sweet kitchen
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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その日の晩の消灯後…馬は大人しくベッドで寝ていた。
すると、床上のマットで横になっているナギが声を掛けてきた。
ナギ「…馬、」
馬「はい!」
ナギ「来い。」
馬「イェス、ボス!」
馬は身体に反動を付けてから、横にコロコロと転がり、床へと落下する。
ナギも慣れたもので、落ちてきた彼女を腕で受け止めてやる。
馬「ヘヘッ、ありがとうございます!」
受け止めた腕をそのままナギの体側に馬を引き寄せると、あっという間に腕枕の完成となるのだが、その体勢になるといつも馬は気を遣って腕から離れてしまう。
馬「ナギさんの腕が痺れて包丁が持てなくなったら大変ですぜ!」
と、いう理由が彼女の中であるらしい。
腕枕は遠慮する代わりに、ずり落ちた馬は頭をナギの胸元まで寄せていき、そのまま彼に触れた状態で落ち着いた。
馬「あぁ、ナギさんの胸板ぁ~、今日も良い夢見れそうじゃ~」
彼女の声は恍惚としていて本当に嬉しそうである。
ナギ「…なぁ」
馬「スンスン…へい?」
馬はナギの匂いを嗅ぐ作業を止めて質問を聞く姿勢になる。
ナギ「お前の好きなモンって何だ?」
馬「ナギさん!」
即答だったが、ナギの求めている答えとは違った。
ナギ「……好きな菓子は何だ?」
ナギは質問の仕方を変えた。
馬「甘ければ何でも!ん〜、具体的に言えば甘いナギさんかな。」
ナギ『……アリみたいな奴だな』
と、ナギは呆れていた。
その前に、『好きなモノ=ナギさん』というほぼ告白とも言える答えをナギはスルーしている。
彼の中でその答えは当たり前となってしまっているのだ。
何度も言うが、この2人は恋人ではない。
ただのルームメイトである。
……………………………
馬「なんですか!!砂糖と卵とミルクとバニラオイルを並べて!!!!!」
馬は今だかつてないくらい目を輝かせてナギに質問している。
ナギ『……わかりやすい奴』
馬の嬉しそうにする反応を見て満足したナギは今から作る予定のものを告げた。
ナギ「まずはカスタードプディングからな。」
馬「!!」
馬はどうしたのか一言も喋らない。
しかし、桃色に染まる頬とますます輝き出した目を見ると非常に興奮していることが伝わってきた。
ナギが菓子を製作する間、馬は厨房の片隅でひたすら黙って眺めていた。
いつもなら作業の途中で、馬は決まって合いの手やら相槌やらヤジだかなどを飛ばしてくる。
そんな彼女を注意しながら料理を仕上げていくのだが、静かにされるとどうにも調子が狂いそうになる。
ナギ「…喋らないのか?」
馬「喋りかけて失敗したら大変です!!」
なら、普段の料理は失敗しても良いのかよ… と、心の中でツッコミを入れるナギだった。
ナギが砂糖を煮詰めてカラメルソースを作ろうしている段階で、久しぶりに馬が口を開いた。
馬「ナギさん、砂糖を煮詰める際には気を付けてくださいね!」
ナギ「……?」
馬「昔、今と同じ感じで砂糖を煮詰めてべっこう飴を作ろうとしたんです。
砂糖水が薄茶色になり、美味しそうな匂いが漂ってきたとき、何を思ったのか私は指を突っ込んじゃったんです…
後はわかりますね? ナギさんも大火傷に注意ですよ!」
ナギ「……アホだな。」
馬「酷い!」
そんな体験をしたためか、やはりナギの事が心配になった馬はカラメル液に水を投入する役を買って出た。
馬「離れててくださいね。ナギさんが火傷してその綺麗なお顔に傷が出来たら大変ですから……」
ナギ「………」
ナギは、それは男側が言う台詞だろ、と思ったが、馬があまりにも必死の形相なので黙って言うことを聞いていた。
馬「えいっ!」
バシャッ………ジュッーーーーー!!!
水と高温のカラメル液が混ざり合い、大きな音を立てて跳ね返ってきた。
馬「ぎゃぁぁぁ!! 砂糖の反乱やでぇぇぇ!!!」
と、馬がのけ反り恐れ慄く姿を見ると、どうしてその役をやるって言ったのか理解しかねるナギがいた。
ナギ『そんなに怖ぇならやらなきゃ良いだろ…』
またもや心の中でツッコミを入れていた。