どっちに転んでも泥沼の水浸し(*)
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「テスカトリポカさん……ですよね?」
「何だ、俺を知ってるのか? 歓迎だな、全く」
中庭に恐る恐る足を踏み入れ、空を見上げてテスカトリポカに問い掛ける。
問いは届いたらしく、彼は素直に答えてくれた。
地上に降り立ったテスカトリポカは、ユイに変わらず敵意の目を向けている。
ナズの結界により、記憶だけでなく姿も変わった。しかしテスカトリポカである事にかわりない。
忘れていても届くと信じて、彼女はめげずに名乗る。
「私はユイ・キサラギです。貴方は私の使い魔で」
「は、お前みたいな女が? ふざけるな。
俺は誰にも仕えんし、ましてやお前みたいな弱々しい奴に召喚される義理などない。
戦士を舐めてるのか?」
その言葉はユイの心に、刃となって突き刺さった。
自分だって弱いし、戦士にさえ向かないのは知っている。
ナズと比べて可愛い訳じゃないし、強い能力だって……。
記憶が無くなったのは致し方ないが、傷付かない訳じゃない。
「確かに私は弱いです……ナズさんみたいに、特別な力も持ってない。
でも事実なんです! 貴方は私の」
「黙れ、それ以上喋るな女」
テスカトリポカの左足がユイの腹を蹴り飛ばす。
そのまま中庭から、ナズの座り込んでいる所まで転がった。
膝を突いて呻きを上げながら、なんとか立ちあがろうとするが。
「うっ……おうぇ」
普通の人間でなく、神に蹴られたのだ。想像以上に、腹にダメージを食らっていた。
床に手をついて、胃酸を吐く。
苦悶の表情を浮かべながら吐き続けるユイに、ダサいわねとナズは言う。
「だ、誰の所為だと……」
「睨まないでよ! 言ったでしょう、こんな筈じゃなかったの!
ちょっと建物破壊してもらって、アンタ達の所為にしようとしただけで」
ツラツラ変な言い訳を並べるナズだが、今のユイには腹を立てる暇などない。
吐き気は治った。袖で乱暴に汚れた口元を拭う。
寧ろ、骨が折れなかったのが幸いだ。
よろよろとユイは立ち上がる。
弱々しい口調で呟きながらも、彼女は信じたくない事実を抱く。
「そう、か。もうテスカトリポカさんは、私の事を」
覚えてない、その事実がこの世界に来てからなにより応えた。
「情けないわね、私が相手よ!」
事実にへし折れたユイを尻目に、堂々とナズはテスカトリポカの前に立つ。
自分をこうした元凶にすら、テスカトリポカは覚えていない様子。
「女、俺に勝てると?」
「勝てるわよ。なんたって私は、夢小説あるあるに……ちょっと」
喋っている最中に、テスカトリポカに殴られそうになる。
間一髪交わしたナズに、舌打ちするテスカトリポカ。
「喋ってる最中に手出さないでよ! アバダ・ケダブラ!」
ナズの杖から攻撃呪文が繰り出された。しかし放たれた緑の閃光は、テスカトリポカに握り潰される。
はぁっ? とナズは驚愕した。
杖なんかで跳ね返されるならまだしも、握り潰されたのだ文字通り。
開かれたテスカトリポカの手の平には、火傷ひとつ無い。
「悪くない攻撃だったな。
が、神である俺には届かない」
「な、何で!? 私は夢小説あるあるに乗っかった、夢主よ!
それが何で……うっ」
ユイと同じ様にテスカトリポカに足蹴にされ、ナズは彼女の隣まで転がった。
立ち上がろうと手を付くが、腹を蹴られた事により吐き気が来る様子。
グッと呻くがすんでのところで、吐くのを堪えていた。
「吐いた方が、楽になると思うけど」
「うるさいわよ! 何で呪文通じないの!?」
神だからだって、さっきテスカトリポカは言ってたでしょうと言いたいが、ナズですら敵わないと知ってもう怒る気力など無かった。
抵抗など無意味だと2人の心情を察したのか、テスカトリポカがゆっくりこちらに歩み寄って来る。
まるで獲物を前にした、ジャガーの様に。
このまま2人、ここで終わるとそう思ったが。
「何だ、俺を知ってるのか? 歓迎だな、全く」
中庭に恐る恐る足を踏み入れ、空を見上げてテスカトリポカに問い掛ける。
問いは届いたらしく、彼は素直に答えてくれた。
地上に降り立ったテスカトリポカは、ユイに変わらず敵意の目を向けている。
ナズの結界により、記憶だけでなく姿も変わった。しかしテスカトリポカである事にかわりない。
忘れていても届くと信じて、彼女はめげずに名乗る。
「私はユイ・キサラギです。貴方は私の使い魔で」
「は、お前みたいな女が? ふざけるな。
俺は誰にも仕えんし、ましてやお前みたいな弱々しい奴に召喚される義理などない。
戦士を舐めてるのか?」
その言葉はユイの心に、刃となって突き刺さった。
自分だって弱いし、戦士にさえ向かないのは知っている。
ナズと比べて可愛い訳じゃないし、強い能力だって……。
記憶が無くなったのは致し方ないが、傷付かない訳じゃない。
「確かに私は弱いです……ナズさんみたいに、特別な力も持ってない。
でも事実なんです! 貴方は私の」
「黙れ、それ以上喋るな女」
テスカトリポカの左足がユイの腹を蹴り飛ばす。
そのまま中庭から、ナズの座り込んでいる所まで転がった。
膝を突いて呻きを上げながら、なんとか立ちあがろうとするが。
「うっ……おうぇ」
普通の人間でなく、神に蹴られたのだ。想像以上に、腹にダメージを食らっていた。
床に手をついて、胃酸を吐く。
苦悶の表情を浮かべながら吐き続けるユイに、ダサいわねとナズは言う。
「だ、誰の所為だと……」
「睨まないでよ! 言ったでしょう、こんな筈じゃなかったの!
ちょっと建物破壊してもらって、アンタ達の所為にしようとしただけで」
ツラツラ変な言い訳を並べるナズだが、今のユイには腹を立てる暇などない。
吐き気は治った。袖で乱暴に汚れた口元を拭う。
寧ろ、骨が折れなかったのが幸いだ。
よろよろとユイは立ち上がる。
弱々しい口調で呟きながらも、彼女は信じたくない事実を抱く。
「そう、か。もうテスカトリポカさんは、私の事を」
覚えてない、その事実がこの世界に来てからなにより応えた。
「情けないわね、私が相手よ!」
事実にへし折れたユイを尻目に、堂々とナズはテスカトリポカの前に立つ。
自分をこうした元凶にすら、テスカトリポカは覚えていない様子。
「女、俺に勝てると?」
「勝てるわよ。なんたって私は、夢小説あるあるに……ちょっと」
喋っている最中に、テスカトリポカに殴られそうになる。
間一髪交わしたナズに、舌打ちするテスカトリポカ。
「喋ってる最中に手出さないでよ! アバダ・ケダブラ!」
ナズの杖から攻撃呪文が繰り出された。しかし放たれた緑の閃光は、テスカトリポカに握り潰される。
はぁっ? とナズは驚愕した。
杖なんかで跳ね返されるならまだしも、握り潰されたのだ文字通り。
開かれたテスカトリポカの手の平には、火傷ひとつ無い。
「悪くない攻撃だったな。
が、神である俺には届かない」
「な、何で!? 私は夢小説あるあるに乗っかった、夢主よ!
それが何で……うっ」
ユイと同じ様にテスカトリポカに足蹴にされ、ナズは彼女の隣まで転がった。
立ち上がろうと手を付くが、腹を蹴られた事により吐き気が来る様子。
グッと呻くがすんでのところで、吐くのを堪えていた。
「吐いた方が、楽になると思うけど」
「うるさいわよ! 何で呪文通じないの!?」
神だからだって、さっきテスカトリポカは言ってたでしょうと言いたいが、ナズですら敵わないと知ってもう怒る気力など無かった。
抵抗など無意味だと2人の心情を察したのか、テスカトリポカがゆっくりこちらに歩み寄って来る。
まるで獲物を前にした、ジャガーの様に。
このまま2人、ここで終わるとそう思ったが。