ほぼ無人島~脱出SOS!~
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ソウシ「いや、やっぱりタコの食感じゃなきゃダメだよ。」
馬「確かに、あの歯ごたえのないたこ焼きなんてたこ焼きじゃないです。」
トワ「たこ焼きかぁ…聞いたことはあるけど食べたことは無いなぁ。美味しいんです?」
ソウシ・馬「美味しいよ!」
馬「作るのも楽しいですよね。」
ソウシ「私は作ったことは無いけど…確かにクルクルと作っている過程を見るのは楽しかったな。」
トワ「クルクル…なんだか面白そうですね!」
馬「でもよくタコを入れようってなったと思いません?」
ソウシ「…え?」
馬「だって、タコなんか滅多に食卓に上がらないし、まず粉物に入れようって気になりませんよ。 そこは鶏肉や野菜だけで良かったのに。」
ソウシ「あぁ、なるほど。一番最初にタコを入れた人って凄く勇気が要っただろうね。」
馬「でも、タコin the粉物を編み出した人は『これしかないっっ!!』って凄く衝撃を受けたからこんなに広まったんでしょうね。」
ソウシ「勇気の賜物だね。」
トワ「へぇー。たこ焼きは奥が深いんですねぇ… 一度は食べてみたいなぁ。」
ソウシと馬の会話を聞いて、未知なる食べ物たこ焼きに興味津々になるトワ。
そんな彼を見ていたら、
馬『トワくんにたこ焼き初体験をさせてあげたいな♪』
と、馬は母性本能をくすぐられるのだった。
ここはシリウス号の食堂。
現在は昼の雑用を終えたおっとり組(と変態)が雑談を楽しんでいる最中である。
※おっとり組とは穏やかな性格のソウシとトワの2人の事である。
ナギ「…何の話だ?」
ずっと厨房にいたナギが人数分の飲み物を持ってやって来た。
聞こえてきた話の内容が食べ物に関するものだったので、彼もまた興味を持ったのだろう。
馬・ソウシ・トワ「たこ焼きの話です/だよ。」
一斉に上がるたこ焼きワード。
ナギ「たこ焼き…」
ソウシ「ヤマトで食べたたこ焼きが美味しくてね。」
トワ「僕、一度食べてみたいんですが、流石にここでは食べられませんよね…」
馬は紅茶の入ったカップに6杯目の砂糖を入れ終わった。
そして、すぐ隣のカップにも手を伸ばす。
ナギ「………あるよ。」
ソウシ・トワ「え!」
ナギ「…とは言っても焼き型はあるんだがタコがない。」
馬は2つ目のカップにもスプーン数杯の砂糖を入れ終えた。
さらにその横の緑茶にも手を伸ばす。
トワ「言われてみるとタコなんか滅多に釣れませんね。」
ソウシ「オキアミじゃないと獲るの難しいしね、そもそもこの船は一ヶ所に留まらないし…」
トワ「うーん、折角だからタコの入ったたこ焼きを食べてみたいから網だけでもセットしてみようかなぁ。」
緑茶にも砂糖を入れ終えた馬は満足そうに自分のカップを持った。
馬の蛮行を見ていたのはナギだけだが、特に何も言われずにいる。
馬「網をセットして進む海賊船って、もう漁船ですね(笑)」
ソウシ・トワ「そうだね/ですね」
相づちを打った後、2人は机上の紅茶と緑茶に手を伸ばした。
トワ「うわ、あっっま!」
ソウシ「…………っ!!!」
ソウシに至ってはギャグ漫画の如く天空に弧を描きながらお茶を吹き出した。
……………………………
馬「ナギさん、お腹タップタプです!」
ナギ「自業自得だろ。」
ナギは馬に彼女が作成した極甘飲み物を責任持って全て飲ませた。
彼はアホな馬に身を持って知らしめるため、あえてあの時に注意をしなかったのだ。
馬の躾に関してはナギは保護者の域に達している。
馬「気の利く女子だとアピールしたかったんですが、個人の好みを把握しておくのを忘れてました。」
テヘ☆と、まるで自分はどじっ子だといわんばかりの馬はてんで反省の色がない。
それにしてもあの量の砂糖は多すぎる。
一度馬に砂糖断ちをさせた方が良いかもしれない、とナギは思案する。
彼女の栄養管理においても保護者の域にいる。
馬「…ん?」
久々に馬は危険信号を察知した。
馬「……ナギさん、ちょいと失礼。」
馬は彼のシャツを引っ張って強引に屈ませ、彼の視線を自分と同じ位置に合わせる。
馬「えー…おやおや?…………にょろにょろ…?」
ナギ「は?」
馬「……にょろにょろ…」
ナギの瞳をジーッと見つめる馬。
真剣な彼女の表情はシャハイ島での一件を彷彿とさせる。
しかし、今回の馬の言う内容は『にょろにょろ』という謎のワード…実に意味不明な擬態語だ。
馬「ん………何だろ?………にょろにょろしてる………蛇…海蛇?……たくさんいるにょろにょろ………」
『にょろにょろ』が見えている馬ですら困惑している。
馬「…ナギさん、何でしょうね?」
そんなことを聞かれてもナギも困る。
ナギ「……もういいか。」
馬「あ、はい。」
結局馬にも危険なものの正体は掴めなかったので、『にょろにょろしたものには気を付けろ』という曖昧なアドバイスのみに留まった。
馬「何があるか分かりませんからね、ちょっとにょろにょろした物を排除しに行ってきます!」
ナギの手をギュッと握ってから、あっという間に馬は厨房から去って行った。
ナギ「にょろにょろって何だよ…」
1人ぽつんと残されたナギは呟いた。