ほぼ無人島~脱出SOS!~
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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ズズズ…………………ズ……………
……………………………
船の軋む音が止み、一瞬の静寂が訪れる。
シンも、ハヤテも、戦闘経験の浅いトワでさえも正体不明の敵に警戒し、迎撃の準備をして構えている。
馬「来る……」
リュウガ「来るぞっっ!!!」
馬が呟いたのとほぼ同時に、船長リュウガも大声を上げた。
不敵な笑みを浮かべながら叫んだ彼の号令が開戦の合図となった。
ザバァッッッッッ!!!!
水面から飛び出してきたのは太い丸太…いや、丸太以上の直径がある何かだった。
ハヤテ「何だよアレ!?」
ハヤテが見たままの感想を叫んだ。
リュウガ「おー、アレはタコの脚じゃねぇかっ!でっけぇ吸盤だな!!」
嬉々としてリュウガは分析している。
脚の色合いからしてタコの仲間だと判断したようだ。
シン「まさか…クラーケンか?」
出現した敵を一目見て、冷静沈着であるシンが珍しく戸惑っている。
彼が以前に読んだ文献、『船の沈没要因集』の中に現況と似た内容の記事があったのだ。
そこには『生存者の発言から、巨大なタコ、もしくはイカのような生物が船体に襲いかかり……その未知なる軟体生物は地元民の言葉で言うなればクラーケンと呼称される。』と述されていた。
にわかに信じられないような内容だったが、実際、今、眼前には船を狙う巨大な脚がうねっているのだ。
シン「ナギ!船を直接攻撃されるまでに当ててくれ!!」
ナギ「砲撃用意!!!」
シンの要請を受けて、ナギの号令が響き渡る。
ソウシ「馬ちゃん、耳を押さえてしゃがむんだ。」
ソウシは急ぎ馬に指示を出した。
他の船員達も各持ち場で皆同じ姿勢をしていたが、リュウガだけは耳に何かを詰めながら堂々たる様子で立ち続けていた。
ドオォォォ……ン!!!
指示された通りに馬は耳を塞いだにも関わらず、地響きのような爆音が漏れ聞こえてきた。
さらには、心臓まで揺るがす程の大きな震動が足の裏から伝わってくる。
馬『ぅゎーっ、カッコイィ…』
馬はその圧倒的な威力に感動している。
そして、
バァァッン!!!
弾は見事に飛び出ていた巨大生物の脚に命中し、爆風と共に長い脚先を吹き飛ばした。
ハヤテ「さっすがナギ兄!驚異の的中率!!」
ハヤテは喜色の笑みでシリウス団の名砲撃主、ナギを称えた。
そんな喜びも束の間、
ザザザザッッッ!
さらに複数のタコ脚が出てきた。
リュウガ「よし!!!迎撃開始だ!!」
再びリュウガの号令が上がり、リュウガ自身も単刀を引き抜いた。
それに倣ってハヤテとトワも剣を手に取り船の縁まで寄っていく。
パァンッッッ!!
シンの銃声が鳴り響いた。
ソウシ「私達はナギの手伝いにいこうか。 素手とトングだとアイツには効かなさそうだしね。」
馬「はい!」
軟体動物には素手やトング(鈍器)は不利だと判断したソウシに連れられて、馬は砲撃の手伝いをしにいく事にした。
ナギ「……チッ、次が間に合わねぇな…」
敵は単体のようだが、巨大な脚が複数あるため、それら全てを迎撃するにはいささか砲撃準備に時間が掛かっていた。
もどかしく思うナギの元にソウシと馬が駆け付けて来た。
ソウシ「ナギ、手伝うよ。火薬袋貸して。」
ナギ「お願いします。」
ナギは先程の発射の反動で動いてしまった砲台を元の位置に戻そうとしていた。
この作業がなかなか厄介で1人では時間が掛かる。
馬「ぐぬぬ…」
馬も体を張って手伝おうとする。
ナギ「お前は…何もすんな。」
馬「…にょろにょろは…アイツでしたね…ふぬー! 2人の方が早くもどせ…………………ました!!」
ナギ「………」
馬の言う通り、確かに早く戻す事が出来ている。
ナギが薬莢を鉄棒で突付いてる間に、馬は立ち上がり巨大なタコに目を向けながら呟いた。
馬「知ってますか?タコって記憶力が凄いんですよ。」
彼女の顔は至って真剣である。
そのため、冗談から来る発言では無いみたいだ。
ソウシ「そうなの?」
馬「だから脚の仇のナギさんを狙ってくるかも……」
ソウシ「へぇ…ナギ、気を付けなよ。」
ソウシは火種をナギに手渡した。
ナギはと言うと、 お前はタコの研究でもしているのか、と馬に聞きたくなったが、今はそれどころではない。
次の砲撃の用意を迅速にこなさなければ…