召喚
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目的の空き教室を見つけたユイは、チラチラ周りを見る。
ナズが付いて来てないか確かめたが、それらしき形跡は無い。
ナズ以外が付いて来た可能性も……。
よしっと頷き、空き教室へと足を踏み入れる。
空き教室は幸い、机や椅子は隅に追いやられており、真ん中に丁度良いスペースがあった。
なんとも奇遇な。
魔導書の目次を見て、目当てのページを捲る。
「使い魔の召喚は、術者の魔力や捧げ物によって決まる。
……私の場合は捧げ物無いから、純粋に魔力になるのかなぁ」
とすると、カラスや猫の可能性が高い。悪魔とか天使は、流石に無いだろう。
ユイの魔力は動物の使い魔が、最も高いと自分でも分かる。
そもそも魔法界に、悪魔とか天使はいるのか?
宗教や神など無さそうな世界ではあるが。
いや今は細かい考えはよそう。
「それは置いて。えっと魔法陣はこうして……」
杖に光を灯し、魔導書に記されている魔法陣を描く。
煌々と蒼く光り輝く魔法陣に手を伸ばし、彼女は呪文を唱える。
「いざ私の元へ来れりーー天秤の護りよ!!」
室内にも関わらず、ぼうっと荒れ狂う風が彼女を襲う。
蒼い光も眩しさを増し、ユイは目を開けていられなかった。
「ぐっ、この……強いって!!」
目を閉じたまま叫んでも、何の解決にもならないのは百も承知だが、叫ばずにはいられなかった。
3分くらいしてようやく、辺りに静けさが漂う気配が。
目を開けると、魔法陣は消えている。
しかし魔法陣があった場所に、1人の男性が立っていた。
「呼び受けて来てやったぜ。
お前が俺の主(マスター)か?」
長い金髪にサングラスを掛けた男性が、獣の様に笑った。
「マスター………もしかして、主人って事ですか?」
「他に何がある?」
分かってましたけど敢えて聞いただけなんです、間違ってたら困るし! だからそんな馬鹿を見る目はやめて下さい!!
思考を振り払い、彼女はコホンと咳払いをひとつ。
「まさか人を召喚するなんて」
「人じゃねぇ、神だ」
「はい?」
「神だ、って言ったんだ。耳ねぇのかお前」
ずいっと端正な顔立ちを近付けられ、ユイは困惑する。
よく見ればかなり美形な青年風な男性だ。
ホストとか行けば、ナンバーワン間違い無しなくらいの。
いやそれは置いといて!
「神、ですか? いやでも、私の魔力量なんて」
「使い魔は捧げ物で選ばれるが、無い場合は召喚した主人の共通点で選ばれる。
お前と俺の場合は、どこかが似たんだろうな」
そう言われてもピンと来ない。って、まだ青年の名前を聞いていなかった。
「あの、貴方の名前は?」
「まずお前からだ。神に先に名乗らせるのは、お門違いだろ」
ムゥッと眉を寄せるユイを、小馬鹿にする様に笑いながら見る彼。
これあれだ。見た目はいいのに、性格がアレなパターン。
渋っては話が進まないので、仕方なく名前を言う。
「ユイ・キサラギです」
「キサラギ?」
キサラギ、と言う言葉に何か思うところがあったのか、彼は軽く目を見開いていた。
ストレンジもこんな反応していた様な。
「何か?」
「いや別に。と、俺の名前だったな」
取り繕う様に頷いて、彼は名乗る。
「テスカトリポカだ。
これからよろしくな、お嬢」
差し出された手を握ると、案外暖かかった。
ナズが付いて来てないか確かめたが、それらしき形跡は無い。
ナズ以外が付いて来た可能性も……。
よしっと頷き、空き教室へと足を踏み入れる。
空き教室は幸い、机や椅子は隅に追いやられており、真ん中に丁度良いスペースがあった。
なんとも奇遇な。
魔導書の目次を見て、目当てのページを捲る。
「使い魔の召喚は、術者の魔力や捧げ物によって決まる。
……私の場合は捧げ物無いから、純粋に魔力になるのかなぁ」
とすると、カラスや猫の可能性が高い。悪魔とか天使は、流石に無いだろう。
ユイの魔力は動物の使い魔が、最も高いと自分でも分かる。
そもそも魔法界に、悪魔とか天使はいるのか?
宗教や神など無さそうな世界ではあるが。
いや今は細かい考えはよそう。
「それは置いて。えっと魔法陣はこうして……」
杖に光を灯し、魔導書に記されている魔法陣を描く。
煌々と蒼く光り輝く魔法陣に手を伸ばし、彼女は呪文を唱える。
「いざ私の元へ来れりーー天秤の護りよ!!」
室内にも関わらず、ぼうっと荒れ狂う風が彼女を襲う。
蒼い光も眩しさを増し、ユイは目を開けていられなかった。
「ぐっ、この……強いって!!」
目を閉じたまま叫んでも、何の解決にもならないのは百も承知だが、叫ばずにはいられなかった。
3分くらいしてようやく、辺りに静けさが漂う気配が。
目を開けると、魔法陣は消えている。
しかし魔法陣があった場所に、1人の男性が立っていた。
「呼び受けて来てやったぜ。
お前が俺の主(マスター)か?」
長い金髪にサングラスを掛けた男性が、獣の様に笑った。
「マスター………もしかして、主人って事ですか?」
「他に何がある?」
分かってましたけど敢えて聞いただけなんです、間違ってたら困るし! だからそんな馬鹿を見る目はやめて下さい!!
思考を振り払い、彼女はコホンと咳払いをひとつ。
「まさか人を召喚するなんて」
「人じゃねぇ、神だ」
「はい?」
「神だ、って言ったんだ。耳ねぇのかお前」
ずいっと端正な顔立ちを近付けられ、ユイは困惑する。
よく見ればかなり美形な青年風な男性だ。
ホストとか行けば、ナンバーワン間違い無しなくらいの。
いやそれは置いといて!
「神、ですか? いやでも、私の魔力量なんて」
「使い魔は捧げ物で選ばれるが、無い場合は召喚した主人の共通点で選ばれる。
お前と俺の場合は、どこかが似たんだろうな」
そう言われてもピンと来ない。って、まだ青年の名前を聞いていなかった。
「あの、貴方の名前は?」
「まずお前からだ。神に先に名乗らせるのは、お門違いだろ」
ムゥッと眉を寄せるユイを、小馬鹿にする様に笑いながら見る彼。
これあれだ。見た目はいいのに、性格がアレなパターン。
渋っては話が進まないので、仕方なく名前を言う。
「ユイ・キサラギです」
「キサラギ?」
キサラギ、と言う言葉に何か思うところがあったのか、彼は軽く目を見開いていた。
ストレンジもこんな反応していた様な。
「何か?」
「いや別に。と、俺の名前だったな」
取り繕う様に頷いて、彼は名乗る。
「テスカトリポカだ。
これからよろしくな、お嬢」
差し出された手を握ると、案外暖かかった。