ほぼ無人島~脱出SOS!~
こちらで夢小説の名前設定!
本棚全体の夢小説設定このブックはドリーム機能を使用しています。 名前を入れると、登場人物に自動変換します。
名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
暫くして、船体が大きく揺れた。
嵐の前ぶれかと警戒するナギは割れてしまいそうな調理器具や食器などを素早く纏め始める。
次に、纏め終えた割れ物類を手際良く落下防止棚に仕舞っていく。
勿論、馬から貰った砂時計も割れ物なので大切に扱いながら棚へと仕舞った。
ナギがシリウス号に乗船してから何年も経っているので、大時化時の対処は手慣れたものである。
バンッッ!!
ハヤテ「ナギ兄!!」
厨房の扉が勢い良く開けられ、ハヤテが飛び込んできた。
ナギ「……どうした?」
ハヤテ「ナギ兄を呼んでこいってシンに言われた! 船の様子がいつもと違っておかしいらしい。」
ナギ「わかった。」
馬は何をしているのだろう、まだ戻ってきていない…とりあえずハヤテに呼ばれるままナギは甲板へと向かった。
……………………………
甲板には馬以外のメンバーが全員揃っていた。
そして、全員が船体の先のある一点を注視している。
シン「やっと来たか。早速だが大砲の用意をして欲しい。」
ナギ「……障害物でもあるのか?」
シン「さっきから船の発動機が稼働しない。 鮫か鯨か、とにかく大きな生き物が邪魔をしている可能性がある。
ソイツが船も揺らしているのだろう。」
さっきの大きな揺れはそのせいか。
船体を揺らす程の生き物なんてかなり大きな体躯をしているに違いない。
ナギは納得し、大砲の用意に取り掛かる。
馬「ナギさん!」
ナギ「うゎっ!」
急に馬が出てきたのでナギは驚いてしまった。
馬「…ただならぬ雰囲気、にょろにょろかもしれません。 くれぐれも気を付けて!」
そんな彼女は船内で見付けたであろうあらゆるにょろにょろした物を身体に巻き付けていた。
補強用のゴム製チューブ、荒縄、挙句の果てにはナギの使用する予備の鎖鎌まで。
ナギ「……またそれか。 そんな事より危ないからお前は部屋に戻ってろ。」
馬「そんな事!?いやいや、私にはナギさんが危ない目に遭わないよう護衛する義務があります!!」
ビシッと敬礼する馬を見て、こうなった彼女は梃子でもこの場から動かないだろうと判断したナギは命令を変えた。
ナギ「……船長かドクターの側にいろ。俺は砲台の準備で忙しい。」
馬「了解です!」
馬はもう一度敬礼をして、近くにいるソウシの元まで走っていった。
緊急事態だというのにどことなく楽しんでいるようにも見える。
ナギ『アイツは本当に変わってるな』
ナギは馬の事を考えながら真鍮製の砲弾を地面に転がした。
ズ………ズズ……
先程から重苦しい音を立てながら船全体が揺れている。
ソウシ「……何だろうね。」
ソウシが馬の存在に気付き、声を掛ける。
馬「…………」
馬もソウシの視線と同じ方向を見る。
ズ………ズ……………
船が軋む音はまだ続いている。
馬「……もしもの時、私はどうすれば良いですか?」
ソウシ「え?」
馬「どうすれば皆のお荷物にならないですかね?」
ソウシ「………そうだね、 君は女性だから非力だ。 非力な分、頭を使って行動すれば良い。」
馬「頭かぁ…」
馬の苦手なジャンルではあるが、力技で物事を解決する自信も無い。
やはりよく考えて行動するのが1番である。
ソウシ「そもそも、皆のお荷物って言うけど、誰もそんな事思ってないし、いざという時はその皆が何とかしてくれるよ。」
ソウシはニッコリと微笑んだ。
馬「押守!!」
ソウシ師匠の言葉を受けて、馬の覚悟が決まった。
この船の下に居るのは間違いなくにょろにょろの元凶だろう。
そのにょろにょろが襲って来ても、最善を考えてナギの為に何か行動しよう、と。