ふたりのシナリオ(*)
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「お客様、終点ですよ」
「んえ?」
誰かに揺さぶられ、情けない声を出しながら目を覚ます。
電車は既に終点の如月駅に到着しており、駅員が心配そうに言う。
「いやー、びっくりしましたよ。お客様、揺さぶっても1時間は目を覚さなかったんですから」
「1時間!?」
「はい、もう1時ですよ深夜の」
流石に起きなかったら警察に頼もうか、と思ってましたと言った。
居た堪れなくなった彼女は、起こしてくれた事に礼を言って電車から降りた。
改札は当たり前であるが、人通りは無い。
私は寝ていたのか? 仕事終わって?
どうも記憶があやふやだ。まるで頭に霧が掛かったよう。
なんだか、大切な事を忘れている様な……。
不意に頭に浮かんだのは、1人の男性。
黒髪で白衣の……と、足に何か引っ掛かり、思考が途切れる。
「だ、大丈夫ですか!?」
目を向けると高校生くらいの女子高生が、柱にも垂れて呻いている。
制服も靴もぼろぼろで、髪も手入れされていないのかぐしゃぐしゃだ。
だらしなく投げられた右手には、スマホだけが握られている。
泥棒に全て奪われたのか、それとも家出?
思春期にはちょっとした親の小言でもうざいと感じるもの。あながち間違いでも。
先の駅員を呼ぼうと立ち去り掛けたところで、いきなり動かないと思った女子高生に襲われる。
「アンタのせいよ!」
「は、いやちょ!?」
押し倒されおまけにユイの上に乗られれば、抵抗など出来ない。
目は出目金の様に飛び出しており、女子高生と言う割には老けて見える。
「私は夢小説の夢主で王道だったのに、なのにアンタのせいで!」
全く知らない人に罵詈雑言で捲し立てられ、首を力強く絞められる。
おかげで助けを呼ぶ事すらままならなかった。
苦しげな声出す彼女に醜い笑みを浮かべて、女子高生は力を緩める気配さえない。
抵抗さえ出来ず、自分の運命を受け入れた瞬間、先程の駅員の「何している!?」と言う怒号が、遠くから聞こえる。
最早ユイには意識など無かった。
「目覚ましたか」
「えっと」
こうして目覚めるのは何回目だろうか? 消毒液の匂いが鼻に付く部屋で、ユイは目覚めた。
身を起こして辺り見回すと、どうやら病室。
「えっと、私」
「知らない奴に首絞められて、丸2日意識無かったんだ。尿についてはちゃんと出てたし、身体も拭いたから臭いなんて」
「分かりましたもう大丈夫です!」
失礼でありながら支局当たり前の事を口走る男性医師に、彼女は目を向けた。
胸元にある名札には、スティーブン・ストレンジとある。
と、不意にとある出来事が脳裏を掠めた。そう、だって彼は。
知らないのを承知の上で聞いてみた。
「変わった事聞きますが、よろしいですか?」
「ん」
「私と貴方、会った事あるんです。違う世界でなんですけど」
「マルチバース理論、か。夢で見たのか?
夢は違う世界の自分を覗き込む窓、と言うしな」
頭のおかしい事口走る奴を見る目で無く、真面目な顔でこちらを見るストレンジ。どうやらストレンジには、魔法界での記憶は無い模様。
魔法界のストレンジとはまた違うのは予測していた。ユイも、先程ストレンジの顔見て、思い出した程だし。
「私を襲ったあの子は?」
「警察にいる。どうやらあいつは、撮り逃げ常習犯らしくてな。SNSで載せる為に撮って、食べずに金払わず逃げるアホな奴だ。でも有名ユーザーらしいぜ。
あいつをフォローしているユーザーの殆どは、その事知らないだろうな。
ネットで有名なのに現実ではってやつだ」
彼女の名前はナズで親に連絡とったが、署にぶち込んだままでと言われたらしい。
世間体を気にする親なのだな、と首絞められた彼女は、そんな感情しか浮かばなかった。
ナズも、何かしらの方法で、魔法界から現実に帰って来たのだ。皮肉にも、テスカトリポカが見せた未来が現実になり。
あの未来はナズが、ここへ帰って来た未来を暗示していたのだ。
と言う事は、ナズは必ずここへ帰って来る定めだったのか?
割とどうでも--既に他人の事を気にした彼女だった。
「んえ?」
誰かに揺さぶられ、情けない声を出しながら目を覚ます。
電車は既に終点の如月駅に到着しており、駅員が心配そうに言う。
「いやー、びっくりしましたよ。お客様、揺さぶっても1時間は目を覚さなかったんですから」
「1時間!?」
「はい、もう1時ですよ深夜の」
流石に起きなかったら警察に頼もうか、と思ってましたと言った。
居た堪れなくなった彼女は、起こしてくれた事に礼を言って電車から降りた。
改札は当たり前であるが、人通りは無い。
私は寝ていたのか? 仕事終わって?
どうも記憶があやふやだ。まるで頭に霧が掛かったよう。
なんだか、大切な事を忘れている様な……。
不意に頭に浮かんだのは、1人の男性。
黒髪で白衣の……と、足に何か引っ掛かり、思考が途切れる。
「だ、大丈夫ですか!?」
目を向けると高校生くらいの女子高生が、柱にも垂れて呻いている。
制服も靴もぼろぼろで、髪も手入れされていないのかぐしゃぐしゃだ。
だらしなく投げられた右手には、スマホだけが握られている。
泥棒に全て奪われたのか、それとも家出?
思春期にはちょっとした親の小言でもうざいと感じるもの。あながち間違いでも。
先の駅員を呼ぼうと立ち去り掛けたところで、いきなり動かないと思った女子高生に襲われる。
「アンタのせいよ!」
「は、いやちょ!?」
押し倒されおまけにユイの上に乗られれば、抵抗など出来ない。
目は出目金の様に飛び出しており、女子高生と言う割には老けて見える。
「私は夢小説の夢主で王道だったのに、なのにアンタのせいで!」
全く知らない人に罵詈雑言で捲し立てられ、首を力強く絞められる。
おかげで助けを呼ぶ事すらままならなかった。
苦しげな声出す彼女に醜い笑みを浮かべて、女子高生は力を緩める気配さえない。
抵抗さえ出来ず、自分の運命を受け入れた瞬間、先程の駅員の「何している!?」と言う怒号が、遠くから聞こえる。
最早ユイには意識など無かった。
「目覚ましたか」
「えっと」
こうして目覚めるのは何回目だろうか? 消毒液の匂いが鼻に付く部屋で、ユイは目覚めた。
身を起こして辺り見回すと、どうやら病室。
「えっと、私」
「知らない奴に首絞められて、丸2日意識無かったんだ。尿についてはちゃんと出てたし、身体も拭いたから臭いなんて」
「分かりましたもう大丈夫です!」
失礼でありながら支局当たり前の事を口走る男性医師に、彼女は目を向けた。
胸元にある名札には、スティーブン・ストレンジとある。
と、不意にとある出来事が脳裏を掠めた。そう、だって彼は。
知らないのを承知の上で聞いてみた。
「変わった事聞きますが、よろしいですか?」
「ん」
「私と貴方、会った事あるんです。違う世界でなんですけど」
「マルチバース理論、か。夢で見たのか?
夢は違う世界の自分を覗き込む窓、と言うしな」
頭のおかしい事口走る奴を見る目で無く、真面目な顔でこちらを見るストレンジ。どうやらストレンジには、魔法界での記憶は無い模様。
魔法界のストレンジとはまた違うのは予測していた。ユイも、先程ストレンジの顔見て、思い出した程だし。
「私を襲ったあの子は?」
「警察にいる。どうやらあいつは、撮り逃げ常習犯らしくてな。SNSで載せる為に撮って、食べずに金払わず逃げるアホな奴だ。でも有名ユーザーらしいぜ。
あいつをフォローしているユーザーの殆どは、その事知らないだろうな。
ネットで有名なのに現実ではってやつだ」
彼女の名前はナズで親に連絡とったが、署にぶち込んだままでと言われたらしい。
世間体を気にする親なのだな、と首絞められた彼女は、そんな感情しか浮かばなかった。
ナズも、何かしらの方法で、魔法界から現実に帰って来たのだ。皮肉にも、テスカトリポカが見せた未来が現実になり。
あの未来はナズが、ここへ帰って来た未来を暗示していたのだ。
と言う事は、ナズは必ずここへ帰って来る定めだったのか?
割とどうでも--既に他人の事を気にした彼女だった。