いつしか崩れゆく箱庭の中(*)
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*ちょい残酷
「う、うで……早く、付けないと」
あれからナズは、ずっと放置されていた。
引きちぎれた片手をくっ付けようと(土台無理な話だが)、離れた手に伸ばすが。
「意識失っていたら見過ごしてあげようと思ったのに。意識を取り戻すなんて、馬鹿ね。おまけに臭いし」
美しいスラっとした足が、ナズの目に映る。見上げると、見下した様な表情でこちらを見る、マリーの姿が。
ナズは現実では親や環境に恵まれていなかった、女子高生。
そんな彼女の居場所は、夢小説の中だけ。
夢小説では人気だったし、未成年で指定もの書いても神作者だから批判する人いても、勿論庇われた。
いつか魔法学校にいけば、スネイプと恋に落ち困難な原作をも、乗り越える事出来る。
原作や映画で死ぬ人(夢小説同様、ロックハートやピーターは別だが)を救って、感謝されて王道夢主みたいに幸せになって…………。
そう思っていたのに。
今のナズは、原作の世界でもない場所におり、愚かスネイプと添い遂げられてもいない。
しかし初体験は出来た。が、片手を失くし、自身の美は損なわれた。
必死に片手をくっ付けようと、離れた場所にある手を伸ばそうとしたが。
「あら、これが欲しいの? こんな腕、もう使い物にならないじゃない」
マリーはあろう事か、片手を足で踏み潰した。バキバキと残酷な骨が砕け散る音が響く。
女性でない程の足力に、ナズは目を見開く。
事態を察し絶叫する。
「ああああ! 私の腕がぁっ!
これじゃあ、くっ付けられないじゃない!」
「ピーピー喚かないで。離れた手をくっ付けるなんて、魔法を持ってしても無駄よ。
義手くらい造れるでしょうけど」
「だったら、アンタの美しい腕ちょうだいよぉぉぉーーッ!! ああ、私の腕がァァァァァッ!!」
潰れた片手を遠くへ足蹴にしたマリーを、ナズは絶望した顔で見上げた。
涙を垂れ流しうるさく泣き喚くナズを、不快そうに見ていると、
「マリー、虐めるのはそれくらいにしたらどうですかぁ?」
突如甘ったるい声がして、マリーは顔を顰める。
幼児くらい小さく、紫に近い色をした髪を持つ少女が彼女達に近付いて来た。
「さっき、ベルフェとの戦闘で体力使いましたでしょ」
「よく言うわ、私の魔力を奪って貴女が消し去った癖に」
「この身体じゃ、それくらいが精々なんです〜」
小さな少女が頬を膨らませ拗ねた様に言うが、会話内容物騒である。
一方ナズは、聞き捨てならない事を。
「待って、ベルフェってまさか、私の……」
「あー、貴女の使い魔でしたか。道理で同じ臭いが漂って来る気がしたんですよね。臭く矮小な嫌な臭い……全く、貴女と使い魔は似すぎなんですよ」
自分の使い魔が負けたと知り、絶望するナズ。
では、と小さな少女は手を叩き、恐怖で穢れない笑みを浮かべる。
「マリーの魔力が残っている間に、貴女をとある世界に送りますね。
まぁ、どこに送られるかは私にも分からないんですけど」
「な、ふざけんじゃ!」
「楽しい楽しい、未知なる旅をお楽しみ下さい!」
人の話聞かない彼女は、ウィンク付きでパチンと人差し指を鳴らす。
黒い繭がナズを包み込む。中からナズの、痛い痛い! と言った悲鳴が聞こえるも、容赦なく再び指を鳴らす。
「私の名前は、カズラドロップ! 楽しい未知なる旅を味わう度に、私の名前を思い出して下さい!」
黒い繭が消えて、ナズもいなくなる。
「本当、カズラドロップ容赦ないわね。私が言えた事じゃないけど」
「これでもまだ優しい方、ですよ。
それより、そろそろここから立ち去りましょう」
「は……!?」
突然爆発音が聞こえ、マリーは驚愕する。
戸惑う彼女に、カズラドロップは何が楽しいのか、
「あのヘンテコな使い魔、自分がやられた時に発動する爆弾を仕掛けたみたいです。
規模はそこまで大きくありませんが、大広間や校長室、この校庭にいる者はただではすみません」
「チッ! 最後の最後まで、しぶとい野朗共ね!」
カズラドロップを抱えて、マリーは魔力を振り絞って走り出した。
爆発音は大広間まで聞こえ、中は阿鼻叫喚。
しかしこの事を予期していたチャールズは、
「さぁて。早くテスカトリポカを迎えに行きますかね」
悲鳴飛び交う中を、のんびり歩き出したチャールズだった。
「う、うで……早く、付けないと」
あれからナズは、ずっと放置されていた。
引きちぎれた片手をくっ付けようと(土台無理な話だが)、離れた手に伸ばすが。
「意識失っていたら見過ごしてあげようと思ったのに。意識を取り戻すなんて、馬鹿ね。おまけに臭いし」
美しいスラっとした足が、ナズの目に映る。見上げると、見下した様な表情でこちらを見る、マリーの姿が。
ナズは現実では親や環境に恵まれていなかった、女子高生。
そんな彼女の居場所は、夢小説の中だけ。
夢小説では人気だったし、未成年で指定もの書いても神作者だから批判する人いても、勿論庇われた。
いつか魔法学校にいけば、スネイプと恋に落ち困難な原作をも、乗り越える事出来る。
原作や映画で死ぬ人(夢小説同様、ロックハートやピーターは別だが)を救って、感謝されて王道夢主みたいに幸せになって…………。
そう思っていたのに。
今のナズは、原作の世界でもない場所におり、愚かスネイプと添い遂げられてもいない。
しかし初体験は出来た。が、片手を失くし、自身の美は損なわれた。
必死に片手をくっ付けようと、離れた場所にある手を伸ばそうとしたが。
「あら、これが欲しいの? こんな腕、もう使い物にならないじゃない」
マリーはあろう事か、片手を足で踏み潰した。バキバキと残酷な骨が砕け散る音が響く。
女性でない程の足力に、ナズは目を見開く。
事態を察し絶叫する。
「ああああ! 私の腕がぁっ!
これじゃあ、くっ付けられないじゃない!」
「ピーピー喚かないで。離れた手をくっ付けるなんて、魔法を持ってしても無駄よ。
義手くらい造れるでしょうけど」
「だったら、アンタの美しい腕ちょうだいよぉぉぉーーッ!! ああ、私の腕がァァァァァッ!!」
潰れた片手を遠くへ足蹴にしたマリーを、ナズは絶望した顔で見上げた。
涙を垂れ流しうるさく泣き喚くナズを、不快そうに見ていると、
「マリー、虐めるのはそれくらいにしたらどうですかぁ?」
突如甘ったるい声がして、マリーは顔を顰める。
幼児くらい小さく、紫に近い色をした髪を持つ少女が彼女達に近付いて来た。
「さっき、ベルフェとの戦闘で体力使いましたでしょ」
「よく言うわ、私の魔力を奪って貴女が消し去った癖に」
「この身体じゃ、それくらいが精々なんです〜」
小さな少女が頬を膨らませ拗ねた様に言うが、会話内容物騒である。
一方ナズは、聞き捨てならない事を。
「待って、ベルフェってまさか、私の……」
「あー、貴女の使い魔でしたか。道理で同じ臭いが漂って来る気がしたんですよね。臭く矮小な嫌な臭い……全く、貴女と使い魔は似すぎなんですよ」
自分の使い魔が負けたと知り、絶望するナズ。
では、と小さな少女は手を叩き、恐怖で穢れない笑みを浮かべる。
「マリーの魔力が残っている間に、貴女をとある世界に送りますね。
まぁ、どこに送られるかは私にも分からないんですけど」
「な、ふざけんじゃ!」
「楽しい楽しい、未知なる旅をお楽しみ下さい!」
人の話聞かない彼女は、ウィンク付きでパチンと人差し指を鳴らす。
黒い繭がナズを包み込む。中からナズの、痛い痛い! と言った悲鳴が聞こえるも、容赦なく再び指を鳴らす。
「私の名前は、カズラドロップ! 楽しい未知なる旅を味わう度に、私の名前を思い出して下さい!」
黒い繭が消えて、ナズもいなくなる。
「本当、カズラドロップ容赦ないわね。私が言えた事じゃないけど」
「これでもまだ優しい方、ですよ。
それより、そろそろここから立ち去りましょう」
「は……!?」
突然爆発音が聞こえ、マリーは驚愕する。
戸惑う彼女に、カズラドロップは何が楽しいのか、
「あのヘンテコな使い魔、自分がやられた時に発動する爆弾を仕掛けたみたいです。
規模はそこまで大きくありませんが、大広間や校長室、この校庭にいる者はただではすみません」
「チッ! 最後の最後まで、しぶとい野朗共ね!」
カズラドロップを抱えて、マリーは魔力を振り絞って走り出した。
爆発音は大広間まで聞こえ、中は阿鼻叫喚。
しかしこの事を予期していたチャールズは、
「さぁて。早くテスカトリポカを迎えに行きますかね」
悲鳴飛び交う中を、のんびり歩き出したチャールズだった。