはベッドが一つしかないから私にベッドを使えって言ってくださったんです、そんな ナギさんは実に優しい!!」
シン「…まぁ、そこはアイツらしいな。」
馬「けどナギさんは床で寝るって言い出して、私はそれを聞いて部屋主を床に寝かせるなんて悪すぎるって思って、」
シン『…何となく理解出来た。』
馬「なら一緒に寝ましょうって言っても断固拒否されちゃって…」
シン『アイツも大変だな。』
馬「仕方ないのでナギさんにベッドで寝てもらう方法を考えました。」
シン「その結果が紙箱なんとかなのか?」
馬「その通り!私が紙箱御殿で快適に床で寝てたらナギさんも納得行くと思ったんです♪」
シン「………」
シンは全てを理解した。
シン『コイツは馬鹿だ、ハヤテ級の。』
…と。