ふたりのシナリオ(*)
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ユイは、そのままストレンジの待つ階下へと向かった。
キッチンでストレンジは、軽い朝食を前に座っている。
「丁度今、出来たとこだ」
「美味しそうですね」
焼き立ての食パンと、コーンスープが鼻に良い香りを運んで来る。
早速食べようと向かいに腰掛けたところで、ストレンジが口火を切った。
「チャールズから連絡が入った。
帰る方法について、だ」
「……」
「俺達が日本で泊まった旅館の近くに、入れない様な小道があったろ?
あの奥に異界へと通じる道があるらしい。
自分の行きたい世界へ帰れる道が……ただし、キサラギの血を引く者しか入れないのだと」
ようやく帰る方法が見つかったのに、何故か心晴れない。
理由など明白。
「ストレンジは、私に帰ってほしいのですか?」
「お前が望むなら、帰るべきだろう。
俺が思うに、ここにいてもまた魔法学校の奴らに狙われるぞ」
ストレンジはユイから普段呼ばれる呼び名とは違うと気付いたが、敢えて触れない。
互いに意識し合っていた。
もし今、どちらか双方が告白すれば、止めざるを得ないから。
彼女だってストレンジに止めてほしかった。
そうすれば、元の世界に帰るなど選択肢は消えるから。
しかしそうはならず、
「貴方の言う通り、ですね。
明日、早くにも出て行こうと思います」
別れの言葉は、それで十分。
儚げに笑む彼女に、ストレンジは何も返せなかった。
翌朝9時、ユイは必要最低限の荷物を持ち、ストレンジの家を出る。
ストレンジは仕事に行ったのか、最後まで会う事はなかった。
無礼だと思わない。寧ろ、これでよかったのだ。
置き手紙をしようかとも考えたが、書いている途中、やはり残る事を選択しそうでやめた。
また会える日に、と言い残して、空港へと向かう為タクシーを拾った。
数時間後、無事に電車を乗り終えて、如月駅に到着した。
前回来た時と変わりないが、近くにある喫茶店はまだやっていない。
やっていても、行こうとは思わないだろう。
よし、と意気込み神社へと歩みを進めた。
如月神社にはひと1人いない。
参拝客は愚か、巫女の姿も。
何しに来たのか問い掛けられるのも面倒だから、丁度よかったけど。
逆に人が全くいないのも、不気味である。
例の旅館に歩みを進めようとしたところで、誰もいないと思った背後から声を掛けられた。
「貴様はその選択で、悔いなどないのだな」
「あ」
巌窟王だった。確かシャーロックと名乗った人物の使い魔……。
「全てお見通しなんですね」
「大凡はな。全てでない。
だが、引き返すなら今だ」
なんと言う甘言だろうか。
やはりここに残ると言う選択肢を選びそうになる。半分、恐らくであるが、残ってほしいと言う巌窟王の気持ちもないではない。
だが私は。
「ここまで来たんです、悔いなんてありませんよ」
迷いない答えを聞いて、巌窟王はそうかと呟き、満足そうに微笑んでから姿を消した。
キッチンでストレンジは、軽い朝食を前に座っている。
「丁度今、出来たとこだ」
「美味しそうですね」
焼き立ての食パンと、コーンスープが鼻に良い香りを運んで来る。
早速食べようと向かいに腰掛けたところで、ストレンジが口火を切った。
「チャールズから連絡が入った。
帰る方法について、だ」
「……」
「俺達が日本で泊まった旅館の近くに、入れない様な小道があったろ?
あの奥に異界へと通じる道があるらしい。
自分の行きたい世界へ帰れる道が……ただし、キサラギの血を引く者しか入れないのだと」
ようやく帰る方法が見つかったのに、何故か心晴れない。
理由など明白。
「ストレンジは、私に帰ってほしいのですか?」
「お前が望むなら、帰るべきだろう。
俺が思うに、ここにいてもまた魔法学校の奴らに狙われるぞ」
ストレンジはユイから普段呼ばれる呼び名とは違うと気付いたが、敢えて触れない。
互いに意識し合っていた。
もし今、どちらか双方が告白すれば、止めざるを得ないから。
彼女だってストレンジに止めてほしかった。
そうすれば、元の世界に帰るなど選択肢は消えるから。
しかしそうはならず、
「貴方の言う通り、ですね。
明日、早くにも出て行こうと思います」
別れの言葉は、それで十分。
儚げに笑む彼女に、ストレンジは何も返せなかった。
翌朝9時、ユイは必要最低限の荷物を持ち、ストレンジの家を出る。
ストレンジは仕事に行ったのか、最後まで会う事はなかった。
無礼だと思わない。寧ろ、これでよかったのだ。
置き手紙をしようかとも考えたが、書いている途中、やはり残る事を選択しそうでやめた。
また会える日に、と言い残して、空港へと向かう為タクシーを拾った。
数時間後、無事に電車を乗り終えて、如月駅に到着した。
前回来た時と変わりないが、近くにある喫茶店はまだやっていない。
やっていても、行こうとは思わないだろう。
よし、と意気込み神社へと歩みを進めた。
如月神社にはひと1人いない。
参拝客は愚か、巫女の姿も。
何しに来たのか問い掛けられるのも面倒だから、丁度よかったけど。
逆に人が全くいないのも、不気味である。
例の旅館に歩みを進めようとしたところで、誰もいないと思った背後から声を掛けられた。
「貴様はその選択で、悔いなどないのだな」
「あ」
巌窟王だった。確かシャーロックと名乗った人物の使い魔……。
「全てお見通しなんですね」
「大凡はな。全てでない。
だが、引き返すなら今だ」
なんと言う甘言だろうか。
やはりここに残ると言う選択肢を選びそうになる。半分、恐らくであるが、残ってほしいと言う巌窟王の気持ちもないではない。
だが私は。
「ここまで来たんです、悔いなんてありませんよ」
迷いない答えを聞いて、巌窟王はそうかと呟き、満足そうに微笑んでから姿を消した。