愉悦の人匙(*)
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「は、話すと言っても」
ユイは遠くからこちらを伺っているダンブルドアとスネイプを、恐ろしい者を見る目で視線を投げる。
教頭は彼女の頭を優しく撫でながら、
「私がここにいますから、話しても構いませんよ。
助けを求めたのは貴女です」
最後に、ですから安心して下さいと付け加えると、安堵した様に話す。
今にも気を失いそうになりながらも話した事の発端を聞き、ほぅと納得した様に頷く。
「よく話しましたね。さぁ、もう眠りなさい」
「で、でも……テスカトリポカさんは? もう誰にも渡したくないです」
イヤイヤと言うように首を振り、ユイはテスカトリポカの頭を抱きしめる。
テスカトリポカが敵に周り、一度死んだ事がよっぽど堪えたのだろう。
生き返ったとは言え、無理ない話である。
「貴女だけでなく、彼も私が守ります。
ですからご安心を」
教頭の優しい声音を聞き届けた彼女は、糸が切れた人形如く、途端に眠りに付く。
緊張と不安、恐怖そして………如月の末裔の能力を使った、魔力切れからだ。
これはもはや、戦争は避けられませんねと教頭は乾いた笑みを浮かべた。
取り敢えずユイとテスカトリポカをその場に残して、教頭は彼らの元へと戻る。
「カルデア学院の教頭殿……儂は」
「話は何もかも終わってからです。
ストレンジ、貴方の使い魔はテスカトリポカを医務室へ運べますか?」
「可能かと」
話したそうに口火切るダンブルドアを押し退け、教頭はストレンジによろしいと頷く。
「女王陛下は私が運びましょう。
ストレンジが使い魔に医務室へ運ばせた後、ホグワーツの校長室にて今後の話を」
「話、とは何だ?」
問い掛けたスネイプに、にっこり慈愛染みた笑みを浮かべた教頭は言う。
「とぼけなくて構いませんよ。貴方も薄々気付いてるでしょ、罪の代償についてですよ」
笑みとはかけ離れた、物騒な内容だった。
「さて、言わずもがな話の内容ですが」
ユイをソファで寝かせ、教頭は口火を切る。
場所は校長室。スネイプとダンブルドアが、緊張の面持ちで教頭を見ていた。
ストレンジはそんな2人を、興味無さそうに壁にもたれて見ていた。
「貴方がたは、私の忠告にも関わらずユイを傷付けた。
私は言いましたよね? 再度女王陛下を傷付ければ、ホグワーツに対抗すると」
「しかしそれは、ナズがした事で」
「関係ない訳ねぇだろ。
校長さんよ、生徒の暴走は監理するもんだろ?」
苛立たしげにストレンジが言うと、さしものダンブルドアも口を噤む。
代わりにスネイプが恐る恐る、
「ユイの意見を聞いてからは? 彼女は無闇にそんな事を望まない筈」
スネイプはどうやら、ユイが目覚めて無闇にこんな戦争を止めると希望を抱いている様。
しかしながら次の教頭の言葉に、希望は軽く打ち砕かれる。
これに首を振る教頭。
「私はね、別にそれでも構わないのですよ。
しかし私の更に上にいる、校長がお赦しにならず」
「校長だと!?」
ダンブルドアが意外な発言を聞いたとばかりに、目を見張る。
おや、と教頭が聞く。
「知りませんでしたか」
「聞いていない。てっきり教頭だけかと」
「貴方がたの学校に副校長と校長がいる様に、私の学校にもいますよ。
ですが話さなかったのは、貴方がたが私との交渉が不利になったら、勝手に校長を買収するかもと言う事からです。
後は、校長自身が話すなと言っていたからですね」
てっきり教頭がいれば校長もいると考えが及んでいたとばかり、と彼は言った。
ダンブルドアとスネイプは、最早引き返せない立場にある事を痛く痛感する。
ユイは遠くからこちらを伺っているダンブルドアとスネイプを、恐ろしい者を見る目で視線を投げる。
教頭は彼女の頭を優しく撫でながら、
「私がここにいますから、話しても構いませんよ。
助けを求めたのは貴女です」
最後に、ですから安心して下さいと付け加えると、安堵した様に話す。
今にも気を失いそうになりながらも話した事の発端を聞き、ほぅと納得した様に頷く。
「よく話しましたね。さぁ、もう眠りなさい」
「で、でも……テスカトリポカさんは? もう誰にも渡したくないです」
イヤイヤと言うように首を振り、ユイはテスカトリポカの頭を抱きしめる。
テスカトリポカが敵に周り、一度死んだ事がよっぽど堪えたのだろう。
生き返ったとは言え、無理ない話である。
「貴女だけでなく、彼も私が守ります。
ですからご安心を」
教頭の優しい声音を聞き届けた彼女は、糸が切れた人形如く、途端に眠りに付く。
緊張と不安、恐怖そして………如月の末裔の能力を使った、魔力切れからだ。
これはもはや、戦争は避けられませんねと教頭は乾いた笑みを浮かべた。
取り敢えずユイとテスカトリポカをその場に残して、教頭は彼らの元へと戻る。
「カルデア学院の教頭殿……儂は」
「話は何もかも終わってからです。
ストレンジ、貴方の使い魔はテスカトリポカを医務室へ運べますか?」
「可能かと」
話したそうに口火切るダンブルドアを押し退け、教頭はストレンジによろしいと頷く。
「女王陛下は私が運びましょう。
ストレンジが使い魔に医務室へ運ばせた後、ホグワーツの校長室にて今後の話を」
「話、とは何だ?」
問い掛けたスネイプに、にっこり慈愛染みた笑みを浮かべた教頭は言う。
「とぼけなくて構いませんよ。貴方も薄々気付いてるでしょ、罪の代償についてですよ」
笑みとはかけ離れた、物騒な内容だった。
「さて、言わずもがな話の内容ですが」
ユイをソファで寝かせ、教頭は口火を切る。
場所は校長室。スネイプとダンブルドアが、緊張の面持ちで教頭を見ていた。
ストレンジはそんな2人を、興味無さそうに壁にもたれて見ていた。
「貴方がたは、私の忠告にも関わらずユイを傷付けた。
私は言いましたよね? 再度女王陛下を傷付ければ、ホグワーツに対抗すると」
「しかしそれは、ナズがした事で」
「関係ない訳ねぇだろ。
校長さんよ、生徒の暴走は監理するもんだろ?」
苛立たしげにストレンジが言うと、さしものダンブルドアも口を噤む。
代わりにスネイプが恐る恐る、
「ユイの意見を聞いてからは? 彼女は無闇にそんな事を望まない筈」
スネイプはどうやら、ユイが目覚めて無闇にこんな戦争を止めると希望を抱いている様。
しかしながら次の教頭の言葉に、希望は軽く打ち砕かれる。
これに首を振る教頭。
「私はね、別にそれでも構わないのですよ。
しかし私の更に上にいる、校長がお赦しにならず」
「校長だと!?」
ダンブルドアが意外な発言を聞いたとばかりに、目を見張る。
おや、と教頭が聞く。
「知りませんでしたか」
「聞いていない。てっきり教頭だけかと」
「貴方がたの学校に副校長と校長がいる様に、私の学校にもいますよ。
ですが話さなかったのは、貴方がたが私との交渉が不利になったら、勝手に校長を買収するかもと言う事からです。
後は、校長自身が話すなと言っていたからですね」
てっきり教頭がいれば校長もいると考えが及んでいたとばかり、と彼は言った。
ダンブルドアとスネイプは、最早引き返せない立場にある事を痛く痛感する。